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第60回 国連婦人の地位委員会出席

開催期間:平成28年3月14日(月)〜24日(木)


「第60回国連婦人の地位委員会(Commission on the Status of Women, 以下CSW)」が2016年3月14日(月)から3月24日(木)まで、国連本部(ニューヨーク)で開催され、会館からは研究国際室と事業課より計2名が日本政府代表団の一員として参加しました。第60回CSWは「女性のエンパワーメントと持続可能な開発の関連性」を優先テーマとして、各国代表や国連の関係機関、NGO代表らによるステートメントの実施、ボランタリープレゼンテーションや閣僚級ラウンドテーブル、対話型専門家パネルが開催されました。

本会議では、2015年に実施期限を迎えたミレニアム開発目標を引き継いで策定された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals以下SDGs)の達成過程において、どのように各分野のジェンダー課題を主流化してゆくことができるか等について、様々な角度から討議がおこなわれました。

日本政府を代表して武藤容治外務副大臣が閣僚級ラウンドテーブルで議長を務めるとともに、女性のエンパワーメントと持続可能な開発との関連性や、今年度のCSWのレビューテーマである女性・女児に対する暴力の撤廃及び防止等について、各国代表者との意見交換に参加しました。3月15日におこなわれた日本のステートメントでは、日本は国際社会の一員として2030アジェンダの実現に向け責任を果たす旨を強調しました。

CSW開催中には本会議と並行して多数のイベントが開催されます。日本のNGOも国連代表部との共催で、3月18日に国連日本政府代表部と日本のNGO三団体が主催するサイド・イベントがデンマークとドイツ両政府とCEDAW(国連女性差別撤廃委員会)の協力を得て開催されました。テーマは「経済分野でのジェンダーギャップ解消を目指して」です。金曜日の夜の開催にもかかわらず、100名近くの参加者を得て盛会の内に終了しました。

3月22日には日本とUN Womenとの共催のサイド・イベントが、「脆弱性からの脱却~行動につながる女性のエンパワーメント(Building Resilience in Fragility - Women’s Empowerment in Action)」をテーマとして開催されました。レバノン女性の起業を支援する取組についての発表が、現地の映像を交えて行われました。ムランボ・ヌクカUN Women事務局長、橋本ヒロ子日本政府代表、南博国連大使臨席の中、70名を上回る参加者を得て多くの質問や感想が寄せられ、関心の高さがうかがわれました。

NGO主催のパラレル・イベントはUNチャーチセンターなどを会場に行われました。アメリカの黒人女性によるHIV/AIDS教育に携わるトレーナーの育成についてのセッションでは、組織的な育成プログラムや資金の面での提言などが出されました。

CSW後半では、連日「合意結論」に向けての話し合いが行われました。各国の立場や状況を踏まえて時間をかけて熱心な議論が交わされました。主要な論点のひとつが”health”と”family” についての解釈でした。女性の性と生殖に関する権利や家族のあり方の多様性についての議論を経て、3月24日深夜に「合意結論」が採択され、第60回CSWは終了しました。

第60回CSWの詳細や合意結論については、下記UN Womenのウェブサイトに資料や動画が掲載されています。(英語を含む国連の公用語での掲載)

関連リンク

1. CSW本会議が開催された国連本部

2. 第60回CSWは持続的開発目標を優先テーマとして開催された

3. 日本政府の取組みを報告する武藤容治外務副大臣

4.日本政府とUN Women共催サイド・イベント

5. パラレル・イベント

6. 合意結論

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