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実施報告

令和5年度「地域における男女共同参画推進リーダー研修」

開催期間:令和5年5月16日(火)~6月12日(月) / 定員:300名

開催場所:オンライン /


令和5年度「地域における男女共同参画推進リーダー研修」のチラシ表面

令和5年度「地域における男女共同参画推進リーダー研修」のチラシ裏面

◆お知らせ◆

・ 4月10日 パネルディスカッションの配信日時等について開催要項を更新しました。
・ 5月2日 開催要項を差し替えました。変更・追加点は以下となります。
  【変更】基調講演タイトル・リード文
  【追加】情報提供1 登壇者
      情報提供3 スピーカー
      パネルディスカッション 日程
      全国女性会館協議会提供プログラム一部オンデマンド配信

1.趣 旨

 男女共同参画社会の形成を推進するため、地域の男女共同参画推進に関わるリーダー層を対象とする高度で専門的な研修を実施します。男女共同参画の基本理念を改めて確認しつつ、喫緊のジェンダー課題に対する取組や国の関連施策等に関する最新情報を得るとともに、全国の参加者との情報交換を通して、現状把握と課題解決のヒントを得ます。

2.テーマ

持続可能な地域づくり ~ジェンダーの視点から~

3.主 催

独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)

4.共 催 (於:全国女性会館協議会提供プログラム)

特定非営利活動法人全国女性会館協議会

5.対象・定員

男女共同参画センター等女性関連施設の管理職・職員
地方自治体の男女共同参画推進担当管理職・職員
地域で男女共同参画を推進するNPO・団体等の役員・リーダー  計300名

* 応募多数の場合は抽選を実施します。先着順ではありません。

6.実施期間

令和5年5月16日(火)〜6月12日(月)

7.方 法

LMS(eラーニング学習管理システム)によるオンデマンド配信動画視聴及びZoomによるライブ配信

8.参加費

無料(通信費は参加者負担)

9.内 容

事前学習【オンデマンド】(希望者のみ、但し、新任職員の方は必ず受講ください)
(1)「男女共同参画の基礎知識」(総学習時間1時間程度)

 eラーニング教材で、男女共同参画の基礎知識を学びます。
 「男女共同参画の基礎知識(eラーニング教材 オフライン版)第5次男女共同参画基本計画対応」
 国立女性教育会館リポジトリ掲載URL : http://id.nii.ac.jp/1243/00018880/

* この教材はどなたでも利用できます。ぜひ御活用ください。

(2)「男女共同参画に関する情報収集」(総学習時間20分程度)

 NWEC内の専門図書館「女性教育情報センター」や女性の史・資料の収集を行っている「女性アーカイブセンター」で所蔵する資料の利用方法、「女性情報ポータル“Winet”(ウィネット)」の文献・統計・女性関連施設情報等のデータベース活用方法を学びます。施策や事業の企画にぜひお役立てください。
 
 森 未知  国立女性教育会館情報課専門職員

プログラム   
(3)オリエンテーション【オンデマンド】

 プログラム説明  国立女性教育会館事業課

 自主ワークについて
 * 受講期間を通して所属または在住の自治体の男女共同参画に関する計画や施策を、
   読み込む自主ワークに取り組みます。手順等の詳細は参加決定通知でお知らせします。

(4)イントロダクション「地域の課題解決に求められる男女共同参画の視点」(30分)   【オンデマンド】

 萩原なつ子  国立女性教育会館理事長

(5)基調講演「男女共同参画/持続可能な社会にむけてのこれからの政策」(90分)  【ライブ及びオンデマンド】

5月17日(水)13:30〜15:00 Zoom ウェビナー
(オンデマンド配信予定:5月23日(火)〜)

 女性の経済的自立の難しさや、子ども数の減少に関心が集まっています。両者とも社会の持続に重要ですが、最新の社会調査では、子どもを持ちたいという若者の希望が大きく下がったことがわかりました。固定的性別役割を前提とした働き方・暮らし方に拠る日本社会の構造的な問題は依然大きいのです。性別にかかわらず、誰もが自らの意欲・能力を発揮できる社会にしていくために、何をどのように変えていけば良いのか、労働と家族形成、社会制度の関わりを研究してこられた永瀬伸子さんから学びます。
  
 講師  永瀬 伸子  お茶の水女子大学教授

(6)情報提供1「男女共同参画社会に向けた今日の政策課題」(20分×3)【オンデマンド】

 男女共同参画や女性活躍推進に関する国の政策課題と最新施策について説明を受け、今後の方向性について理解を深めます。

 杉田 和暁  内閣府男女共同参画局総務課長
 安里賀奈子  文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課長
 飯田 明子  厚生労働省雇用環境・均等局総務課

(7)情報提供2「ジェンダー平等に向けた国際的動向とNWECの取組」(20分)      【オンデマンド】

 SDGs全17目標の達成には、第5目標「ジェンダー平等の実現」の達成が不可欠とされています。「ジェンダー平等の達成とすべての女性と少女のエンパワーメントのためのイノベーション、技術変化及びデジタル時代の教育」をテーマにした第67回国連女性の地位委員会(CSW)など最近の国際的動向と、関連するNWECの取組について学びます。

 渡辺 美穂  国立女性教育会館研究国際室長

(8)情報提供3「ジェンダー課題へのチャレンジ」(20分×3)【オンデマンド】

 各地共通の今日的課題として、若い世代・女性の政治参画、中高年・非正規・シングル女性の貧困対策、男性の働き方・暮らし方の転換の3テーマを取り上げ、当事者として最前線で積極的な発信を続けている方々から、その分野の課題と解決に向けた取組の実際について学びます。

 スピーカー  櫻井 彩乃  #男女共同参画ってなんですか代表,GENCOURAGE代表
        大矢さよ子  わくわくシニアシングルズ代表
        多賀  太  関西大学教授

(9)パネルディスカッション 「地域の声を聴く 地域の力になる」(120分)     【ライブ及びオンデマンド】

5月23日(火)10:00〜12:00 Zoom ウェビナー
(オンデマンド配信予定:5月29日(月)〜)

 地域において男女共同参画の視点にたった取組や活動を行うためには、どのように地域の声を聴けばよいのでしょうか。また、男女共同参画の視点にたった取組や活動を行うことで、地域のどのような力になることができるのでしょうか。自治会、地域行政、男女共同参画センターの各現場において、有効な方法論を見出してこられた方々をお迎えし、それぞれの実践の工夫と、見えてきた成果・課題について考えます。
 
 パネリスト  越前 貞久  秋田県大館市御坂町内会長
        奥家 章夫  前浜松市市民部部長
        加藤志生子  エル・パーク仙台館長兼エル・ソーラ仙台館長
 コーディネーター   島  直子  国立女性教育会館研究国際室研究員

(10) 全国女性会館協議会提供プログラム(女性関連施設管理職・職員のみ)      「男女共同参画センターをパワーアップしていくために」(150分)【ライブ】

6月1日(木)13:00〜15:30
Zoomミーティング(定員30名、希望者多数の場合は抽選)
(事例報告部分のみオンデマンド配信予定:6月7日(水)~)

 男女共同参画センターが地域の男女センター同士、学校・教育委員会、企業等さまざまな関係機関と連携協働した事業の事例を聞き、点から面に広げていくためのヒントを得ます。その後参加者同士で意見交換を行い、NWEC&男女センター機能強化WG座長にコメントをいただきます。

 事例報告者  久保 智里  京都市男女共同参画センター事業企画課主任
        夏目利江子  福島県生活環境部男女共生課主事
        脇本 靖子  川崎市男女共同参画センターディレクター
 有識者    鈴木  準  大和総研執行役員、内閣府男女共同参画会議議員、
               NWEC&男女センター機能強化WG座長
 企画・運営  特定非営利活動法人全国女性会館協議会  

(11)情報交換会「わたしたちのまちのジェンダー平等を進めるために」(90分)【ライブ】

 6月9日(金)10:30〜12:00または13:30〜15:00
Zoomミーティング(定員各回40名、希望者多数の場合は抽選)

 本研修で学んだことやこれまでの気づきについて記入したワークシートを基に、参加者同士の情報交換を行います。
* このプログラムでは、今後のネットワークづくりに役立つよう、参加者名簿(氏名・所属機関を記載)
  を共有します。

10.受講に必要な環境

① インターネットに接続できるパソコン(推奨)またはタブレット、スマートフォンが使用できること。
② 使用する端末に下記の動作環境があること。

適応ブラウザ:Google Chrome,Safari,FireFox,Microsoft Edge

*OS・ブラウザのメーカーサポートが切れているバージョンは、対象外(延長サポート期間も含む)です。
*セキュリティソフトやブラウザ用アドオンソフトが動画の再生をブロックすることがあります。
*タブレット、スマートフォンでも受講可能ですが、画像が適切に表示されない可能性があります。

[全国女性会館協議会提供プログラム、情報交換会に参加する場合]

①インターネットに接続できるパソコン又はタブレット(スマートフォン不可)にWebカメラ・マイク(外付けも可)機能があること
②使用する端末に、「Zoom」アプリがインストールしてあること
③通信が遅延、途切れることのない安定したネットワーク環境があること
④話しやすい静かな環境であること

11.申込方法等

(1)申込方法

・専用申込フォームからお申込みください。
・申込時のメールアドレスが研修の参加IDとなります。同じメールアドレスで複数の参加者を登録することはできません。

(2)参加決定通知

・結果は申込時のメールアドレスにメールで通知します。
・全国女性会館協議会提供プログラム、情報交換会については、希望者が定員を超えた場合、抽選で参加者を決定します。
・5月10日(水)を過ぎても連絡がない場合は、事業課までお問合せください。

(3)キャンセル

・参加決定後にキャンセルする場合は、必ず事業課まで御連絡ください。

(4)研修の流れ

研修の流れの説明

12.その他

(1)フォローアップ調査の提出

 11〜12月頃に実施するフォローアップ調査に御回答ください。現場のニーズや課題を今後の事業企画に反映するために、御協力をお願いします。

(2)プログラムの変更・中止について

 感染症、気象状況、天災、官公庁からの指示、その他主催者が研修を安全かつ円滑に実施することが困難と判断した場合には、やむを得ずプログラム内容の変更または開催を中止する場合があります。なお、これらの情報は、随時NWECホームページでお知らせします。

13.問合せ先

独立行政法人国立女性教育会館事業課
〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
TEL:0493-62-6724(平日9:00~17:00)
メール:progdiv@nwec.go.jp

* お問合せはなるべくメールでお願いします。

令和5年度「地域における男女共同参画推進リーダー研修」実施報告

 令和5年5月16日~6月12日までの約1か月間、「持続可能な地域づくり ~ジェンダーの視点から~」をテーマに実施し、全国の女性関連施設、地方自治体、団体の役員・管理職、リーダー等437名が受講しました。
 今回のテーマに基づいた基調講演や国からの施策説明、事例報告、パネルディスカッションなど、男女共同参画に関する最新情報や課題解決の取組例から、参加者自らの地域の現状・課題を把握し、どのように対応していくかを考える機会となりました。
 参加者からは、研修全体を通して「様々な切り口から男女共同参画推進に係る諸課題を把握することができた」「大きなゴールとそれに至るための手段を知ることができた」「刺激を受け、仕事を改めて見直し再構築することの必要性を実感できた」等の声が寄せられました。

 各プログラㇺの実施概要は以下のとおりです。

(1)事前学習「男女共同参画の基礎知識」(eラーニング)

 男女共同参画の基礎知識を学ぶことで、研修内容をより深く理解できることを目的としてeラーニング講座を実施しました。国内外の男女共同参画に関する言葉や事項の意味を確認するとともに、その背景や課題、関連する法律などクイズ形式で学ぶ機会としました。

(2)事前学習「男女共同参画に関する情報収集」

 NWEC内の専門図書館「女性教育情報センター」や女性の史・資料を収集している「女性アーカイブセンター」で所蔵する資料の利用方法、「女性情報ポータル“Winet”(ウィネット)」の文献・統計・女性関連施設情報等のデータベース活用方法を学ぶことで、これらの情報を男女共同参画および女性・家庭・家族に関する地域の男女共同参画に関する施策や事業の企画に活かすことができる機会としました。
参考:女性情報ポータル“Winet”はこちら URL:https://winet.nwec.go.jp/

(3)イントロダクション「地域の課題解決に求められる男女共同参画の視点」

 萩原なつ子理事長より、男女共同参画に係る法律の歴史や地域のなかで女性が活躍することの意義、男性・女性の意識改革の必要性等について説明するとともに、事例として丹波市や豊岡市で実施された、自治会等地域における女性の参画とリーダーシップの発揮を目指したワークショップの様子と成果を紹介しました。“Well-being”な地域づくりを目指して、男女共同参画を進めていくことの重要性を改めて考える機会となりました。

(4)基調講演「男女共同参画/持続可能な社会にむけてのこれからの政策」

 労働と家族形成、社会制度の関わりを研究されている、お茶の水女子大学教授の永瀬伸子さんから、第1部では「なぜ若者や子どもへの支援が必要なのか」、第2部では「現代社会の労働市場、社会保障と少子化や男女賃金格差との関連」について、豊富な統計データを基にわかりやすく説明いただきました。ライブ配信では多くの質問が寄せられましたが、次世代育成は日本の最重要課題であり、若者や女性に多い非正規雇用を自立生計のできる働き方へしていくこと等が重要だと述べられました。

(5)情報提供1「男女共同参画社会に向けた今日の政策課題」

 男女共同参画や女性活躍推進に関する国の政策課題と最新施策について、内閣府・文部科学省・厚生労働省から説明いただきました。
 内閣府からは、令和5年度当初予算案のポイントや男女共同参画会議等の推進体制、DV対策をはじめとする女性に対する暴力防止への取組、政治分野における男女共同参画の推進等の具体的施策のほか、地域女性活躍推進交付金の説明がありました。
 文部科学省からは、関連する主要事項のうち、科学技術・学術分野にかかる施策や「生命(いのち)の安全教育」教材や指導の手引きについて説明。さらに学校分野における政策・方針決定過程への女性の参画拡大をいかに進めるか、関係機関での研修や教材を紹介するとともに、学校以外の多様な学習機会として女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参画事業や社会人の学び直し情報発信ポータル「マナパス」等を紹介しました。
 厚生労働省からは、女性活躍推進法の令和4年改正により、情報公表の項目として新たに「男女の賃金の差異」が追加されたことと、その公表例を説明しました。さらに女性の活躍推進及び両立支援に関する総合的情報提供事業や「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律」の令和3年度改正の概要、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律のポイントの解説がありました。

(6)情報提供2「ジェンダー平等に向けた国際的動向とNWECの取組」

 SDGs全17目標の達成には、第5目標「ジェンダー平等の実現」の達成が不可欠とされています。「ジェンダー平等の達成とすべての女性と少女のエンパワーメントのためのイノベーション、技術変化及びデジタル時代の教育」をテーマにした第67回国連女性の地位委員会(CSW67)など最近の国際的動向と、関連するNWECの取組について渡辺研究国際室長が説明しました。

(7)情報提供3「ジェンダー課題へのチャレンジ」

 各地共通の今日的課題として3つのテーマを取り上げ、当事者として最前線で積極的な発信を続けている方々から、その分野の課題と解決に向けた取組の実際について語っていただきました。
 #男女共同参画ってなんですか代表/GENCOURAGE代表の櫻井彩乃さんは「若い世代・女性の参画」と題し、第5次男女共同参画基本計画策定のプロセスのなかで、SNSを中心に約1ヶ月間で若者の声を集め、その声を提言として大臣への手交までに至った経緯と、「声をあげっぱなしにしない」その後の成果について報告。さらに活動から見えてきた若者の課題に対する解決・可能性を広げるための「ジェンカレ」の取組紹介、「若い世代こそ活用すべき」と男女共同参画センターへの期待を寄せられました。
 大矢さよ子さんは「わくわくシニアシングルズ」代表として、2022年に中高年シングル女性2,300名以上の協力を得て実施した生活実態調査の結果から、高い就労率ではあるものの不安定雇用や低賃金等の課題がある状況と、生活不安があっても、その相談先が自治体や男女共同参画センターに繋がっていない状況などを説明。「困難女性支援法」施行は今まで支援からこぼれた女性たちへの支援の根拠法となるが、きちんと届けられているかこれからも注視したいと述べられました。
 関西大学教授の多賀太さんは「男性の働き方・暮らし方の転換」について、統計データとご自身の活動を基にお話しいただきました。日本は「ワーク・ライフ・アンバランス」な社会になっており、その結果、男性優位のジェンダー不平等社会になっていること、そして女性の経済的自立と活躍の後押しは男性の働き方改革にあることを説明。さらに男性自身の健康と生活の質の向上の重要性を踏まえ、社会を変える「ケアする男」とはなにかを解説。男性稼ぎ手中心の労働慣行見直しや、時代の変化や世代間の違いに敏感になることなど、政治・経済界や管理職、そして私たちひとりひとりに求められる、ワークライフバランス社会とジェンダー平等社会の実現に向けた取組を提言されました。

(8)パネルディスカッション「地域の声を聴く 地域の力になる」

 自治会、地域行政、男女共同参画センターの各現場において、男女共同参画の視点にたった取組や活動を行っている3人に登壇いただき、それぞれの実践の工夫と、見えてきた成果・課題について、お話しいただきました。
 前浜松市市民部長の奥家章夫さんは、浜松市の男女共同参画の変遷や地域で活躍できる人材育成事業「はままつ女性カレッジ」、啓発イベントやアンケート調査等を行った「はままつの『生理』を学ぶプロジェクト」、女性特有の健康課題について調査・研究をし、性別に関わらず誰もが働きやすい職場環境づくりに向けて具体的な改善策を提案する「ミモザ・プロジェクト」等の取組について紹介されました。
 秋田県大館市御坂町内会長の越前貞久さんは、町内会役員の過半数を女性が担うようになり、女性の視点からの提案によって町内会の活動が見える化することで、会員が町内会へ関心を持ち、活性化していった御坂町の変化について報告されました。
 エル・パーク仙台館長兼エル・ソーラ仙台館長の加藤志生子さんは、東日本大震災の経験を機に「地域にはすでにもう動いている女性達がたくさんいる」との気づきから、センターが何を考え、何を思って取組を行ってきたか、ということに重心を置いて、女性たちの多様なリーダーシップの可視化・発信・開発に係るプロセスを語っていただきました。
 後半は、島研究国際室研究員の進行により、パネリスト同士の意見交換や参加者からの質問に応答を行いました。 

越前さんへの質問:自治会の活発化により若い世代が参画した具体例はありますか
      回答:子供会の役員の皆さんがラジオ体操やお祭りなど町内会の活動、役員会、草刈り
         に参加し、大変頑張ってくれている。ただ、転勤でコンスタントにサポーターに
         なれる人がおらず、若い人への継承の課題がある

加藤さんへの質問:女性リーダー育成プロジェクト修了生の活躍の場はどのように設けていますか
      回答:この事業は、すでに活動されている方々に優先して受講してもらっているため、
         すでに活躍のフィールドを持っている。講師として推薦すると引き受けてくれる
         頼れる人材がいる

奥家さんへの質問:男女共同参画を庁内全体で共有するには何が必要と考えますか
      回答:正解のない、でも望ましい世界を目指す局面においては、いろんな人たちが、
         いろんな立場を越えてフランクに話し合う場が必要なのではないか

 最後に、島研究員が「すでに地域に貢献している女性たちはたくさんいる。そういう女性たちがスムーズに楽しく活躍できる仕組みづくりやサポートのヒントを具体的にいただけた」とまとめました。

(9) 全国女性会館協議会提供プログラム「男女共同参画センターをパワーアップしていくために」

 男女共同参画センターが関係機関と連携・協働した事業の事例から、点から面に広げていくためのヒントを得ました。
 京都市男女共同参画センターの久保智里さんは、「『男女共同参画の防災教材づくりワークショップ』の取り組み」事業のプロセスを事例に、どのように市民・行政・他のセンターの方々と繋がっていったのかについて紹介。連携のポイントは、目的とゴールイメージを共有すること、達成に必要なマンパワーと予算を具体的にし、互いの実績に基づいた協力内容を提案することなどにより「できる」イメージを持つこととまとめました。
 福島県生活環境部男女共生課の夏目利江子さんは、学校等に教員を派遣して、男女共同参画に関するテーマの出前授業を行い、固定的性別役割分担意識や性の多様性への気づきなどを学ぶ機会を提供する「次世代スクールプロジェクト」の実績と経緯を紹介。さらに教員が人権や男女共同参画を学ぶ機会の少なさを解消するため、人権セミナーや免許更新講習のカリキュラムに男女共同参画を学ぶ機会を提供するなど、県教育部局と連携した事例を報告しました。
 川崎市男女共同参画センターの脇本靖子さんは、地元の各企業や団体と小さな連携を積み重ね、制度とリンクする形で様々な事業を展開した事例を踏まえ、その経緯や経験を通じて見えてきたことについて報告。こちらの思惑だけでなく、連携相手の持つ課題や関心事を踏まえ、連携のメリットをどう生み出すか。ひと呼吸おいて一致点を探す、粘り強くアプローチの方法を考えてみるなど、企業との連携において大事にしていることも紹介しました。
 その後のブレイクアウトセッションでは、協議会進行のもと、参加者同士で活発な意見交換を行ったのち、全体討議としてNWEC&男女センター機能強化WG座長の鈴木準さんが、WGの報告書、現状の課題と男女共同参画センターへの期待、都道府県ごとの男女共同参画状況等について話されました。

(10)情報交換会「わたしたちのまちのジェンダー平等を進めるために」

 本研修で学んだことやこれまでの気づきを事前にまとめたワークシートを基に、オンラインにて小グループごとに情報交換を行いました。
 前半は男女共同参画に関わる地域の特徴や課題をグループ内で共有、後半は前半を踏まえ、もっと深堀してみたいトピックについて意見交換。研修や情報交換会を通して考えた「これから取り組んでみたいこと」を各自が発表し、研修のまとめとしました。それぞれのグループで、メンバーの今抱えている課題についてアイデアを出し合ったり、地域や所属が多様なメンバーにも関わらず共通の課題が見つかったりと、ほぼ初対面ながら、活発な意見交換の場となりました。

参加者からの感想

・グラフ統計を用いた客観的な視点で、女性と労働の間の課題や現状、次世代育成のためにすべきことなどを学ぶことができ、非常に興味深かった。(基調講演)

・それぞれのパネリストが発表された実例報告を聞くことで、女性の意見が届く環境を整えることの大切さを感じました。(パネルディスカッション)

・多様な立場で多様な活動を展開なさっている方々と交流するだけで、なんだか自分の目指しているものや行動が肯定されている気持ちになり、大変勇気づけられました。(情報交換会)

研修・イベント