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実施報告

平成23年度 アジア太平洋地域における男女共同参画推進官・リーダーセミナー

開催期間:平成23年10月20日(木)~29日(土)


国立女性教育会館では、「平成23年度 アジア太平洋地域における男女共同参画推進官・リーダーセミナー」を災害復興に果たす女性の役割をテーマとして、10月20日~10月29日の日程で開催しました。アジア太平洋地域9カ国 (インド、インドネシア、韓国、カンボジア、スリランカ、中国、ネパール、パキスタン、バングラデシュ)から、国内本部機構、非政府組織、教育機関に勤務する女性リーダー11名が参加しました。
 
10月20日に研修生一行は会館に到着し、プログラムオリエンテーションに参加した後、女性教育情報センターと女性アーカイブセンターを見学しました。昼食をはさんで午後には、静岡大学教育学部の池田恵子教授よりジェンダー視点に基づいた災害復興に向けた日本政府や民間団体のとりくみについての講義を受講しました。また研修生は、久保理事より国立女性教育会館の歴史や機能、事業についての講義を受けました。

1. 情報センター見学 1. 情報センター見学

研修2日目は終日、研修生がカントリー・レポートの発表を行い、自国における災害時における取組について男女共同参画の視点から討議を行いました。また同日夜には、国立女性教育会館が主催する「男女共同参画のための研究と実践の交流推進フォーラム(NWECフォーラム)」の交流会にも参加し、日本国内で男女共同参画を推進する方々との交流を深めました。

2. NWECフォーラム交流会参加 2. NWECフォーラム交流会参加

10月22日にはNWECフォーラムの会場にてポスターセッションを行い、アジア太平洋諸国における、防災・減災とジェンダーに関する取組みについて、フォーラム参加者と意見交換を行いました。

3. ポスターセッションにて 3. ポスターセッションにて

10月24日には内閣府男女共同参画局で日本政府の男女平等施策について理解を深めた後、文部科学省を表敬訪問しました。研修生一行は同日午後、神戸市へ移動しました。

4. 文部科学省を表敬訪問 4. 文部科学省を表敬訪問

10月25日には、人と防災未来センターを訪問し、阪神・淡路大震災時の状況を映像と音響で体験するコーナーや、震災後のまち並みが再現された様子を見学しました。また震災の記録展示や復興過程などについても学びました。その後には尼崎市役所にて稲村和美市長を訪問し、子育てと政治家としての活動を両立されている稲村市長と活発な意見交換を行いました。同日午後には尼崎市女性センタートレピエを訪問し、館内を見学後、トレピエで実施されている事業や研修等についての講義を受けました。その後は尼崎市議会議員の須田和氏からのビデオレターを視聴し、NPO法人女性と子ども支援センター ウィメンズネット代表理事の正井礼子氏より災害復興期に発生した女性に対する暴力への対応等についての講義を受けた後に、研修生をまじえてディスカッションを行いました。

5. 人と防砂未来センター見学5. 人と防砂未来センター見学

6. 稲村和美尼崎市長との意見交換6. 稲村和美尼崎市長との意見交換

7. 尼崎市女性センター トレピエを訪問し、館内を見学7. 尼崎市女性センター トレピエを訪問し、館内を見学

10月27日と28日には、ジェンダー・アクション・プラットフォームの大崎麻子氏をファシリテータとしてお迎えし、10日間の研修成果を報告し、翌日の国際シンポジウムでのプレゼンテーション資料を作成しました。

8. リーダーセミナーの閉講式にて 8. リーダーセミナーの閉講式にて

最終日の10月29日には、都内で開催された「平成23年度NWEC国際シンポジウム~災害復興とジェンダー」に参加し、研修生代表者が各国の共通課題である災害復興時における女性被災者のニーズを踏まえた支援、地域づくり、また防災・復興体制の確立に際しての女性の役割についての問題提起と政策提言のプレゼンテーションを行いました。

講義や訪問の合間を縫って、研修生は日本の歴史や文化を学ぶ機会にも恵まれました。10月27日には、会館ボランティア有志による茶道教室が行われました。研修生は初めての茶室で正座に挑戦し、和菓子とお茶をいただき、日本の文化を体験しました。

研修生からは、「日本を含む各国の防災・減災とジェンダーに関する取組みについて知る貴重な機会となった」、「このセミナーを通して得られた人的ネットワークを今後の業務に活かしたい」などの意見が出されました。

本セミナーの研修生の受け入れをお引き受けくださった方々ならびに、講師、ボランティアとしてご協力をいただいた皆様に心より御礼申し上げます。

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