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実施報告

平成27年度「企業を成長に導く女性活躍促進セミナー」

開催期間:平成27年10月15日(木)~16日(金)<1泊2日> / 定員:80名

開催場所:放送大学東京文京学習センター / 国立女性教育会館 /


事業内容

 企業における男女共同参画の推進、女性の活躍推進を図るために、管理職、人材育成推進者、チームリーダーを対象に研修を実施。

1.趣  旨

 本セミナーは、企業における女性の活躍推進を図り、男女共同参画社会の形成に資するため、企業におけるダイバーシティ(女性の活躍促進)の推進者、管理職、リーダーを対象に実施します。
 講演及びパネルディスカッションでは、労働経済学の視点から、働く女性を取り巻く状況について分析するとともに、女性活躍促進に有効な対応策について具体的に考え、グループワークでは、参加者の直面する疑問や課題に向き合い解決の方向を探ります。
 そして情報交流会では、参加者同士による情報交換やネットワークづくりの場を提供します。

2.主  催  

独立行政法人 国立女性教育会館(NWEC) 

3.後  援

経済産業省、厚生労働省

4.会  場

1日目:放送大学東京文京学習センター
 東京都文京区大塚3-29-1        TEL:03-5395-8688
2日目:国立女性教育会館
 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728       TEL:0493-62-6724

5.期  日

平成27年10月15日(木)~10月16日(金) 1泊2日(※)
(※)日帰り参加も可能です。

6.参 加 者

企業におけるダイバーシティ(女性の活躍促進)の推進者、管理職及びリーダー(※)
(※)官公庁・独立行政法人の方も参加可能です。

7.定  員 

80名

8.日  程

9.内  容

第1日 10月15日(木) 【東京茗荷谷会場】

(1)開会                                  13:00~13:10
  主催者あいさつ  内海 房子  国立女性教育会館 理事長 

(2)講演「なぜ日本は女性の活躍が進まないのか~労働経済学の視点から女性活躍推進の現状を探る~」
                                       13:10~14:10
 急速に進む高齢化に直面する我が国において、女性活躍が進まないのはなぜか、労働経済学の視点から分析し、男女ともその持てる能力を生かして働き、家族生活と両立できる社会を目指すための対応策についてお話しいただきます。
  講 師:川口 大司      一橋大学大学院 経済学研究科教授

(3)「女性活躍推進法」について                       14:20~15:00
  講 師:厚生労働省雇用均等・児童家庭局

(4)パネルディスカッション「『女性活躍推進』に“本気”で取り組む」      15:10~17:00
 今や、「女性の活躍推進」は、重要な経営課題の一つとして、どの企業も熱心に取り組んでいます。その中でも、「本気度No.1」の企業からパネリストをお迎えし、「本気で取り組む」をキーワードに先進的な企業の成功事例をご紹介します。そして、パネリストご自身の経験談も交えながら、女性の活躍を促進するための課題や方向性についてディスカッションします。
  パネリスト:山内 千鶴      日本生命 執行役員 CSR推進部長
  パネリスト:小嶋 美代子     株式会社日立ソリューションズ 人事総務統括本部
                 ダイバーシティ推進センタ長
  パネリスト:鳥取 桂       株式会社大塚製薬 常務執行役員
  コメンテーター:川口 大司      一橋大学大学院 経済学研究科教授
  コーディネーター:内海 房子     国立女性教育会館 理事長

(5)1日目閉会(1日目のみ参加者アンケート記入及び回収)           17:00~17:10

(6)情報交流会(希望者のみ)                         17:30~18:30
 全国からの参加者と交流し、参加者同士の情報ネットワークづくりを行います。
*2日目参加者は専用バスにて国立女性教育会館へ移動。

第2日 10月16日(金) 【武蔵嵐山会場】

(7)NWECからの情報提供                           9:00~10:00
 統計データを用いた国際比較を通じて、女性の活躍と男女共同参画の推進をわかりやすく解説します。
  講 師:中野 洋恵      国立女性教育会館 研究国際室長

(8)グループワーク1                              10:15~12:00
 グループに分かれて、参加者同士の背景や問題意識を共有し、講演やパネルディスカッションで得たことの相互理解を深めていきます。

(9)グループワーク2                              13:00~14:45
 引き続き、グループごとにアクションラーニングに基づいたディスカッションを行い、話し合ったことを発表して全員で共有します。

(10)閉会                                    14:45~15:00
  アンケートの記入及び回収    
  閉会あいさつ  櫻田今日子  国立女性教育会館 事業課長

10.申込方法等について

(1)方  法
 ①インターネット:国立女性教育会館ホームページよりお申し込みください。
 ②郵送:国立女性教育会館事業課までお申し込みください。
 ※開催要項、参加申込書等の電子データをご希望の方は、国立女性教育会館ホームページよりダウンロードしてください。

11.所要経費(金額はすべて消費税込)

(1)受講料    無料

(2)情報交流会費 3,000円(希望者のみ)
 ※1日目のプログラム終了後、夕食を兼ねた情報交流会を立食形式で行います。
 ※情報交流会終了後、無料バスにて国立女性教育会館まで移動します。

(3)宿泊費    開催期間中は1泊1,200円

(4)食 事    会館レストランをご利用ください。
(朝食バイキング:870円、昼食700~1,000円程度)

12.その他

職員が撮影した写真を、事業記録や広報のために使用することがあります。あらかじめご了承ください。

 企業におけるダイバーシティ(女性の活躍促進)の推進者、管理職、リーダーを対象とした1泊2日(10月15日(木)~16日(金))のセミナーを開催し、全国から企業関係者及び独立行政法人、地方自治体の担当者など、約100名の参加を得ました。15日は放送大学東京文京学習センターで、16日は国立女性教育会館(NWEC)での実施。
 1日目の東京会場では、講演として一橋大学大学院経済学研究科の川口 大司教授から「なぜ日本は女性の活躍が進まないのか」をテーマに、労働経済学の視点からお話を伺いました。少子高齢化が進むこれからの社会では女性活躍はイデオロギーの問題でも選択肢の一つでもなく、日本社会を維持する上で必須の課題であること、まだまだ男性との賃金格差が大きいことなどの問題が洗い出され、企業の課題としては女性のリテンションと登用、男性同様にフルタイム勤務を続けること、またそのためには男性の働き方も変わることなど、「統計的差別」「予言の自己成就」などの話も交えながら、社会システムが変化する必要性が解説されました。
 続いて厚生労働省から8月28日に成立した「女性活躍推進法」の説明があり、会場からも具体的な内容について質問が出されました。
 パネルディスカッションでは、日本生命、日立ソリューションズ、大塚製薬の“本気”で女性活躍推進を進める3社からお招きしました。どの社からも、女性活躍を経営戦略にのせて取り組むこと、トップからのメッセージの重要性、ダイバーシティの視点からこそ改革が生まれることなどが紹介されました。女性活躍をさらに進めて行くには、HPや社内SNSを使ってイクメンや女性登用の成功例を社内外で周知する工夫などのヒントも提示されました。最後に女性活躍に取り組む方々へのメッセージとして、「女性活躍の先進企業に自ら出向いて情報を収集すること」「取引相手の女性活躍に対する理解を管理職が粘り強く得る努力をすること」「革新的なものを生み出す土壌、ダイバーシティの視点を醸成すること」など、担当者、管理職それぞれに対する具体的なアドバイスをいただきました。
 情報交流会では、業種を越えたネットワークの構築と情報交換が進められました。その後2日目のプログラム参加者はNWECまでバスで移動し、チェックイン後は宿泊棟ラウンジでゆったりとワインを飲みながら和やかな雰囲気の中、担当する業務や社内の課題などについて話し合われました。

講演:川口 大司 一橋大学大学院教授 講演:川口 大司 一橋大学大学院教授

パネルディスカッション「『女性活躍促進』に パネルディスカッション「『女性活躍促進』に"本気"で取り組む」

日本生命 山内 千鶴 氏 日本生命 山内 千鶴 氏 

日立ソリューションズ 小嶋 美代子 氏日立ソリューションズ 小嶋 美代子 氏

大塚製薬 鳥取 桂 氏大塚製薬 鳥取 桂 氏

 2日目はNWEC研究国際室長からの情報提供として、社会で女性の活躍が求められていること、しかし多くの課題を抱えている現状とその背景の解説、女性の活躍は企業の経営にプラスの影響があること、女性の活躍を進めるために必要なことについて、最新のデータを基に国際比較も踏まえて解説されました。
 続いて、限られた時間で業務上の問題を解決し、組織の能力開発を行うグループ学習方法である「アクションラーニング」について学び、この手法を用いたグループワークを6つのグループに分かれて行い、参加者それぞれが抱える問題の共有と解決に迫りました。
 参加者からは「他社の取組の具体例や日本社会の問題などわかりやすく知ることができて有益だった」「労働経済学という学問的見地からわかりやすく解説いただき、改めて定型的に知識を習得することができた」「パネリスト方々の存在自体が非常に刺激になり、思いやメッセージが心に響いた」「社内の男性上司の説得材料にデータが有効だと思った」「アクションラーニングではたくさんの気づきがあった」「川口先生の講演から少子高齢化に関連した、根が深い日本そして企業の問題を再確認することができ、その後のパネルディスカッションで様々な取組を伺うことで、まずはTryしてみようと感じた」「情報・気づき・ネットワーク・環境・運営などあらゆる面で満足した」などの感想が寄せられました。今回の研修に参加された企業内担当者の方々が、ここで得られた知見やネットワークを活用して、社内の女性活躍の促進に取り組まれることを期待します。

NWECからの情報提供:中野 洋恵 国立女性教育会館 研究国際室長 NWECからの情報提供:中野 洋恵 国立女性教育会館 研究国際室長

グループワーク「アクションラーニング」 グループワーク「アクションラーニング」

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