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男女共同参画関連イベント等参加報告

【(公財)市川房枝記念会女性と政治センター】「国の第4次男女共同参画基本計 画と2020(令和2年)年度予算案について聞く会」参加報告(開催:2020.2.25)

 令和2年2月25日、公益財団法人市川房枝記念会女性と政治センター主催「国の第4次男女共同参画基本計画と2020(令和2)年度予算案について聞く会」が開催されました。この「聞く会」では、各省庁の担当官による男女共同参画基本計画に基づく次年度の関連施策と予算案についての説明と質疑応答が行われます。

 今年招かれたのは、内閣府、外務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、文部科学省の6機関。昼休みをはさむ6時間余は分刻みでスケジュールが組まれており、各府省の担当者が順番に登壇して、第4次男女共同参画基本計画が定める全12分野から導き出される、各省の施策と次年度予算を説明しました。

2020年の「聞く会」 会場は熱心な参加者でぎっしり

 「聞く会」には非常に長い歴史があります。NWEC女性情報資料センター所蔵の『婦人界展望』(現『女性展望』、1954年に市川房枝が発刊)を紐解くと、1958年2月号に婦人問題研究所の主催で「昭和33年度 各省婦人関係予算をきく会」が30数名の参加者を集めて開催されたとの報告記事を見ることができます。

『婦人会展望』(1958年2月号) 表紙には当時の「聞く会」の写真が

 「婦人問題研究所があっせん役となり、評論家、婦人団体幹部、婦人記者などに婦人問題研究の機会を提供しようとの意図によるもの」であったとのことで、『婦人会展望』後続号には、各予算項目を紹介する連載コーナー「予算のゆくえ」も設けられていました。農林省「生活改善技術館」、文部省「婦人教育振興費」、厚生省「母子寮」「母子福祉年金」、法務省「東京婦人補導院」など、いずれも担当課や現地へ足を運んで取材した分かりやすい解説記事で、有権者として政治への主体的な関わりを呼びかけた、婦人参政権獲得まもない時期の女性たちの真摯な姿勢が伝わってきます。
 
今年の「聞く会」も、会場の婦選会館会議室は熱心にメモを取る参加者で埋まり、各府省の説明が終わると次々と手が上がって活発な質疑応答が行われていました。そのやりとりによって、男女共同参画をどのように捉え、何を重点課題と考えるかなどについて、参加者のみならず各省庁の担当者も、認識が深まっていくようでした。

 一昨年成立した「政治分野における男女機会均等法」によって議員にチャレンジする女性が増えています。そうした動きを支持していくとともに、「聞く会」を貫いてきた精神に倣い、男女共同参画視点からの施策リテラシーを高めていくことも重要な政治参画のあり方の一つだと感じました。