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実施報告

平成22年度 アジア太平洋地域の女性リーダーエンパワーメントセミナー

開催期間:平成22年9月29日(水)~10月10日(日)


国立女性教育会館では、「平成22年度アジア太平洋地域の女性リーダーエンパワーメント セミナー」を「女性リーダーの育成~日本の経験から考える~」をテーマとして、9月29日~10月10日の日程で開催しました。アジア太平洋地域11カ国(インド、インドネシア、韓国、カンボジア、スリランカ、タイ、中国、パラオ、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム)から、国内本部機構、非政府組織、教育機関に勤務する女性リーダー14名が参加しました。

1. 会館に到着した研修生一行1. 会館に到着した研修生一行

2. 会館職員と記念撮影2. 会館職員と記念撮影

9月30日に研修生一行は会館に到着し、プログラムオリエンテーションに参加した後、国立女性教育会館の歴史や機能、事業についての講義を受けました。昼食をはさんで午後には、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科の黒田一雄教授より日本の教育制度における女子教育推進の歴史を踏まえた上で、日本の経験が開発途上国の文脈にどこまで適用可能かについての講義を受けました。また研修生は女性教育情報センターと女性アーカイブセンターも見学しました。

3. 黒田一雄教授による講義3. 黒田一雄教授による講義

4. 女性アーカイブセンターの見学4. 女性アーカイブセンターの見学

研修2日目は終日、研修生がカントリーレポートの発表を行い、自国における女子・女性教育の現状や女性リーダー育成のための施策について討議を行いました。また同日、国際協力機構が主催する「JICA青年研修アフリカ(仏語圏)行政管理コース」研修のため会館に滞在していたアフリカ諸国の研修生も、エンパワーメントセミナー研修生の発表を聴講しました。

5. カントリー・レポートの発表5. カントリー・レポートの発表

6. カントリー・レポートの発表を聴講するJICA研修生6. カントリー・レポートの発表を聴講するJICA研修生

10月3日には静岡県掛川市に移動し、「吉岡彌生記念館」及び「資生堂企業資料館」を見学しました。
10月4日にはアイセル21静岡市女性会館にて松下光恵館長によるアイセル21の事業についての講義と施設見学の後、会館職員と日本及びアジア太平洋地域における男女共同参画の推進についての意見交換を行いました。午後には起業を通じた女性の社会参画の実践事例として、北極しろくま堂代表取締役の園田正世氏とヘアサプライピア代表取締役の佐藤真琴氏にお話を伺いました。

7. 吉岡彌生記念館7. 吉岡彌生記念館

8. 資生堂企業資料館8. 資生堂企業資料館

9. アイセル21静岡市女性会館の見学(11カ国語で書かれたWelcomeメッセージの前で)9. アイセル21静岡市女性会館の見学(11カ国語で書かれたWelcomeメッセージの前で)

10. アイセル21静岡市女性会館職員の方たちとの意見交換会10. アイセル21静岡市女性会館職員の方たちとの意見交換会

11. 園田正世氏(北極しろくま堂代表取締役)による報告11. 園田正世氏(北極しろくま堂代表取締役)による報告

12. 佐藤真琴氏(ヘアサプライピア代表取締役)による報告12. 佐藤真琴氏(ヘアサプライピア代表取締役)による報告

翌日は内閣府男女共同参画局や、文部科学省、お茶の水女子大学を訪問し、日本政府の男女平等施策や大学におけるリーダーシップ教育や女性研究者支援についての理解を深めました。研修生はまた、国立女性教育会館が8月に実施した「女子中高校生夏の学校について」も学びました。

13. 内閣府男女共同参画局での市川恭子男女共同参画推進官による講義13. 内閣府男女共同参画局での市川恭子男女共同参画推進官による講義

14. 板東久美子文部科学省生涯学習政策局長を表敬訪問14. 板東久美子文部科学省生涯学習政策局長を表敬訪問

15. お茶の水女子大学羽入佐和子学長より歓迎のごあいさつ15. お茶の水女子大学羽入佐和子学長より歓迎のごあいさつ

16. 宮尾正樹教授、村山真理准教授による講義16. 宮尾正樹教授、村山真理准教授による講義

17. 佐國勝事業課専門職員による講義17. 佐國勝事業課専門職員による講義

18. 「女性のエンパワーメント国際フォーラム」の報告準備18. 「女性のエンパワーメント国際フォーラム」の報告準備

10月8日には、研修での学習に基づき、教育と女性のリーダーシップに関する政策提言についての議論を深めるため、専門家会議を開催しました。国立女性教育会館客員研究員で元ユネスコ・ネパール事務所長の菅野琴氏、韓国両性平等教育振興院教授のソン・ヒュンジュ氏、ユニセフ東アジア太平洋事務所教育専門家の林川眞紀氏をコメンテーターに迎え、研修生は10日間の研修成果を報告し、翌日の国際フォーラムでのプレゼンテーション資料を作成しました。

19. 研修生の発表にコメントする菅野琴氏19. 研修生の発表にコメントする菅野琴氏

20. 専門家会議の様子20. 専門家会議の様子

最終日の10月9日には、都内で開催された「平成22年度女性のエンパワーメント国際フォーラム」にパネリストとして参加し、各国の共通課題である女性リーダーの育成に果たす教育の役割についての問題提起と政策提言のプレゼンテーションを行いました。

忙しい講義や訪問の合間を縫って、研修生は日本の歴史や文化を学ぶ機会にも恵まれました。10月5日に訪問したお茶の水女子大学に開設されている「歴史資料室」では、日本の女子高等教育の歩みについての展示を見学しました。また、10月7日には、会館ボランティア有志による絵手紙教室が行われ、研修生は筆と顔彩を使って初めての絵手紙に挑戦し、日本の文化を体験しました。

21. お茶の水女子大学「歴史資料室」の見学21. お茶の水女子大学「歴史資料室」の見学

22. 絵手紙体験22. 絵手紙体験

23. 「女性のエンパワーメント国際フォーラム」23. 「女性のエンパワーメント国際フォーラム」

研修生からは、「日本を含む各国の女性リーダー育成を俯瞰することができた貴重な機会となった」、「このセミナーを通して得られた人的ネットワークを活かしてこれからも、女性リーダー育成のために邁進していきたい」などの意見が出されました。

本セミナーの研修生の受け入れをお引き受けくださった方々ならびに、講師、ボランティアとしてご協力をいただいた皆様に心より御礼申し上げます。

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