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男女共同参画関連イベント等参加報告

【朝日新聞社】「朝日地球会議2019」参加報告(開催:2019.10.16)

 「ひらかれた社会へ 多様性がはぐくむ持続可能な未来」をテーマに開催された国際シンポジウム「朝日地球会議2019」にアイスランド女性権利協会事務局長ブリュンヒルデ・オマースドッティル氏が登壇し、アイスランドにおけるジェンダー平等について講演されました。
 
 毎年世界経済フォーラムが発表しているグローバル・ジェンダー・ギャップ指数で過去10年連続一位を獲得しているアイスランドですがが、40年前は北欧の貧しい小国にすぎませんでした。現在のようにジェンダー平等の推進が、政策の中心となった要因のひとつに、意思決定分野への女性の参画が進んだことにあります。議会の女性議員の比率が43%に達した2009年以降2019年までの10年間に、企業役員のジェンダークオータ (2000年)やジェンダー予算(2015年)、男女同一賃金基準法 (2018年)など、女性の活躍促進に関連した法律が次々と制定されてきました。

 また、アイスランドがこのようにジェンダー平等の推進について大きく舵を切ることができた背景には、草の根の女性運動も重要な役割を果たしています。ジェンダーや多様性の推進に消極的な政治家や指導者に対しては、「圧力を与え続けること、そのためには女性の政治参画が不可欠である」点が強調されました。一方、アイスランドでもドメスティック・バイオレンスや性暴力は依然として大きな社会問題として残っており、アイスランドが「ジェンダー平等の楽園」ではないことも繰り返し言及されました。
 講演の最後に、日本の若者へのメッセージを求められたオマースドッティル氏は、「一人で社会を変えることは出来ないので、女性団体や地域活動など組織に所属して連帯しながら行動を起こしてほしい。また長く女性運動を支えてきた人たちには、若い人たちの声に耳を傾けて欲しい。」と語り講演を締めくくりました。

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 なお同氏は平成30年度NWECグローバルセミナーにおいて「ジェンダー平等な未来に向かって—アイスランドの取組みから」と題した基調講演を行っており、その内容をYouTube内の「NWEC CHANNEL」で公開しています。
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