&NWEC 国立女性教育会館を上手に活用するためのWebマガジン[アンド・ヌエック]

2019.11.01

男女共同参画関連イベント等参加報告

【プロ・ファミリア(独)他】妊娠・中絶アドバイザー施設訪問・Human-Centered Disitalizationワークショップ参加 報告

 情報課専門職員が、デジタル化とジェンダー平等推進についてドイツで調査、およびオーストリアのワークショップで発表を行いました。

■プロ・ファミリア(フランクフルト)訪問
 ドイツでは妊娠中絶を行う女性は、「妊娠葛藤相談」を受けることが義務付けられています。今回訪問したプロ・ファミリアはその相談事業を認可された代表的な団体のひとつで、ドイツ全土にネットワークがあります。団体が行っているモデルプロジェクトやアンケート・インタビューをもとにした声明は、連邦議会にもとりあげられています。
 今年2月、ドイツでは妊娠中絶のインターネット上の情報提供について議論があり、法律が若干変更になりました。その経緯について詳細に伺うとともに、オンラインやネット上での相談事業の課題や、プロ・ファミリアが行う性と生殖に関する幅広い事業(避妊、移民・難民への言語対応やプロジェクト、青少年への性教育、認知症の高齢者に接する介護者への情報提供など)についてもお話していただきました。

青少年向け性教育の教材。スマホ活用を意識したもの、移民向けの多言語のパンフもある。

避妊に関連する情報パンフ。緊急避妊薬、ピル全般の情報パンフや支援者が説明時に活用するもの等、多岐にわたる活用を想定し、作成されている。

貧困女性に対して避妊ツールを提供するプロジェクトのパンフ。ドイツではピルは22歳まで保険適用で無料で、 緊急避妊薬は薬局処方で入手できる。

■グラーツ工科大学でのワークショップ発表
 日本とオーストリアの外交関係樹立150年を記念し、オーストリア第二の都市、グラーツにある工科大学でワークショップが開催されました。テーマは、「人を中心にしたデジタル化(Human-Centered Disitalization)」です。日本・オーストリアをはじめとしたEUの有識者による基調講演につづき、ワークショップでは倫理、法学、経済学、社会学、教育、サイバーセキュリティなどさまざまな分野で、技術革新の波の真っただ中で、人の価値を守り維持するにはどうしたらいいか、活発な議論が行われました。情報課専門職員もワークショップのひとつで、デジタル化とジェンダー平等に関する政策の日独比較について発表を行い、議論に加わりました。