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男女共同参画関連イベント等参加報告

【市川房枝記念会女性と政治センター】「2019ジェンダー平等サロン第1回 議会に女性を増やすために〜市議6期の経験から」(開催:2019.6.28)

 女性の政治参画が進むと何が変わるのでしょうか。
 市議会基本条例に全国で初めて「多様性の尊重」条項を定めた埼玉県八潮市の矢澤江美子議員からお話を伺いました。

 矢澤さんは、地域の環境保全やPTA活動などを経て、八潮市議会初の市民派・無所属議員として立候補し当選。しかし、いざ議会に関わってみると市民感覚とは異なる慣例だらけであることに驚いたと言います。変化を拒む数々の反発にも悩まされましたが、地域との対話や勉強会を地道に重ね、市民目線に立った市政の実現をめざして活動を続けてきました。もっと市民に開かれた議会にするには、まず圧倒的に少ない女性議員を増やすことが必要だと考えた矢澤さんは、市議会基本条例の制定に際して「多様性の尊重」条項の導入を提案します。

 「男女共同参画」「男女平等」という言葉には反発されてきたが「多様性の尊重」に異議を唱える人はいないはず、という矢澤さんの読みは当たり、条例は全会一致で可決。八潮市は全国で初めて「議会の機能強化のため、議会活動と、育児・介護等が両立できる環境整備等に務め、多様な立場の市民の声が反映されるようにしなければならない」と定めた議会を運営していくことになりました。
 今後はこの条項を根拠に女性だけでなく、障害者や性的マイノリティなど様々な立場の人が政治に関われるようになり、地域課題に真摯に取り組む議員が増えていくことを期待している、と言います。そしてここに至るには、昨年成立した「政治分野における男女共同参画を推進する法律」の存在が力強い後押しとなった、ということでした。

 この講座は、集った人々の対話の場となるよう「サロン」と名付けられています。後半ではくつろいだ雰囲気の中で、この変革の流れをどう活かしていくかなど、市民、現職議員、研究者など様々な立場から熱い思いが語られました。

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 NWECでは今夏開催の男女共同参画推進フォーラムで、政治分野への女性の参画拡大の意義と、その実現のプロセスについて考えるシンポジウム「基本法から20年 〜今こそチャレンジ!政治分野への女性の参画〜」を開催します。
 皆様のご参加をお待ちしております。