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2018年04月19日

~自分を大事にすることから始まる平和な社会~

NPO法人育自の魔法 代表理事 山口ひとみ

 NPO法人育自の魔法は、2013年に設立された埼玉県川越市にあるNPO法人です。「育自のための小さな魔法」というワークショップを全国で開催しています。
 2003年に初めて開催し、1回きりのつもりが、参加者に好評で、もう一回、もう一回とリクエストに応じていくうちに、埼玉県に限らず全国に広がりました。もともとは、子育てママ向けだったため、自分を大事にして欲しいという願いから、「育児」と引っ掛けて「育自の魔法」という名前にしました。
 対象者は、子育て世代、独身男女、シニア、大学生、企業人まで様々です。現在、全国にファシリテーターが120名おります。平成27年度には内閣府男女協働参画局の女性のチャレンジ賞特別部門団体で受賞。また、企業や自治体などの研修などでも採用されています。

 このワークショップは、私(山口)の子育ての体験がきっかけとなって生まれました。専業主婦時代、ママ友に「将来、子どもを預けて働いて、こんなことをやりたい」と夢を語った時、話を流されたことがありました。○○さんの奥さん、△△ちゃんのお母さんではなく、一人の人間として認めてもらえない悲しさ、本音で語れない、自分の話は聞いてもらえない寂しさ。その十数年後、今だに安心して自分のことを話せる場が少ないということを知り、ワークショップ「育自のための小さな魔法」を作りました。

 「自分を大事にする」とはどういうことでしょうか?よく言われるフレーズですが、多くの人は、実はよくわかっていないのではないでしょうか。日常の忙しさに紛れてそれらを脇に置いて誰かのために一生懸命頑張ってしまう。しかし、ふとした瞬間に不安や苛立ちを感じる。「このままでいいのだろうか。」と。
 その時に、立ち止まって自分を振り返り、自分に起きている感情や気持ちを認めること。自分の好きに正直であること。自分の気持ちに正直でいたら、気持ちは落ち着きます。その雰囲気は周りに伝わります。社会の平和とはまず自分の内側を平和でいることではないかと私たちは考えます。私たちは、安心安全な場で自分のことを話せる場を作り、人と繋がっていく場を作ります。

 世界や社会の視点から問題解決するアプローチもありますが、育自の魔法では、まず自分から大事しよう、と個人を起点に考えています。世界から何かを変えるのは途方もない気がしますが、自分からだったらすぐにでも行動できます。
 自分を大事にすることは、わがままでも自己中心的でもありません。子育て世代、保育や教育、介護、福祉などなど、自分のことは脇において一生懸命、誰かのために頑張っている人にこそ、この「育自のための小さな魔法」を受けてほしいと思います。頑張っているあなたへ贈るワークショップ。タンポポの綿毛のように全国に飛んで広がる活動です。