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国際協力機構との連携

実施報告

平成26年度 JICA課題別研修「アジア諸国における人身取引対策協力促進セミナー」

開催期間:平成26年10月20日(月)~31日(金)


平成26年10月20日から10月31日、アジア太平洋地域の人身取引対策に携わる関係者を対象に開催されました。参加者は、国際協力機構(JICA)が実施している人身取引対策プロジェクトのカウンターパート(ミャンマー、ベトナム)およびフィリピン、カンボジア、ラオスから12名の国や地方レベルの行政官です。
国境を越えた広域的課題である人身取引撲滅と被害者保護には、アジア地域におけるネットワーク形成が緊要です。研修では日本政府の人身取引対策の取組を学ぶとともに、参加国相互の人身取引対策についても理解を深めました。
なお、人身取引の被害者は男女を問いませんが、日本での被害者は多くが女性です。本研修は、毎年地方の自治体を訪問します。今年は東京都及び静岡県と浜松市を訪問し、日本の男女共同参画施策を通じた女性に対する暴力の被害者保護制度や在住外国人女性と子どもを支援する官民の体制や連携、具体的な支援の取組を学びました。
講義や視察のほかにロールプレイやワークショップを通じて、被害者保護と自立支援に向けた取組、防止策の重要性、関係機関の機能強化や連携、国を越えたネットワークの強化に資する方策を話し合いました。
最終日の成果発表では関係省庁、国際移住機関や各国の駐日大使館、民間支援団体、有識者を招き、研修を通じて得られた成果や各国の取組について発表しました。
研修を通じて参加者は、日本および各国の人身取引対策について理解を深めました。

  • 研修を終えた各国の参加者の感想を一部紹介します。

  • 講義と視察を通して多くの知識と経験を学ぶ事ができた。
  • 研修を通して学んだ知識を職場の同僚と共有したい。
  • 人身取引の被害者に向き合うための新しい知識を学ぶ事ができた。帰国後は、関係省庁や警察と研修で学んだ経験を共有し、連携を強化したい。
  • 日本の外国人支援制度は素晴らしいと感じた。目的国との間で人身取引の防止における協力や移住労働者の扱いについて情報共有が必要である。自国の入管職員が日本の入管から学べる点が多くあると感じた。
  • 人身取引の知識を深めることができた。講義や施設見学で学んだ知識を帰国後は上司に報告し、職場内で共有したい。
  • 帰国後は報告書を提出し、自国の状況に合わせて何が導入できるかを考えたい。関係省庁との連携を強め、人身取引問題や社会問題を解決したい。
  • 多くの知識を得た。日本では市民団体や民間団体が防止のみではなく、幅広く人身取引対策に関わっている事を知った。より多くのアセアン諸国から当セミナーに参加して欲しい。
  • 日本の制度、政策、被害者保護対策に加え、他国の経験を学ぶ事ができ、有意義な研修であった。被害者帰国システムや電話カウンセリング等、日本や参加国と自国との制度を比較し、違いも理解できた。特にシェルターでの保護についての情報が有益であり、自国のシェルター運営の改善の必要性を感じた。より多くの国から参加者を招いて欲しい。
  • 移住労働者の現状について学ぶ事ができた。帰国後はこれまで行ってきた意識向上セミナーや権利擁護セミナーを更に充実させたい。入管と相談の下、出国前オリエンテーションのプログラムを試験的に開始し、その後、国レベルに広めることを検討したい。
  • 日本の外国人支援は素晴らしく、多くの同国人も支援の対象となっていることを知った。人身取引は需要と供給の原理で成り立っているため、需要側の防止策を学ぶ事も重要である。成果発表会では日本の政策立案者との意見交換ができ、有意義であった。
  • 日本の外国人支援制度が充実していることを理解した。ホットラインやシェルター運営が素晴らしいと思った

本セミナーの実施にあたり講義や意見交換、見学受け入れで多大なるご協力をいただきました関係省庁(内閣府、外務省、法務省、厚生労働省、警察庁)、都道府県(東京都、静岡県)、自治体(浜松市)、大使館、国際機関、民間団体、有識者および支援活動に携わるネットワークの皆様に心よりお礼を申し上げます。

  • <過去の地域別研修>

※平成21-23年度は、タイの人身取引の被害者保護と自立支援のための関係機関の連携協働を促進するプロジェクトとして国際協力機構(JICA)から委託を受けて実施。

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