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2018年11月01日

~キャンプを通した女子のエンパワーメント~

公益財団法人東京YWCA青少年育成事業部教育キャンプ課マネージャー 柳下史織

 YWCA(Young Women's Christian Association)は1855年に英国で始まり、キリスト教を基盤に、女性の社会参画を進め、人権や健康や環境が守られる平和な世界を実現することを目指す国際NGOです。
 私たち東京YWCAは1905年に日本に設立され、現在は障がい児療育、平和やDVにたいする取組など幅広く事業を展開しています。御茶ノ水にある会館の地下には、女性専用ジムとプールがあり、シンクロやダイビング、乳がん手術後のプログラムなども実施しています。

 そして長野県野尻湖畔には4万5千坪のキャンプ場があります。1931年、女学生の為の第1回野尻キャンプを実施して以来87年の伝統です。当時の副総幹事エマ・カフマン女史が、野外教育による若い女性の心身の育成とリーダーシップ養成の必要性を説き、寄付をして開設したのが始まりです。「神の前では皆が等しく、かけがえのない存在である」キリスト教精神に基づき、子ども一人ひとりを大切にして発達段階に合わせたキャンプを展開しています。

 『中高生スーパーチャレンジガールズキャンプ』は、中高生女子のみ7泊8日のキャンプです。初日にキャンパーがやりたいことを提案し、リーダーと共にプログラムを作ります。中学生はローボート、高校生はカナディアンカヌーに毎日挑戦したり、女性リーダーがキャリアと出産育児についてワークショップをもったりもします。何でも女子だけでやるので、性役割といったことも意識せず、女子だけの解放感が生まれます。そして非日常だからこそ、いつも以上に自分らしさが発揮されます。毎年8月15日をキャンプ中に迎えて「平和を考えるひととき」を行い、戦争や平和について、お互いの考えをシェアします。多様性、環境問題、憲法9条なども取り上げてきました。過去の犠牲を想い、今の生活に感謝し、未来を考えるときとなります。まさに未来を担う女子中高生をエンパワーし、世界の平和を考えて自分の言葉で発信できるリーダーシップを涵養するというYWCAのミッションを体現するキャンプです。