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令和5年度NWECグローバルセミナー 誰一人取り残さないジェンダー主流化に向けたメカニズム
開催期間:令和6年1月25日(木)
開催場所:霞が関ナレッジスクエア /
 
今年度のNWECグローバルセミナーは、基調講演・事例紹介・パネルディスカッションを対面と
オンラインの同時開催します。
 2024年1月25日(木)に「誰一人取り残さないジェンダー主流化に向けたメカニズム」をテーマとして、令和5年度NWECグローバルセミナーを霞ヶ関ナレッジスクエア(東京都千代田区)において開催しました。
 オンライン視聴者を合わせ、国内外から100名を超える参加者があり、活発な議論が行われました。
〇基調講演「フィンランドにおけるジェンダー主流化の取組」 シラ・カッコラ フィンランド女性協会連合(NYTKIS)事務局長
 基調講演は、シラ・カッコラ氏によるフィンランドにおけるジェンダー主流化の流れと現在の課題まで網羅した幅広い紹介です。フィンランドでは積極的な女性運動のもと、1906年には欧州初の女性の選挙権(国政選挙)と世界初の女性の被選挙権を実現しており、国際的にみても早い時期から女性の政治参画が進んでいます。政府のジェンダー平等への取組を評価する強力なシステムもあり、ジェンダー平等のためのオンブズマン、ユニット、評議会と強力な組織構造があります。
 しかし、フィンランドでもまだ課題はあるといいます。3人中1人の女性が親密な関係のパートナーから暴力や脅威を経験しています。また性別職務分離の影響で福祉国家でありながら、女性の年金額は男性よりも24%も少ないという現実があり、日本と同じような課題が残されていることが分かります。
 カッコラ氏の所属するNYTKISは、1988年に設立されたフィンランドの女性団体を統括する組織であり、フィンランドでのジェンダー主流化に強い影響を与えてきました。国内のみならず国際的な問題に取り組む姿勢を示しており、ジェンダー平等の達成と世界平和の維持を目標に掲げています。2023年には同意がないことを根拠としたレイプの刑法上の定義の制定も推進しました。
 カッコラ氏は「女性の権利は人権である」という言葉を引用し、獲得した権利を当たり前のものと思わず、積極的に活動をして権利をまもっていくことが大切だと述べました。
基調講演者シラ・カッコラ氏
「女性の権利は人権である」
〇パネリスト報告
パネリスト報告は、コロナ禍やデジタルトランスフォーメーションなど最近の動向を背景とした経済、家計、ケア労働における韓国と日本のジェンダー主流化の現状と課題、それへの取組の最新の報告です。
「韓国のデジタルトランスフォーメーション・労働市場・ジェンダー格差」(動画) ジョンスグ・キム 韓国女性政策研究院(KWDI)上級研究員
 キム氏は韓国におけるデジタルトランスフォーメーションとその労働市場、ジェンダー格差への影響についての最新の調査結果を紹介。
 韓国では現在デジタルトランスフォーメーションが進められていますが、必ずしも男女の賃金格差の解消につながっているとは言い切れない現状があります。その理由としては技能格差、固定観念、職域分離などが挙げられます。韓国ではこの問題について政府も政策介入しており、女性起業家の奨励、デジタルトレーニングの実施、STEM分野での女性の参入と活躍の促進などに取り組んでいると報告しました。
			
			
			韓国の現状について報告するキム氏
		
「日本NPOセンターのファイナンシャル・ヘルスに関する調査結果から」 土屋一歩 特定非営利活動法人日本NPOセンター調査・国際チームリーダー
 土屋氏は、低所得のシングルマザーの家計の収支から金融の理解まで広く調査した結果を報告。
 「ファイナンシャル・ヘルス」とは、「個人のお金の収支が均衡していることや多少の収入の上下に耐えられること、金融を理解し使いこなせる」など、「お金に対する健康度」を指します。シングルマザーへのアンケート調査では経済的に苦しい状況が明らかになっており支援が必要ですが、行政からの支援と当事者のニーズにギャップがあります。土屋氏はシングルマザーのかかえる経済的な困難は社会構造上の問題であると認識することが重要であり、障害をもつリスク層への総合的な支援、当事者の社会的孤立の解消などが必要になると指摘しました。
			
			
			土屋一歩氏
		
「ジェンダー視点に立った貧困・生活困窮対策と制度強化」 三輪敦子 一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター所長
 三輪氏は、ケアエコノミーの観点から貧困・生活困窮対策と制度強化について報告。
 ケアエコノミーとは「経済政策の中核に福祉・幸福の実現とケアの保障を位置づける制度であり考え方」です。女性の多くがケア労働に非正規雇用で従事しておりコロナ禍の雇用の調整弁として切り捨てられたため、世界的に「貧困の女性化」が進みました。コロナ禍による自宅待機のためのケア負担の増大や経済不安の増大もあり、日本では2020年と2021年で女性の自殺者数が大幅に増加しています。こうした事態は公共の利益に反することを社会で認識し、ケア労働を公共の利益として正当に評価した上で、無償労働に頼ることのないケアシステムの構築、財源の確保が必要であると指摘しました。
			
			
			三輪敦子氏
		
〇パネルディスカッション
 パネルディスカッションではKWDIからジソ・ユン氏(国際開発協力室長)がディスカッションに参加し、質疑応答の後、ジェンダー主流化に向けた提案をしました。
 会場からはフィンランドの男性の育児休業をふまえた日本への助言について質問があり、カッコラ氏は男性を育児に巻き込むためには、父親の育児に参加する権利を社会が認識することだと述べました。
 カッコラ氏はジェンダー主流化のためにはまずジェンダー別のデータが必要なこと、それを踏まえた社会構造の変革から実際の政策まですべての段階での横の協力が必要であると主張。
 ユン氏はジェンダー主流化が政府の取り組むべき仕事として優先度が高いことを人々に理解してもらう必要性を指摘。
 三輪氏はジェンダー主流化には経済政策にジェンダー視点を取り入れることが大切であること、土屋氏は社会構造の変革に取り組むことと、民間団体への支援、横との連携が大事だと提案しました。
			
			
			パネルディスカッション
		
 フィンランドの先進的な取組とそれを可能にした社会的背景が分かり、また韓国におけるデジタル技術の導入とジェンダー格差への影響の現状が分かる内容でした。
 3カ国で共通する課題も多く、講演と議論を通して、これからの日本に何が必要なのかが見えてきた、意義深いセミナーになりました。
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