研修・イベント

研修

実施報告

令和3年度「男女共同参画推進フォーラム」

開催期間:令和3年12月1日(水)~12月21日(火) / 定員:1,000名程度

開催場所:国立女性教育会館 /


事業内容

女性のキャリア形成支援、女性活躍推進、男女共同参画の地域づくり、働き方改革、ワーク・ライフ・バランス等の、男女共同参画課題の解決に資するための研修を実施。同時に、女性関連施設・行政・大学・学校・企業・団体等による横断的なネットワークづくりを支援。

◆お知らせ◆

・出展者一覧を掲載しました。(10月14日)
・出展者一覧を更新しました。(10月29日)
・特設サイトをプレオープンしました。出展一覧を更新しました。(11月24日)
・特設サイトを本オープンしました。(12月1日)
・期間終了のため、特設サイトへはアクセスいただけません。(12月22日)

1.趣旨

 男女共同参画の推進に関心のある人々が課題を共有し、共に解決策を探る研修機会として令和3年度「男女共同参画推進フォーラム」(愛称:NWECフォーラム2021)を実施します。また、このフォーラムを契機に、地域・組織・分野を越えた交流学習が進み、連携・協働して男女共同参画を推進するネットワーク形成が強化されることを期待します。今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、インターネット配信によるオンライン形式とし、開催期間中に開設する「男女共同参画推進フォーラム」特設サイト上で開催します。

2.テーマ

 ジェンダー平等を実現しよう

3.主催

 独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)

4.開催期間

 令和3年12月1日(水)9:00~12月21日(火)17:00

 プレオープン(*):令和3年11月24日(水)9:00~
 *特設サイトを公開し、参加登録を受け付けます(9(2)参加登録受付期間を参照)。

5.会場

 令和3年度「男女共同参画推進フォーラム」特設サイト
 *URLは後日NWECホームページで発表します。

6.参加者

 行政、女性関連施設、企業、大学、NPO、その他の任意団体等において、
 男女共同参画の推進に携わる方及び関心のある方 1,000名

7.参加費

 無料(ただし、通信にかかる費用は参加者負担)

8.内容

(1)主催者あいさつ

オンデマンド配信:開催期間中

   主催者: 内海 房子  独立行政法人国立女性教育会館理事長


(2)メッセージ「男女共同参画推進フォーラムに寄せて」

オンデマンド配信:開催期間中

 男女共同参画推進に取り組む各機関から、開催を記念してメッセージをいただきます。

   メッセージ(調整中): 内閣府男女共同参画局
               文部科学省総合教育政策局
               特定非営利活動法人全国女性会館協議会


(3)基調講演「危機の時代のジェンダー平等」


ライブ配信:12月2日(木)10:00~11:00
オンデマンド配信:12月4日(土)~開催期間中  

 パンデミック、気候変動、貧困格差、地域紛争…。21世紀は、地球上に暮らす誰もが、生存に関わる深刻な課題と無縁ではいられない時代になりました。国際社会が定めたSDGs(持続可能な開発目標)における重要な目標の一つは「ジェンダー平等の実現」です。危機を乗り越え、より良い社会を構築するために、今私たちに求められているアクションとはどのようなものなのでしょうか。日本人女性として初めて国連事務次長に就任し、「現場主義」を貫きながら、世界の困難の克服に取り組んでおられる中満さんに伺います。

   講 師: 中満 泉  国際連合事務次長・軍縮問題担当上級代表


(4)鼎談「社会を変える ~ジェンダー平等の『壁』を乗り越えるために必要なこと」


ライブ配信:12月11日(土)13:30~15:00
オンデマンド配信:12月14日(火)~開催期間中  

 最近、ジェンダーに関する話題をよく聞くようになりました。この波を一過性のものに終わらせず、実質的なジェンダー平等を形にしていくためにはどのようなアプローチが有効なのでしょうか。多様な人々との対話を通して変革の波を広げようと力を注ぐ3人の方々に、世代を超えて大いに語り合っていただきます。

   登壇者: 白波瀬佐和子 東京大学大学院人文社会系研究科 教授
        田瀬 和夫  SDGパートナーズ有限会社 代表取締役CEO
               内閣府男女共同参画推進連携会議 議員
        谷口 歩実  #みんなの生理 共同代表


(5)出展プログラム

 一般公募による団体等が、ワークショップ、及びパネル展示を出展し、男女共同参画、ダイバーシティ及び女性の活躍推進を目的とした日頃の研究、教育、学習、実践活動の成果を発表します。テーマは「第5次男女共同参画基本計画」などを参考に設定した以下の8分野です。

9.参加方法 及び 参加登録受付期間

(1)参加方法

 開催期間中に「男女共同参画推進フォーラム」特設サイトを閲覧してください。「男女共同参画推進フォーラム」特設サイト閲覧には、「参加登録フォーム」からの参加登録が必要です。参加登録を行うと各プログラムが視聴できます。

 *インターネットに接続できるパソコン環境(タブレット、スマートフォンも可)を御用意ください。利用するインターネット回線の契約プランに通信容量制限や速度制限がある場合は、利用状況によって通信の遅延や通信料の追加等が発生する場合がありますので御注意ください。


 *ライブ配信プログラムを視聴する場合は、事前にZoomアプリをインストールしておくとスムーズです。

 *ワークショップには、双方向でやり取りするためのWEBカメラ・マイク(パソコン、タブレット、スマートフォン内蔵型でも可)が必要なものもあります。詳しくは、各ワークショップの案内に従ってください。


(2)参加登録受付期間

 令和3年11月24日(水)9:00~12月21日(火)17:00

 *11月24日(水)9:00に特設サイトを公開します。以後12月1日までのプレオープン期間は、各プログラムの視聴はできませんが、特設サイトから事前参加登録が可能になります。


 *ワークショップには、各出展プログラムページから直接、参加申込が可能です。詳しくは、特設サイトに掲載する案内に従ってください。

10.出展者選定委員会

 一般公募による出展プログラム(ワークショップ・パネル展示)に関する選考を行います。
  委員長  犬塚 協太  静岡県立大学国際関係学部教授
  委員   座間美津子  公益財団法人21世紀職業財団事業推進部長
       納米恵美子  特定非営利活動法人全国女性会館協議会代表理事

11.その他

 以下の点について、あらかじめ御了承ください。

(1)参加者同士の交流・情報交換の促進を目的としたフォーラムですので、署名運動や行き過ぎた勧誘、募金等は御遠慮願います。

(2)参加登録等で得た個人情報については、事業実施のための連絡及び参加者の統計情報として使用します。その情報は厳重に管理し、取扱いには十分留意いたします。

(3)期間中、当館が記録した動画・静止画等を広報や報告に使用する場合があります。

(4)感染症、気象状況、天災、官公庁からの指示、その他主催者が研修を安全かつ円滑に実施することが困難と判断した場合には、やむを得ずプログラム内容の変更又は開催を中止する場合があります。なお、最新情報は、NWECホームページでお知らせします。

12.本事業に関するお問い合わせ

新型コロナウイルス感染症対策のため、一部の業務についてテレワークを実施しております。
お手数ですが、お問い合わせはできるだけメールでお願いいたします。

 独立行政法人国立女性教育会館 事業課
 〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町大字菅谷728
 Eメール:progdiv@nwec.jp
 TEL:0493-62-6724 (平日9:00~17:00)

令和3年度「男女共同参画推進フォーラム」実施報告

 令和3年度「男女共同参画推進フォーラム」を12月1〜21日に開催しました。このフォーラムは、男女共同参画推進に関わる人々が、地域・組織・分野を超えて集まり、課題解決に向けて交流学習を進める一大イベントです。
 令和3年度からのフォーラム全体テーマは、「ジェンダー平等を実現しよう」。SDGs第5目標と同じです。各地で積み重ねられてきた取組を国際社会の目標に連なる実践として再認識し、昨今高まったジェンダー平等への関心に一層の弾みをつけたいという願いを込めて設定しました。
 昨年に引き続き、新型コロナ感染症対策のため、会場はオンライン上の特設サイトで、開催時期は東京オリンピック・パラリンピック開催と重なるため12月に変更としましたが、今年度もNWECならではの多彩なプログラムが集まり、国内外からの参加者総勢約1,600名でにぎわいました。

■基調講演「危機の時代のジェンダー平等」

 基調講演では、中満 泉さん(国際連合事務次長・軍縮問題担当上級代表)を講師に迎え、「危機の時代のジェンダー平等」というタイトルでお話いただきました。軍縮関係者が最も多忙になる時期にもかかわらず、中満さんは快く講師をお引き受けくださり、夜間のニューヨークからリモートで御登壇くださいました。

 中満さんは、「世界は今、本当に様々な危機に直面しているが、特に、この困難な時にこそ、包摂性とジェンダー平等を実現することが、持続可能で平和な社会を築いていくための一つの重要な答えだ」とし、軍縮と安全保障の局面、国連の組織内での取組、日本が抱える課題の3つの局面から、私たちに何ができるかについて、具体的な例を引きながら述べられました。後半では、参加者からの質問にも応じ、中満さん御自身の御経験を踏まえた豊かなお話をたくさん伺うことができました。全編を「NWEC Channel」で公開していますので、ぜひ御覧ください!

■鼎談「社会を変える〜ジェンダー平等の『壁』を乗り越えるために必要なこと」

 「鼎談」と冠したこのプログラムは、その名のとおり3人の登壇者が自由に語り合うというスタイル。昨今の「ジェンダー平等」に対する社会的関心の高まりを一過性に終わらせず、実質的な形にしていくためにはどのようなアプローチが有効なのか、異なる世代・分野間での対話を通して考えました。登壇してくださったのは、白波瀬佐和子さん(東京大学大学院人文社会系研究科教授)、田瀬 和夫さん(SDGパートナーズ有限会社代表取締役CEO、内閣府男女共同参画推進連携会議議員)、そして谷口 歩実さん(#みんなの生理 共同代表)です。

 プログラムは、それぞれの問題意識の披露からスタート。白波瀬さんは、コロナ禍で顕在化した女性の困難に着目し、「社会的に不利な立場に置かれてきた女性・女子のサポートは必要かつ合理的。ジェンダー格差に配慮した施策は誰も取り残さない包摂的社会構築への第一歩だ」と述べられました。田瀬さんは、「ジェンダー平等はSDGs全体の達成を左右する重要な要素。実現のためには、Diversity(多様性Inclusion(包摂)に加えてEquity(衡平)という視点を取り入れていくことがのポイント」と述べて、積極的に取り組む企業が出てきたことも紹介しました。谷口歩実さんは、大学在学中の身近な気付きをきっかけに「生理の貧困」について仲間と発信し施策にも反映されたが、「生理用品配布といった単なる経済的支援や、若い女性たちの活動というステレオタイプな見方に回収されて、本来提起したかった、男女の賃金格差や働き方等の根本的問題の見直しにはなかなか繋がらなかった」と話されました。ここから、社会を変えるためにどう取り組めばよいか、学術、ビジネス、市民運動とそれぞれの活動を通して思うところを語り合う熱い展開に。「自分には馴染みのない問題なら、まず理解しようと対話することから始まるのでは」「当事者が全ての説明責任を負うのはしんどい」「意識変革は必要だが時間がかかりすぎる」「次の世代が取り組める環境をどう準備するか」「人は多様だという前提に立った対等な議論の場を意識して設けていかないと」。そして、最後に、ジェンダー平等の壁を乗り越えるに必要なことを一言ずつ掲げました。白波瀬さんは「能動的な関わりの大切さ。恐れずに声を挙げてみることが大事」、田瀬さんは「全ての性が向き合う・議論する・思い切る。まず、相手の立場を想像すること」、谷口さんは「ジェンダー平等は数値目標達成では終わらない、小さなことでも日々の実践が大事」。お三方は、この企画が初対面だったそうですが、そうとは思えない率直な対話が進んだ、エキサイティングな90分でした。

■出展プログラム

 例年のように一般公募による出展プログラムとして45件のワークショップ・パネル展示が実施されました。男女共同参画基本計画を基に設定した8分野にわたって、今年度は、30件の枠に大幅に超える46件の応募がありました。いずれも開催趣旨に適う意欲的な企画であったことから、選定委員会での検討を経て全件が採択(出展者都合による辞退が1件あり45団体が実施)となりました。毎年出展するベテランの団体も多くありますが、初出展にチャレンジして下さった団体も17あり、大学生など若い世代からの出展も複数あました。出展プログラム全体のページ閲覧数も12,000件を超えました。「オンラインだから遠くからでも参加できた」「様々なプログラムをゆっくり視聴できた」という声が多く寄せられました。一方で、特設サイトへの参加登録者数が増えた割には、ワークショップへの申込者数が伸びなかったのは大変残念でした。オンライン化によって、閲覧は気軽にしやすくなった一方で、知らない人とパソコン画面を通して関わるという設定は敬遠されるという側面もあったようです。NWECという会場を訪れて様々な人々と直接出会うことがこのフォーラム最大の魅力となってきた歴史を考えると、オンライン形式の限界を痛感せずにはいられませんが、今後の企画に向けて、また知恵を絞っていきたいと思います。

■ 特設サイト

 「ごあいさつ」ページでは、NWEC理事長によるあいさつのほか、内閣府男女共同参画局、文科省総合教育政策局、全国女性会館協議会から寄せていただいたメッセージ動画を掲載し、「NWECへようこそ!」ページでは、会館ボランティアがオンライン読書会や交流掲示板、各分野で活躍した埼玉ゆかりの女性を紹介するパネル展示などのプログラムを提供して、フォーラム参加者の方々を歓迎しました。
 今年度は、フォーラム特設サイト上で「女性活躍推進セミナー」「NWECグローバルセミナー」も同時開催し、参加者に日頃の関心と異なる分野の情報にも触れてもらえるような、横断的なサイト構成にしました。サイトのデザインも、多様な人々による出会いのエネルギーをイメージしたオリジナルの挿画でカラフルに仕立てました。実際、昨年度の参加者層と比較すると、企業関係者や研究者、男性、20〜30代の増加が目立ちました。コロナ禍の中での限定的な開催には課題も残りますが、このNWECフォーラムがあらゆる人々、あらゆる場におけるジェンダー平等の実現に向けた後押しになっていれば、職員一同大変嬉しく思います。

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