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CSW

第62回国連女性の地位委員会参加報告

開催期間:平成30年3月12日(月)~23日(金)

開催場所:国連本部(ニューヨーク)


「第62回国連女性の地位委員会(Commission on Status of Women、以下CSW)」が国連本部(ニューヨーク)で2018年3月12日(月)から3月23日(金)まで開催されました。今年のCSWでは「農山漁村女性と女児のジェンダー平等及びエンパワーメント達成のための課題と機会」を優先テーマとして、各国代表や国連の関係機関、NGO代表らによるステートメントの報告、閣僚級ラウンドテーブル、対話型専門家パネルが実施されました。過去のCSWの議題の進捗状況をはかるレビューテーマは、「メディア及びICTへの女性の参加及びアクセス、それがもたらす影響、女性の地位向上及びエンパワーメントの手段としての活用」でした。10日間にわたり農山村漁村に暮らす女性たちを取り巻く課題や各国の政策について、様々な角度から議論がおこなわれました。

CSW3日目の3月14日(水)に開催された「一般討論演説」で、日本代表の田中由美子氏より日本のステートメントが公表されました。ステートメントでは、「家族経営協定」や「農業女子プロジェクト」、3月10日に毎年実施されている「農山漁村女性の日」に加え海外でも広がっている「一村一品運動」などの、農山漁村における女性の地位向上のための日本の取組みが報告されました。

CSWの会期中は国連ビルの内外で、優先テーマやレビューテーマに関連する多数のイベントが開かれます。日本政府は国内NGO3団体との共催で実施したサイド・イベント「農山漁村地域の女性と少女のエンパワーメントに向けての活動」のほか、2017年に東京で開催したWAW!2017(国際女性会議)のフォローアップ・イベント等を開催しました。いずれも立ち見が出るほどの盛況で、日本のジェンダー平等に関する取組みへの関心の高さがうかがわれました。

WAW!2017フォローアップ・イベント

CSWでは、経済社会理事会によりその年のテーマについて討議した結果を「合意結論」という形でまとめることが定められています。例年深夜、ときには明け方まで各国代表団による協議が行われ、内容や文言のひとつひとつまで細かいコンセンサスを得る作業を経て、最終日に決議されます。

合意結論協議は2週目から本格的に行われます。しかし、今回は1週目の後半に行われた協議で意見が大きく分かれた項目があったため、第二週初日の3月19日はその項目に関心のある代表団が集まってのグループ討議を実施、翌日から全体討議となりました。20日から21日にかけてNYには大雪警報がでていました。国連の施設が閉鎖され会議自体の開催も危ぶまれたため、20日は朝10時から翌朝朝4時まで協議が続きましたが交渉は難航、この日合意が得られた項目は14項目のみでした。

22日の朝、NYの天気は回復し、合意結論協議は10時から再開されました。CSW最終日の23日15時すぎに合意結論に関する協議が終了しました。合意が得られない2項目を削除したものの、農村漁村女性のエンパワメントをテーマにした合意結論は2012年のCSWで提示できなかったものです。協議がかなり難航したこと、数年越しの再チャレンジの末での合意結論に会場は拍手と歓喜で満ちあふれました。

合意結論協議

同じ会場で引き続き行われた閉会式で、合意結論が正式に採択されCSW62は終了しました。合意結論はA4で19ページ、52項目にわたり、小項目まで含めると123項目になりました。

閉会式

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