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実施報告

平成29年度「地域における男女共同参画推進リーダー研修〈女性関連施設・地方自治体・団体〉」

開催期間:平成29年6月7日(水)~ 9日(金)2泊3日 / 定員:120名


事業内容

地域の男女共同参画を推進するリーダーとして必要な専門的知見、マネジメント能力、ネットワークの活用力を向上させるための研修を実施。

1.趣  旨

  • テーマ:「多様な生活スタイルを可能にする働き方改革」

     男女ともに働きやすく暮らしやすい社会、ともに活躍できる社会の実現に向け、重要な鍵を握る「働き方改革」をどのように捉え、進めていったらよいのか。第4次男女共同参画基本計画の柱として挙げられている「働き方改革」について、国の施策の最新情報、働く場の変革を広げるための地域連携による女性活躍推進の実践事例、全国からの参加者同士による情報交換とネットワーク構築などを通じて様々な角度から捉えることで、現状と課題を把握し、それぞれの現場に持ち帰って実践できる取組のヒントを探ります。地域における男女共同参画の推進者として知識・企画力・実践力を養う高度で専門的な研修です。

2.主  催 

独立行政法人国立女性教育会館

3.共  催

NPO法人全国女性会館協議会(女性関連施設管理職コース)

4.会  場

国立女性教育会館

5.期  日

平成29年6月7日(水)~6月9日(金) 〔2泊3日〕

6.対象及び定員

地域の女性関連施設、地方自治体、団体等で男女共同参画推進リーダーとして実践的な取組を行っている方で、研修終了直後のアンケートと6か月後に実施するフォローアップ調査の両方を提出可能の方 120名
(1)女性関連施設管理職コース(50名)
公私立女性会館・女性センター、男女共同参画センター等、男女共同参画社会の形成に向けた拠点としての施設の管理職
(2)地方自治体職員コース(40名)
都道府県・市区町村の男女共同参画推進責任者
(3)団体リーダーコース(30名)
地域で男女共同参画を推進する団体等のリーダー及び役員等

7.日程

※印のプログラムは希望者のみ参加となります。

8.内  容

第1日 6月7日(水)

(1)開会                              13:00~13:25
①主催者あいさつ  内海 房子   国立女性教育会館理事長
②共催者あいさつ  納米恵美子   全国女性会館協議会代表理事
③来賓あいさつ   文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課長
④趣旨説明     引間 紀江   国立女性教育会館事業課専門職員

(2)講演「男女ともに活躍できる働き方改革にせまる
        ~お互いに認めあう文化の組織を実現するには~」    13:30~15:00
  男女ともに働きやすく、また働きがいを高めつつ、ともに活躍できる社会の実現に向け、重要な鍵を握る「働き方改革」について、女性関連施設・行政・NPOはどのように捉え、進めていったらよいのか、目指すべき方向性やその課題を探ります。
  講 師:石山 恒貴 法政大学大学院政策創造研究科教授

(3)課題整理のためのディスカッション                15:10~15:30
  参加者同士の自己紹介、研修に対するニーズや課題などについて、整理・共有します。

(4)講演「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」を乗り越える」 15:45~17:15
  「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」とは、過去の経験や習慣、環境から生じる、自分自身が気づかずに持つ偏った見方・考え方のことです。誰にでもあるものですが、多様な価値観を尊重する「働き方改革」や「多様な人材の活躍」においては阻害要因にもなりかねません。ダイバーシティ推進に向け注目されている概念について、その背景と影響を学びます。
  講 師:パク・スックチャ アパショナータInc.代表、コンサルタント

(5)情報交換会(希望者のみ参加)                  18:30~19:30
  全国からの参加者同士での情報交換とネットワークづくりを行います。

第2日 6月8日(木)

(6)情報提供「男女共同参画社会に向けた今日の政策課題」       9:00~10:30       
  男女共同参画や女性活躍の促進に向けた国の最新施策についての説明と今後の方向性について理解を深めます。
  講 師:内閣府男女共同参画局
  講 師:厚生労働省雇用均等・児童家庭局
  講 師:経済産業省経済産業政策局

(7)全体会1「持続可能な地域づくりに活かす新たなネットワーク構築と活用」 10:45~12:00
  女性の活躍推進の取組の鍵となる様々な分野の機関との新たなネットワークの構築とその効果的な活用について、国立女性教育会館が行った調査研究の成果及び事例報告をもとに、取組の実際とその課題について、全体で共有します。
  パネリスト:津島 伊保 広島県商工労働局働き方改革推進・働く女性応援課参事
        寺田 陽子 公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会市民参画部長、
              札幌エルプラザ館長
        堀田 真奈 特定非営利活動法人 ワークライフ・コラボ代表理事
  コーディネーター:飯島 絵理 国立女性教育会館研究国際室研究員

(8)分科会1「持続可能な地域づくりに活かす新たなネットワーク構築と活用」 13:30~16:00
  男女ともに働きやすく暮らしやすい社会の実現に大きく関わる3つのテーマについて「連携」「ネットワーク構築」をキーワードに、新たな仕組づくりや効果的な事業の展開等について考えます。
 A:「働き方改革に向けた企業、経済団体とのネットワーク」
  「男性中心型労働慣行」の変革に欠かせない官民のネットワークの構築と、ネットワークを活用した経営者・管理職の男性への働きかけや女性の人材育成等、効果的な取組について考えます。
  報告者:津島 伊保  広島県商工労働局働き方改革推進・働く女性応援課参事
 B:「起業支援に向けたネットワーク」
  女性の多様なニーズとキャリアに配慮しつつ、個人の経済的エンパワーメントと地域づくりを効果的につなぐ起業支援に向けて、関係機関がどのように連携し役割を担ったらよいのか、現状と課題を探ります。
  報告者:寺田 陽子  公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会市民参画部長、札幌エルプラザ館長
 C:「若年層へのアプローチ」
  男女共同参画社会づくりの次代の担い手育成のためにも、地域活性化のためにも重要な若年層を対象とした取組について、大学等の教育機関との効果的なつながり方や事業の内容等について考えます。
  報告者:堀田 真奈  特定非営利活動法人 ワークライフ・コラボ代表理事

(9)情報提供「NWECの事業展開について」           16:15~17:00
 ①情報事業 女性アーカイブ展示や女性デジタルアーカイブシステムなど、NWECの情報事業や機能について詳しく説明します。
  説明者:細川  芽  国立女性教育会館情報課長
 ②研修事業 平成29年度の研修事業計画について説明します。
  説明者:櫻田今日子  国立女性教育会館事業課長
 ③報告「第61回国連女性の地位委員会(CSW61)参加報告」
 「変化する職業の世界における女性の経済的エンパワーメント」を優先テーマとして、平成29年3月に国連本部(ニューヨーク)で開催された、CSW61での議論や合意結論について報告します。
  報告者:越智 方美  国立女性教育会館研究国際室専門職員
      佐伯加寿美  国立女性教育会館事業課専門職員

(10)自由交流(希望者のみ参加)   19:00~20:30
  参加者同士で関心あるテーマごとに集い、情報交換や交流を行います。
 〔テーマ〕「意思決定の場への女性の参画」「女性に対する暴力」「女性と防災」「男性視点からの男女共同参画」「多様な分野との連携」など(予定)

第3日 6月9日(金)

(11)分科会2「働くことをめぐる課題に迫る」  9:00~11:10
  コースごとに事例報告に基づくグループワークを行い、実践に役立つ力を身につけながら、支援や解決の方法を考えます。
 A:女性関連施設管理職コース「社会参画につながる『学び』の促進」
  平成28年度文部科学省委託事業として、全国女性会館協議会が実施した「『学び』を通じた女性の社会参画を促進するグッド・プラクティス収集調査 」の結果について共有し、女性が「働くこと」を支援するために、女性関連施設が果たせる役割について考えます。
  報告者:納米恵美子 NPO法人全国女性会館協議会代表理事
  ファシリテーター:加藤志生子 仙台市男女共同参画推進センター エル・パーク仙台館長
           岡本 峰子 公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会総務部長
 B:地方自治体職員コース「女性活躍推進に向けた効果的な地域連携とは」
地域における男女共同参画を戦略的に推進するためには庁内外での横断的な計画や取組が不可欠です。庁内の他部署や外部組織との有効的な連携について今後どう進めていくのか、現状と課題を整理し、現場で生かせるヒントをつかみます。
  コーディネーター:岸田 眞代 特定非営利活動法人パートナーシップ・サポートセンター代表理事
 C:団体リーダーコース「NPOが拓く新しい働き方」
東日本大震災後の南三陸地域に暮らす女性たち自身による、共同のチャレンジ工房立ち上げプロジェクトの事例から、持続的な組織運営と地域における男女共同参画の視点での新しい働き方の枠組づくりに必要な要素と今後の可能性を探ります。
  報告者:栗林 美知子 NPO法人ウィメンズアイ事務局長

(12)全体会  11:30~12:20
 分科会の報告内容や、話し合われた課題や解決法について、分科会2の各コーディネーターから報告、全体で共有します。
  報告者:分科会2各コース登壇者
  コーディネーター:西山 恵美子 国立女性教育会館事業課客員研究員

(13)閉会・アンケート記入 12:20~12:30

9.申込方法・期限

(1)方  法
別紙に必要事項を記入または入力の上、郵送または電子メール(progdiv@nwec.jp)のいずれかの方法で、国立女性教育会館までお送りください。
*送受信の行き違いや受信もれを防ぐため、申込受付は電子メールまたは郵送のみ(FAXは不可)とさせていただきます。
(2)申込期限  平成29年5月26日(金)午後5時必着
*申込期間内でも、定員に達した場合は申込を締め切ります。
*平成29年5月8日(月)は設備メンテナンスによる全館停電のため、電話・FAX・電子メールによ
るお問合せ、ホームページからの情報提供サービスを停止いたします。
(3)提出書類  「参加申込書」(別紙1)、「実情・工夫等」(別紙2)
(4)参加通知  別紙1記載の連絡先に文書または電子メールによりお知らせします。
         6月5日(月)までに連絡が来ない場合は、お手数ですが、
         事業課(電話:0493-62-6725)までお問い合わせください。

10.所要経費

(1)参加費    無料
(2)宿泊費    研修期間中は1名1泊あたり1,200円(前・後泊も同額で宿泊可)
(3)食 費    朝食バイキング870 円、昼食カフェテリア550 円~750 円程度、
          夕食バイキング 1,080 円
(4)情報交換会費 3,500円(消費税込、7日夕食を兼ねた立食形式)

11.その他

(1)事前学習(eラーニング講座の受講)について
参加決定後、本研修の参加前までに、男女共同参画の基礎知識を学ぶためのeラーニング講座を受講していただきます(総学習時間1時間程度、受講料無料)。受講手続などの詳細は、参加通知にてお知らせします。
*参加申込5月7日まで:5月16日より受講開始
     5月9日以降:申込から約1週間後に、講座開始の通知メールが届きます。
(2)広報について
研修期間中に職員が撮影した写真を、事業記録や広報のために使用することがあります。あらかじめご了承ください。
(3)フォローアップ調査の実施について
研修終了6か月後を目途にフォローアップ調査を実施いたします。実際の職務や活動に、研修成果がどのように役立てられているかについて伺うものです。ご協力をお願いいたします。

6月7日~9日、地域における男女共同参画推進リーダーを対象に、全国各地からの145名の参加を得て、標記研修を開催した。今年度のテーマは「多様な生活スタイルを可能にする働き方改革」。男女共同参画推進に必要な専門的知識や国の施策の最新動向の把握、マネジメント能力とネットワークの活用力の向上をめざす。またNWECの研修事業では初の試みとして、参加申込者を対象に男女共同参画の基礎知識について学ぶeラーニング講座を事前研修として開設した。

第1日目 6月7日(水)

本研修初日は、石山恒貴氏「男女ともに活躍できる働き方改革にせまる~お互いに認め合う文化の組織を実現するには~」、パク・スックチャ氏「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)を乗り越える」の2題の基調講演を行い、なぜ「働き方改革」に男女共同参画の視点が必要となるのか、その前提となる多様な価値観について学んだ。

講演 石山恒貴氏

第2日目 6月8日(木)

2日目は最新の国の施策や今後地域で取り組むべき課題について、内閣府、厚生労働省、経済産業省の3府省より説明を受けた。続く全体会1では広島県による企業や経済団体との連携、札幌市男女共同参画センターによる女性の起業支援事業の新たな展開、NPO法人ワークライフ・コラボによる大学COCプログラムとしての大学生向けキャリア支援の協働事業の、3件のグッド・プラクティスを共有。午後の分科会は、各事例報告をもとに自分たちの業務や活動と引きつけながら、持続可能な地域づくりに活かす新たなネットワーク構築と活用について議論を深めた。ラウンジを使っての夜の自由交流も、和やかな雰囲気の中にも熱気あふれる様子がうかがえた。

全体会1「持続可能な地域づくりに活かす新たなネットワーク構築と活用」

第3日目 6月9日(金)

最終日の分科会2「働くことをめぐる課題に迫る」は、女性関連施設管理職、地方自治体職員、団体リーダーの3コースで展開。報告・ミニ講義を踏まえて、参加者同士の対話を深めるとともに、今後それぞれが現場に戻って行動に起こす第一歩について共有する時間となった。3日間のまとめとなる全体会では分科会2各コースの内容を振り返るともに、今後の地域における男女共同参画推進向けて、連携・協働のあり方や、その「ハブ」としての行政が果たす役割に期待されること、学びによる気づきと意識変容が、男女共同参画の視点からブレのない行動や社会への変容にいかに結びつけるかが問われていること、などのポイントを共有した。

分科会2-A 女性関連施設管理職コース

終了後の参加者アンケートには「働き方改革、ネットワーク構築など、時代のニーズに即したテーマを中心に取り上げられており、参考になった。」、「今年度から現在の部署に就き、不安なことや見通しが持てずにいたが、幅広い研修内容で今後の自分の取り組み方についても考えることができた。」、「全国各地の多様な参加者と情報交換・意見交換ができた。」などのコメントが寄せられた。

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