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第59回 国連婦人の地位委員会

開催期間:平成27年3月9日(月)〜20日(金)


 「第59回国連婦人の地位委員会(Commission on the Status of Women, 以下CSW)」が国連本部ビル(ニューヨーク)において2015年3月9日(月)から3月20日(金)まで開催され、NWECからは研究国際室と事業課より計3名が、日本政府代表団(政府代表 宇都 隆史氏、日本代表 橋本ヒロ子氏)の一員として参加しました。

 第59回CSWにおける優先テーマは「北京宣言・行動綱領及び第23回国連特別総会成果文書の実施に関する見直しと評価」です。2015年は1995年に北京で開催された「第4回世界女性会議」から20周年にあたります。会期中は各国代表や国連の関係機関、NGO代表らによるステートメントの実施、大臣級円卓会合やパネル・ディスカッションが開催されました。

 9日の開会式では、潘 基文国連事務総長の開会の辞に続き、国連機関等の基本方針演説が発表され、林 陽子女子差別撤廃委員会(CEDAW)委員長による声明も出されています。また、ジェンダー平等の達成、女性および女児のエンパワーメントと基本的人権の尊重に向け、国際的、国家、地域などあらゆるレベル・主体におけるジェンダー主流化の実現と推進が改めて強調された政治宣言(Political Declaration)も採択されています。
 
 開会後は、各国政府および地域連合等の代表による一般討論(General Discussion)がはじまり、それぞれの国・機関におけるジェンダー平等推進のための取組や展望、成果と課題が報告されていきます。

 日本政府の取組については、宇都 隆史外務大臣政務官が3月10日にステートメントを述べています。そこで、日本では第4次男女共同参画基本計画の策定が進められ、「女性が輝く社会」の実現に向け、行動計画の策定やその公表を国・地方団体・企業に義務づける法律案を国会に提出されていることが報告されました。さらに、女性のエンパワーメントについて包括的に議論する国際会議“女性が輝く社会に向けた国際シンポジウムWorld Assembly for Women in Tokyo : WAW! Tokyo 2015”を昨年に引き続き開催する予定であり、第3回国連防災世界会議(会期:3月14日~18日、仙台市)での主要議題のひとつとして、女性の参画とリーダーシップについて議論する予定であることも、発表されています。途上国の女性・女児への支援策として30億ドルを拠出し、武力紛争下における女性に対する暴力撤廃のプロジェクトに、約16億円を拠出することにも言及がありました。
 CSW会期中には、上記に加え、サイド・イベントやパラレル・イベントが多数開催されます。サイド・イベントとは各国の政府代表および国連機関とNGOの共催によるもの、パラレル・イベントとはNGOが主体となるイベントです。日本のNGOも2つのサイド・イベントを開きました。3月9日の国連日本政府代表部・国連ポーランド政府代表部・国際女性の地位協会共催による「女子差別撤廃条約とジェンダーに基づく暴力:北京会議後20年の成果と課題」と、13日の国連日本政府代表部・国連フィリピン政府代表部・日本女性監視機構・国連NGO国内婦人委員会・国際婦人年連絡会の共催による「高齢社会におけるジェンダー平等:アジアの視点」です。13日のサイド・イベントでは、日本をはじめアジアの国々におけるデータや事例をもとに、高齢者、とりわけ女性が尊厳を保ちながら健康で長寿を楽しみ、かつ活躍できる社会に向けた課題や今後の展開について共有し、フロアからも活発な意見が寄せられました。

 CSW後半の第2週目には、ジェンダー平等達成における男性・男児の責任や、社会的に疎外された女性の権利保障など喫緊の課題に関するパネル・ディスカッションが開催されています。

 3月20日の閉会スピーチで、ムランボ・ヌクカUN Women事務局長は、ジェンダー主流化の推進機関としてのUN Womenの使命を強調するとともに、持続可能な開発を進めるためには、今後、市民社会との協働がより重要性を増すとのメッセージを送っています。

 CSW閉会の様子は会館Facebookでも動画でご覧いただけます。

 また、国立女性教育会館では、平成27年度実施の主催事業、「地域における男女共同参画推進リーダー研修〈女性関連施設・地方自治体・団体〉」及び「男女共同参画推進フォーラム」の中で、第59回CSW参加職員による報告を行います。

 国立女性教育会館では、CSWでの議論について理解を深めていただくための資料を作成しました。
関連リンクの 第59回 国連婦人の地位委員会 (CSW)早わかり をご覧ください。

関連リンク

1.開会式

2.一般討論

3.国連本部ビル

4.国連公用語に翻訳された「北京行動網領」

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