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2019.11.15

男女共同参画関連イベント等参加報告

【内閣府】「理工系女子応援ネットワーク会議」参加報告(開催:2019.10.18)

 内閣府男女共同参画局主催の「令和元年度理工系女子応援ネットワーク会議」が都内で行われました。
 この会議の目的は、女子生徒等の理工系分野への進路選択を促進する「理工チャレンジ(リコチャレ)」の趣旨に賛同し、様々な取組を行っている理工系女子応援ネットワークの参加団体間での情報交換や、先進的な取組事例の共有を行い、さらに訴求力のある企画・イベントにつなげることで、今回で4回目の開催となります。

 まず理工系女性人材の育成に係る取組説明として、内閣府から夏のリコチャレ2019やSTEM Girls Ambassadors(理工系女子応援大使)による人材育成事業・調査研究等についての、文部科学省からは「土曜学習応援団」や女子中高生の理系進路選択支援についての説明がありました。

 続いて、東京大学物性研究所広報室の餅田円(もちだまどか)氏が基調講演を行い、同研究所の一般向け体験型イベント「チョコレイト・サイエンス」を紹介。チョコレイト・サイエンスとは、チョコを教材にして結晶形の違いによる物性や美味しさの違いを体験するプログラムで、2014年に開始されて以来、通算27回開催、のべ837名が参加しています。理系・研究者志望の大学生向けサマースクールで行ったプログラムを元に、理工系進路選択に関心が高い人だけでなく、「ある程度関心がある」、または「今の所はあまり関心がない」という人たちに興味を持ってもらうことを狙いとして始めたそうです。講演では、ターゲットの設定や企画の立案、広報活動等において、内外の様々な人を巻き込むことでプログラムが拡充され、一度きりではないイベントに育ったことや、さらなるプログラム拡充を目指した取組を続けていることをお話しいただき、イベントを実施し継続していくうえでのヒントとなりました。

 リコチャレイベントの取組事例の発表では、立教大学と大成建設株式会社が発表しました。
 立教大学は、女子中高生やその保護者・教員に向け、「理系分野で培う理論的思考が多様な業種で活きること」と「理系進学後のキャリア選択には多様な可能性がある」ことを実感・理解してもらい、理系進学を促すことを目的として、講演会や会社見学、実験体験の講習会、オンサイト・カレッジ(学校訪問による授業など)、チャレンジ・ラボ(研究室で2日間先端研究の一端を体験)などの企画を立案・実施しています。企画実施の際には共同機関となる企業と、中学や高校への広報の際には豊島区教育委員会とそれぞれ連携を図りながら、取組を進めています。
 大成建設株式会社も、理工系に進学する女子学生を増やすための取組として、小学生から高校生までを対象とした体験型プログラムを実施しています。トンネル工事やビルの建築現場の見学や壁面装飾のプログラミングなどゼネコンならではのダイナミックな体験に女性技術者との懇談会をプラスしたプログラムなど、理系への関心を高めつつ、進路選択につなげられるよう内容を工夫していました。

 後半は、会議に参加した理工系女子応援ネットワーク加入団体同士でグループディスカッションを実施。プログラム内容や参加者募集の工夫点や課題点等、今後のイベント実施に向けて活発な意見交換が行われました。

 本会議には橋本聖子内閣府特命担当大臣(男女共同参画)も出席し、「新技術の開発には新しい視点や発想が必要であり、現状の2割に満たない女性理工系研究者・技術者を増やさなければならない。スポーツ分野においても科学技術の活用は世界の潮流であり、女子生徒の理工系分野への進路選択を促進する理工チャレンジ(リコチャレ)には、さらに力を入れていきたい」と挨拶されました。最後は、参加者全員で記念撮影を行い、盛況のうちに幕を閉じました。