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実施報告

平成21年度 アジア太平洋地域の女性リーダーエンパワーメントセミナー

開催期間:平成21年10月21日(水)〜11月1日(日)


国立女性教育会館では、「平成21年度アジア太平洋地域の女性リーダーエンパワーメント セミナー」を10月21日〜11月1日の日程で開催しました。エンパワーメントセミナーの主題は、前年度に引き続きアジア太平洋地域の喫緊の課題である「女性に対する暴力(violence against women=VAW)の撲滅に向けて」と設定しました。アジア太平洋地域8カ国(インドネシア、韓国、カンボジア、タイ、ネパール、パプアニューギニア、バングラデシュ、フィリピン)から、国内本部機構、非政府組織、教育機関でVAW撲滅に職務として従事している女性リーダー11名が参加しました。

各国から到着した研修生各国から到着した研修生

挨拶をする神田理事長挨拶をする神田理事長

10月22日に会館到着後、研修生一行は、プログラムオリエンテーションに参加し、国立女性教育会館の歴史や機能、事業等についての講義を受けました。昼食をはさんで午後には、女性教育情報センターと女性アーカイブセンターを見学し、お茶の水女子大学の戒能民江教授による日本におけるVAW撲滅の動向について講義を受講しました。

和氣理事による講義和氣理事による講義

女性教育情報センターの見学女性教育情報センターの見学

アーカイブ資料を閲覧する研修生アーカイブ資料を閲覧する研修生

戒能教授による講義戒能教授による講義

研修2日目は終日、研修生がカントリーレポートの発表を行い、自国におけるVAWの実態とその撲滅に向けた施策について意見交換を行いました。

映像を使った発表も行われた映像を使った発表も行われた

最新データを紹介するカンボジアの参加者最新データを紹介するカンボジアの参加者

翌週、10月26日には内閣府男女共同参画局や、文部科学省を訪問し、日本政府の男女平等施策や人権教育についての理解を深めました。研修生はまた、日本在住の外国籍市民を対象とした保健医療活動をおこなっているNGOや、社会貢献活動としてドメスティック・バイオレンス(domestic violence=DV)被害女性に支援を提供している企業、医療機関でのDVの早期発見の先進的な取り組みを実施している看護大学を訪問し、多様な支援のあり方を学びました。10月30日には、「平成20年度アジア太平洋地域の女性リーダーエンパワーメントセミナー」の研修生であったカンボジアのNGO「女性とこどものための法的支援」代表のビチュタ・リーさんより昨年度の研修成果の活用についてのプレゼンテーションが行われ、帰国後の研修成果の活用プランについて、意見交換が行われました。

内閣府男女共同参画局での講義風景内閣府男女共同参画局での講義風景

文部科学省での講義文部科学省での講義

特定非営利活動法人シェアでの講義特定非営利活動法人シェアでの講義

ゴールドマン・サックス証券株式会社にてゴールドマン・サックス証券株式会社にて

聖路加看護大学でのディスカッション聖路加看護大学でのディスカッション

ビチュタ・リーさんによる講義ビチュタ・リーさんによる講義

最終日の10月31日には、「国際協力機構(JICA)」の後援を得て、市ヶ谷の「JICA研究所」で開催された「平成21年度女性のエンパワーメント国際フォーラム」にパネリストとして参加し、各国の共通課題であるVAWの撲滅のための問題提起と政策提言のプレゼンテーションをおこないました。

国際フォーラムで、研修成果の発表を行う研修生国際フォーラムで、研修成果の発表を行う研修生

忙しい講義や訪問の合間を縫って、研修生は日本の歴史や文化を知る機会にも恵まれました。10月26日に訪問した文部科学省の旧庁舎に開設されている「文部科学省情報ひろば」では、日本の学校教育の歩みや学校給食の展示などを見学しました。また、10月29日には、会館ボランティア有志によるお茶会と華道のデモンストレーションが響書院で開催されました。研修生は、初めての着物姿で薄茶をいただき、日本の伝統文化を体験しました。

学校給食の展示を見学学校給食の展示を見学

着物姿で伝統文化を体験着物姿で伝統文化を体験

研修生からは、「日本を含む各国のVAW撲滅の取組を俯瞰することができた貴重な機会となった」、「このセミナーを通して得られた人的ネットワークを活かしてこれからも、VAW撲滅のために邁進してゆきたい」との意見が出されました。会館ではこれまでの国際研修で培った経験を更に発展させ、男女共同参画に関わるアジア・太平洋地域の人材育成プログラムを継続していきます。

本セミナーの研修生の受け入れをお引き受けくださった方々ならびに、講師、ボランティアとしてご協力をいただいた皆様に心より御礼申し上げます。

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