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2018年01月11日

人文社会科学系学協会男女共同参画推進連絡会(GEAHSS略称ギース)

人文社会科学系学協会男女共同参画推進連絡会(GEAHSS略称ギース)が発足しました

 「人文社会科学系学協会男女共同参画推進連絡会」Gender Equality Association for Humanities and Social Sciences(GEAHSS略称ギース)が、2017年5月21日に発足いたしました。日本はOECDの中でも女性の研究者割合が特に低く、それが学術の健全な発展を阻害することが危惧されています。

GEAHSSでは、人文社会科学系の学協会の連携を通じて
1. 学協会におけるジェンダー平等に関するグッド・プラクティス(好事例)の調査・公表
2. 学協会におけるジェンダー統計に関する調査・公表・分析
3. シンポジウム・ワークショップなどの開催
などを行う予定です。

2017年11月末時点で、30の学協会が参加を表明されています。
本会は、日本学術会議第一部総合ジェンダー分科会との連携で準備してまいりました。

【設立の趣旨】
 日本学術会議第一部会は人文社会科学分野で構成され、言語・文学、哲学、心理学・教育学、社会学、史学、地域研究、法学、政治学、経済学、経営学の10の分野別委員会があります。この10の各分野別委員会から1人ずつが委員となり2014年秋に日本学術会議第一部総合ジェンダー分科会がつくられました。人文社会科学の学術分野における男女共同参画やジェンダー課題を横断的に議論するためです。
 そもそも研究者に占める女性割合が日本は海外に比べても特段に低い状況です。科学技術・学術審議会人材委員会(平成27年1月27日資料)によれば、女性割合は、英国37.7%、米国は33.6%、ドイツは26.7%、フランス25.6%、韓国17.7%(いずれも2010年から2012年データ)であり、日本は14.6%(2014年)と特段に低い。2015年には15.3%(総務省「科学技術研究調査」)にやや上昇したのですが、まだまるで低い。かつては韓国よりは大学教員の女性割合は高かったのですが、2006年に追いつき追い抜かれています。
 第一部総合ジェンダー分科会では、10分野から、さまざまな学協会の学会長や学会理事の方々に集まってもらい、学協会における男女共同参画の現状をシンポジウムの中で発表していただきました。女性学会長はこれまで1人もいないという学会もありますが、先進的な学会もありました。こうした活動を経て2017年5月に人文社会科学学協会男女共同参画連絡会(GEAHSS通称ギース)が産声をあげたのです。名前が長すぎて間違えやすいので、ギース、と呼んでください。理系ではこうした活動は2002年から行われており、理系から多くの学びを得ました。

【これからの活動】 
 2017年9月末に日本学術会議から学協会に呼びかけましたところ、当初、日本哲学会、日本倫理学会、日本経済学会、日本人口学会と4学会の参加でしたが、その後わずか2,3か月で30学会にまで参加希望が増えました。学術においてもジェンダー課題が大きいと考える学会が多いことがわかります。
 具体的な活動はこれからとなります。3月31日午後にはお茶の水女子大学でシンポジウムを予定しており、2018年には、可能な参加学会において学会員のワークとライフについての調査をしたいと思っております。調査結果を踏まえて、日本の学術分野の男女共同参画の実現に向けて、学協会相互でGood Practiceを広げる場となればと願っております。

                     第24期 日本学術会議第一部総合ジェンダー分科会委員長 
                         永瀬伸子(お茶の水女子大学教授)