&NWEC 国立女性教育会館を上手に活用するためのWebマガジン[アンド・ヌエック]

男女共同参画関連イベント等参加報告

【GEAHSS】 公開シンポジウム「どうする?ジェンダー平等人文社会科学系学会の未来」(開催:2020.2.18)

 人文社会科学系学協会男女共同参画推進室(以降略称GEAHSSとする)は2017年5月の発足以降、さまざまなアウトリーチ活動や、人文社会科学系女性研究者の実態調査を行ってきました。
 本シンポジウムでは、実態調査結果を踏まえ、人文社会科学系での課題を明らかにし、男女共同参画を進めるための講演、パネルディスカッションがあり、活発な議論が交わされました。

基調講演
  • 渡辺美代子氏「『科学』の進展とジェンダー平等の未来」

    さまざまなデータを用い、男女共同参画が不十分な現状と課題、そして科学のあらゆる分野で男女共同参画を推進する意義についての分かりやすい講演でした。

パネルディスカッション「人文社会科学系からの提言に向けて」
  • 本田由紀氏「調査から浮かび上がる課題」

    今回の調査結果についてのまとめと課題が語られました。 女性、とくに若年女性で有期雇用の割合が多いこと、また結婚や子どもがいることによって、課程博士取得まで男性に比べて有意により時間がかかる点など、女性研究者の困難な状況が明らかになりました。

  • 永瀬伸子氏「日本学術会議総合ジェンダー分科会からの提言」

    人文社会科学系女性研究者を政府統計から分析、今回の調査との比較を行い、政府統計でも明らかに昇進や研究者数などに男女差があること、さらに今回の調査から女性研究者のキャリアを阻害する要因が分かったことなどを発表されました。

  • 和泉ちえ氏「海外の取り組み:英国における人文社会科学系学協会の連携体制」

    英国哲学協会と英国女性哲学者協会のグッド・プラクティス構想を紹介されました。 この構想の指針には、性別に関する偏見・いやがらせへ対処や、学術団体の運営・会合に関するジェンダーバランスなど、男女共同参画において重要な具体的指針が含まれています。

  • 青野篤子氏「ギースから日本学術会議に求めること」

    GEAHSSのこれまでの活動、今回の調査を振り返り、日本学術会議に求めることとして、科学の再定義・人文社会科学の評価、学問分野・学協会の枠を超えたジェンダー学の構築、科研費の細目として「ジェンダー」の復活、ジェンダー平等のための「報告」「提言」などを挙げられました。