国際連携

国際研修

実施報告

平成29年度 アジア地域における男女共同参画推進官・リーダーセミナー

開催期間:平成29年10月2日(月)~6日(金)


国立女性教育会館では、国際研修 平成29年度アジア地域における男女共同参画推進官・リーダーセミナーを「指導的地位への女性の参画」をテーマとして、10月2日~10月6日に開催しました。今年度は、アジア5カ国(韓国、カンボジア、インドネシア、フィリピン、ベトナム)から、男女共同参画に携わる行政担当者やNGOのリーダー10名が参加しました。

内海理事長講義 内海理事長講義

国立女性教育会館滞在中は、日本における女性リーダーを取り巻く現状と課題を分析した内海理事長の講義がおこなわれたほか、会館が企業の管理職やリーダー層を対象として実施している研修が紹介されました。研修生からは、政治分野での女性の参画を進めるために、日本ではどのような施策が実施されているのか、男女の性別役割分業意識が女性のエンパワーメントの障害となっていることは自国でも同様であるなど、多くの質問や意見が寄せられました。

女性アーカイブセンターの視察 女性アーカイブセンターの視察

女性教育情報センターや女性アーカイブセンターの視察のほかカントリーレポートの報告をおこない、アジア5カ国における最新の男女共同参画政策や女性支援の好事例を共有しました。

カントリーレポートの報告 カントリーレポートの報告

カントリーレポートの報告

研修3日目には企業におけるダイバーシティ・マネジメントを学ぶため、ANA本社を訪問しました。仕事と家庭責任との両立支援から視点を転換し、経営戦略の中核にダイバーシティを位置づけ、企業のトップがその重要性についてメッセージを発信する取組みが紹介され、熱心にノートを取る研修生の姿が目立ちました。

ANA訪問 ANA

ANA訪問

午後には内閣府男女共同参画局を訪問し、日本政府の男女共同参画についての講義を聞き意見交換をおこなった後、新幹線で京都に移動しました。

内閣府男女共同参画局訪問 内閣府男女共同参画局

新幹線で京都に移動

研修の後半日程では、京都府内のスタディーツアーをおこないました。京都ウィメンズベースは京都府が平成28年にオープンした女性の活躍支援のための拠点機関です。中小企業における女性の登用に係る行動計画の策定や、女性の人材育成、長時間労働の是正など多岐に渡る事業を府内の企業や関連団体と連携しつつ進めています。

京都ウィメンズベース訪問 京都ウィメンズベース

京都では二人の女性起業家とも意見交換の機会を持つことができました。株式会社Stroly CO-CEOの高橋真知さんは、従来の地図アプリを一新するオンライン地図プラットフォームの企画・開発・運用を通じて、エリアブランド発信や地図利用データの提供をおこなう企業を設立しています。古地図やユーザー・フレンドリーな地図を活用した独創性の高い業態の開発者として、今注目の経営者です。

株式会社Stroly訪問 株式会社Stroly

また森田製茶の森田真希さんは、宇治茶の産地である木津川市で、抹茶を使ったスイーツを製造、販売している女性起業家です。京都府では地域の特性を生かしたアグリビジネスの展開や六次化産業にも力を入れており、森田さんは京の農林女子ネットワークの設立メンバーとして、女性農業者の視点を生かした器具の開発にも積極的に取組んでおられます。

森田製茶訪問 森田製茶

森田製茶 茶畑の見学 茶畑の見学

京の農林女子ネットワークの取組み 京の農林女子ネットワークの取組み

研修の最後には京都市男女共同参画センター(ウィングス京都)を訪問し、センターの施設を見学したほか、ドメスティック・バイオレンスを受けた女性への支援など、ウィングス京都の活動についてうかがいました。女性に対する暴力は研修生の出身国でも、女性の社会参画を妨げる要因のひとつとみなされており、パープル・リボン事業や暴力をうけた女性への切れ目のない支援のあり方などをめぐって活発な議論がかわされました。

ウィングス京都訪問 ウィングス京都

閉講式 閉講式

ウィングス京都で修了式を終えた研修生は10月7日、帰国の途につきました。

本事業の成果は、研修参加国と日本における女性の社会参画支援に係る好事例をまとめた「2017リーダーセミナーレポート」として平成30年3月に刊行されました。

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