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実施報告

文部科学省委託:次世代のライフプランニング教育推進事業 「男女共同参画の推進に向けた教職員研修」

開催期間:令和2年11月27日(金) ~12月28日(月)

開催場所:国立女性教育会館


学校現場や家庭が直面する現代的課題について、男女共同参画の視点から捉え、理解を深めつつ解決の方策を探る研修を実施。男女共同参画の基本理念を整理するとともに、教職員自身のアンコンシャスバイアスやキャリア形成について学ぶプログラム。

令和2年度は、文部科学省「次世代のライフプランニング教育推進事業」(男女共同参画の推進に向けた教員研修モデルプログラムの開発)を受託したため、「学校における男女共同参画研修」は中止とさせていただきます。

よくあるご質問

  • Q.11月27日(金)・28日(土)のワークは対象別になっていますが、自分の所属以外のワークを受講することはできますか?


    ライブ配信によるワークは基本的に対象別で各回先着25名を定員としていますが、定員に余裕がある場合は、該当の御所属でない方も御案内できる場合がございます。

    特に、中学校・高等学校向けのワークでは同じ教材を使用しますので、中学校の方が高等学校向けのワークを希望する、あるいは高等学校の方が中学校向けのワークを希望することも可能です。

  • Q.定員を超えた場合、ワークをオンデマンドで視聴することはできますか?


    申し訳ございませんが、ワークはライブ配信のみのプログラムとなっています。
    お申込みは先着順とさせていただいているため、定員を超えた場合は視聴することはできません。

    なお、ライブ配信の受講が叶わなかった場合は、オンデマンド配信プログラム(講義・パネルディスカッション)の視聴を御案内いたしますので、ぜひ御活用ください。

1.趣旨

 児童生徒等が自身の将来を固定的な性別役割分担意識にとらわれず考えられるようにするため、指導的立場にある教員が学校現場で生じうる「無意識の思い込み」(アンコンシャスバイアス)のケース等について理解を深め、指導に役立つ気付きを得る。

2.テーマ:学校における男女共同参画~アンコンシャスバイアスから考える~

 今、学校教育には「一人一人の児童・生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすること」が求められています。そのため、これまでの教育内容や方法等の見直しや働き方改革など、学校教育に携わる教職員自身の考え方や生き方も転換する時期を迎えています。
 また、この理念は、男女共同参画社会の実現にも通じるものです。世界的な動きと協調し、日本でも、「持続可能な開発目標(SDGs)」や女性活躍推進に向けた施策等、ジェンダー平等への取組が進められています。
 しかし、社会の様々な分野でいまだ多くの課題が残されており、他国と比べて日本のジェンダー平等は低水準に留まっているのが現状です。その背景の1つには、根強い固定的な性別役割分担意識があると言われています。それらの解消に向け、学校教育には大きな期待が寄せられています。
 固定的な性別役割分担意識のもとにある「無意識の思い込み」(アンコンシャスバイアス)には、子供の頃からの経験や周囲の期待等の影響が大きいと考えられます。次代を担う子供たちが性別にとらわれず、女性も男性も互いにその人権を尊重し、喜びも責任も分かち合いつつ、男女ともに多様な選択ができ自分の良さや能力を発揮して生きられるようにするために、子供たちの指導的な立場にあり身近な大人のロールモデルでもある教職員にはどのような視点が必要なのでしょうか。
 この研修では、初等中等教育の学校現場における男女共同参画について、ワークを通じて自身のアンコンシャスバイアスへの気づきを促し、男女共同参画の基本理念や意義を整理するとともに、日常の教育実践や学校運営などを男女共同参画の視点から捉え直し、自身の指導のヒントにつながる情報を共有します。

3.主催

独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)

4.実施方法及び期間

  • (1)実施方法

     Zoomを使用したライブ配信及びYouTubeによるオンデマンド配信

    *Zoom及びYouTubeに接続できるパソコン環境(タブレット、モバイル端末も可)が必要です。
     ライブ配信プログラムに参加する場合は、事前にZoomアプリをインストールする必要があります。
     YouTube視聴のために特別なアカウント登録などの必要はありません。

  • (2)配信期間

    ○ライブ配信(4つのうち、いずれか1つを選択して受講)
     A:11月27日(金) 10:00~11:30 管理職向け
     B:11月27日(金) 15:00~16:30 高等学校向け
     C:11月28日(土) 10:00~11:30 小学校向け
     D:11月28日(土) 15:00~16:30 中学校向け
      
    ○オンデマンド配信  11月28日(土)17:00 ~12月28日(月)17:00 

    ○フォローアップ・ミーティング(ライブ配信) 12月28日(月)13:30~15:00

  • (3)研修の流れ

5.対象及び定員

  • (1)対象

    初等中等教育諸学校(特別支援学校を含む)の管理職・教職員、教育委員会及び教育センター等の職員

  • (2)定員

    ・ライブ配信:各回 25名(先着順)
    ・オンデマンド配信:定員なし
    ・フォローアップ・ミーティング:80名(希望者のみ)

    *すべてのプログラムへの参加を推奨しますが、オンデマンド配信のみの申込みも可能です。
    *フォローアップ・ミーティングへの参加申込みについては、12月7日(月)に別途御案内します。

6.内容

  • (1)受講前アンケート(5分程度)

     参加決定時に通知されたアンケートフォームより、男女共同参画やアンコンシャスバイアスについてのアンケートに御回答ください。


  • (2)開会

                              【ライブ配信・オンデマンド配信】(10分)

     ①主催者あいさつ
       内海 房子(国立女性教育会館理事長)
     ②文部科学省あいさつ
       石塚 哲朗(文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課長)
     ③趣旨説明
       櫻井 雅美(国立女性教育会館事業課専門職員)


  • (3)ワーク「性別に基づくアンコンシャスバイアスへの気づき」

                              【ライブ配信】(80分)

     学校教育には様々な課題があります。その中で、性別に基づく課題は「無意識の思い込み」(アンコンシャスバイアス)から派生することが多く、課題として認識されにくいのが実情です。アンコンシャスバイアスは誰もが持っています。学校生活によくある場面を題材にしたケーススタディを通じて自身の持つアンコンシャスバイアスに気付くとともに、それが学校教育の中で子供たちや教職員にどのような影響を与えるのかについて考えます。

    ファシリテーター:櫻井 雅美(国立女性教育会館事業課専門職員)


  • (4)講義「持続可能な開発目標(SDGs)の視点を踏まえた男女共同参画 ~ジェンダー平等 と女性・ガールズのエンパワーメント~」

                               【オンデマンド配信】(30分)

     学校において、男女共同参画の推進は何故必要なのでしょうか。日本の男女共同参画の現状を解説するとともに、SDGsとの関連を踏まえながら、その基本理念や意義について整理します。

    講師:大崎 麻子(特定非営利活動法人Gender Action Platform理事、関西学院大学客員教授)


  • (5)パネルディスカッション「男女共同参画にどう取り組むか? ~学校でできること~」

                               【オンデマンド配信】(90分)

     アンコンシャスバイアスの解消や男女共同参画の推進に係る課題の解決に向けて、教職員の人材育成や児童・生徒への指導など、すでに学校教育でも取り組まれています。それらの取組事例を男女共同参画の視点から捉え、学校における男女共同参画の推進に向け、今後の自身の取組や課題の解決につながるヒントを探ります。

    パネリスト:森 将和(福岡県教育庁教育振興部義務教育課指導主事)
    パネリスト:永井 敏美(富山県立砺波高等学校教諭)
    コーディネーター:飯島 絵理(国立女性教育会館研究国際室研究員)


  • (6)フォローアップ・ミーティング(希望者のみ)

                              【ライブ配信】(90分)

     校種や職種に関わらず、研修を受けての感想や質問、気になったことなどを中心に参加者同士の意見交流を行います。NWECで実施する様々な研修から見えてきた、子供たちをとりまく男女共同参画課題や、母親や父親が抱える問題、これからの時代のキャリア形成の在り方などについての情報提供も行います。


  • (7)受講後アンケート(10分程度)

     全てのプログラムを終了後、アンケートフォームより御回答ください。

7.その他

  • (1)キャンセルについて

     参加決定後にキャンセルされる場合は、必ず事業課までEメールにて御連絡ください。

  • (2)モニター調査の実施

     研修終了6か月後を目途にモニター調査を行う予定です。調査時期になりましたらEメールで御案内しますので、御協力いただきますようお願いいたします。

  • (3)

     感染症、気象状況、天災、官公庁からの指示、その他主催者が研修を安全かつ円滑に実施することが困難と判断した場合には、やむを得ずプログラム内容の変更又は開催を中止する場合があります。
     なお、最新情報は、NWECホームページでお知らせします。

 NWECでは令和2年度文部科学省次世代のライフプランニング教育推進事業を受託し、教員研修プログラムと教材の開発に取り組んでいます。

 その試行として11月27日(金)~12月28日(月)に初等中等教育に携わる教職員を対象としたオンライン研修を開催しました。子供たちが自身の将来を固定的な性別役割分担意識にとらわれずに考えらえるよう、教員自身が学校現場で生じうる「無意識の思い込み」(アンコンシャスバイアス)のケース等について理解を深め、指導に役立つ気付きを得ることを趣旨とし、全国から244名が参加しました。

 ワーク「性別に基づくアンコンシャスバイアスへの気づき」では、教材動画をもとにグループディスカッションを行いました。参加者は各地域の現状や課題等を共有しながら、これまで意識していなかった自身の言動についてジェンダーの視点から改めて考えていました。

ライブ配信によるワーク「性別に基づくアンコンシャスバイアスへの気づき」

 講義「持続可能な開発目標(SDGs)の視点を踏まえた男女共同参画~ジェンダーと女性・ガールズのエンパワーメント~」やパネルディスカッション「男女共同参画にどう取り組むか?~学校でできること~」では、SDGsを切り口に学校における男女共同参画推進の意義を知るとともに、課題の解決に向けた実際の学校現場での取組について情報を共有しました。

 参加者からは、「私(教師)自身がアンコンシャスバイアスを持っている、という視点を常に持っていきたい」「未来を創る子供たちがいる学校だからこそできることを見つけながら取り組んでいきたい」といった感想が多く寄せられました。

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