&NWEC 国立女性教育会館を上手に活用するためのWebマガジン[アンド・ヌエック]

2019.12.15

男女共同参画関連イベント等参加報告

【全国女性会館協議会】第63回全国大会in浜松 参加報告 (開催:2019.11.30~12.1)

 非営利特定活動法人全国女性会館協議会は、全国の男女共同参画センター、女性センター、女性会館等で構成するネットワーク。研修や情報発信など各種事業の実施を通じて女性関連施設の事業及び管理運営の充実・発展を図り、男女共同参画社会の形成促進に貢献しています。年1回開かれる全国大会の開催場所は会員館の持ち回りで、今年の会場は、遠くに駿河湾を望む浜松市男女共同参画・文化芸術活動推進センターあいホール。小春日和の中、全国各地から110名余のセンター職員や管理職等が集まり、熱心に学習と交流を繰り広げました。

 音楽の街らしく、地元のジュニアジャズオーケストラによる華やかウェルカム・ライブを聴いて会場へ。鈴木康友浜松市長の男女共同参画推進に向けた力強いメッセージでプログラムがスタートし、続いて事業企画大賞の表彰式が執り行われました。今年の受賞者は啓発冊子『GENDER HANDBOOK 必ず知ってほしい、とても大切なこと。性的同意』を作成した京都市男女共同参画センター「ウィングス京都」。女性の人権問題の根幹にかかわる性的同意という今日的な課題に着目して、学生との連携、SNSでの発信、積極的なメディア掲載など、若年世代への浸透を図った実効的なアイデアが高く評価されました。

『GENDER HANDBOOK』は手に取ってもらえるデザインも工夫したとのこと→

 その後「めざそう!政治分野における女性の参画拡大」をテーマに、三浦まりさん(上智大学教授)による基調講演が行われました。続くパネルディスカッションには、推進法成立に向けた超党派の議員連盟会長として国会内の合意形成に尽力した中川正春さん(衆議院議員)、静岡大学でダイバーシティ推進を担当する笠原恵さん(静岡大学副学長)が登壇。三浦さんのコーディネートで、昨年施行された政治分野における男女共同参画推進法の具体的な活用について考えました。
 男女共同参画センターには、政治に参画する女性の「支え手」と「なり手」の人材育成を担う役割が期待されています。3人は、政治的中立性を担保しつつ「政治は男性のもの」という意識を払しょくする具体的な方策を挙げながら「女性が加わり政治文化が変われば、暮らしや社会もよりよく変えていくことができる。ともに取り組んでいこう」と呼びかけました。

本音トークで盛り上がったパネルディスカッション。

 翌日は、①地方政治における女性の参画拡大 ②男女共同参画センターでできる、若年女性のアプローチと支援の方法 ③地域で活躍できる女性リーダーの育成の3つのテーマで分科会が持たれ、先進的な取組を行っているセンターの事例発表等をもとにグループで意見交換を行いました。地域課題を敏感にとらえた各センターの取組は事業ノウハウとして参考になるだけでなく、地域の人材や連携先を地道に開拓しながら男女共同参画を推進する姿勢が参加者同士の共感を呼び、参加者は口々に「大会に来ると明日からの仕事に活力をもらえる」という感想を述べていました。

 来年の開催地は、くまもと県民交流館パレア男女共同参画センター。1年後、また新たな実践を報告し合えることを楽しみに、帰路に着きました。

浜松市長の開会挨拶。前回の選挙で市議会議員の女性比率が政令市で第3位になったそう。

多くの企業等から協賛も。浜松駅近くのレストラン入口には大会のステッカーが。