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コラム

「 復興から地域創生へ、地域を先導する岩手大学 」菅原悦子(2017.3.15)

菅原悦子 岩手大学理事(復興・地域創生・男女共同参画担当)/副学長

 2011年3月に起きた東日本大震災は、岩手県にも甚大な被害をもたらしました。本学では「岩手の復興と再生にオール岩大パワーを」をスローガンに、発災直後から一丸となって取り組んできました。私が室長を務める男女共同参画推進室においても、「男女共同参画の視点を大切にした復興支援に取り組むこと」を掲げ、学内外の関係者と連携しながら、復興支援を行ってきました。たとえば、シンポジウム「人の多様性を尊重した岩手の復興を考える」、「いのちと健康が守られる復興後の社会へ~女性研究者・技術者の貢献とその意義」等の開催、県の主催する「復興に関する女性との意見交換会」での提言取りまとめや岩手県東日本大震災津波復興委員会女性参画推進専門委員会への参画等を行っています。シンポジウムは、多様な分野の研究者や行政担当者、地域で活動する女性等が、男女共同参画・多様性尊重の視点から復興・防災をテーマに情報・意見交換を行う場となっています。
 文部科学省女性研究者研究活動支援事業に採択された「いわての復興に貢献する女性研究者支援」(2013-15年度)は、女性が能力を発揮することが復興にとって重要かつ不可欠であり、そのための支援に取り組むことが地域の拠点大学である本学の使命であるとの認識に基づくものです。今年度からは、北東北に拠点をもつ5機関とともに、「ダイバーシティ実現で北東北の未来を先導」をテーマに、ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ事業に取り組んでいます。この事業では、女性研究者の能力発揮・活躍推進で、持続的に発展する北東北の未来を拓くことを目指しています。
 2015年からは、理事として、男女共同参画に加え、三陸復興・地域連携(2016年度より、復興・地域創生に改組)も担当することになりました。岩手大学では、第3期中期目標・中期計画(2016-21年度)において、「震災復興・地域創生」に応える地域の中核的学術拠点として地域を先導することを本学の使命として掲げており、その具体的な取組として、学長自らが「男女共同参画社会実現に向けて地域を先導する」ことを明言しています。私も担当理事として、「地域と連携した人材の協創と研究成果の還元を通じて豊かで楽しい地域づくりを先導する」ことをビジョンとして示しました。地域創生型人材育成に女性活躍の視点を入れ、たとえば「社会人の学び直し」として女性のためのプログラム開発をしたいと考えています。
 復興から地域創生へ、地域の持続的発展に向け、大学は地域の男女共同参画推進を先導する役割を担っているとの自覚をもって、取組を進めてまいります。今後とも、ご協力・ご支援をお願いいたします。

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