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コラム

「 女性の力で変革を~防災と男女共同参画 」堂本暁子(2016.4.15)

堂本暁子 男女共同参画と災害・復興ネットワーク代表/元千葉県知事

 2011年3月11日14時46分、東日本大震災が起きた時、私はNWECで「女性のリーダーシップ」について講演をしていました。忘れられない瞬間です。3週間後、私は野菜を車に積んで被災現場に向かいました。そこで目の当たりにしたのは、男性中心の避難所運営によって、女性が様々な困難に直面し、差別や格差にさらされている現実でした。

 危機感を抱いた私たちは 「男女共同参画と災害・復興ネットワーク」を立ち上げ、被災地の女性たちと連携して復興政策、さらに防災政策に男女共同参画の視点を取り入れるよう、政府に要望し続けてきました。

 その結果、復興基本方針などに男女共同参画の視点が盛り込まれたほか、災害対策基本法改正によって地方防災会議に女性委員を増員しやすくなるなどの成果を得ることができました。また、国際的にも活動を広げ、2015年3月の第3回国連防災世界会議 (仙台市)で採択された「仙台防災枠組」には、リーダーとしての女性の役割が盛り込まれました。

 戦後、日本は高度経済成長の中で、男性は仕事、女性は家庭という役割分業が進んだ結果、今ではそれが社会の歪み、格差となっています。この構造を解消することこそが災害に強い(レジリエントな)社会の実現につながります。女性の力による変革に他なりません。

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