研修・イベント

研修

実施報告

令和3年度「学校における男女共同参画研修 」

開催期間:令和3年7月29日~8月31日 / 定員:300名

開催場所:国立女性教育会館 /


事業内容

学校現場や家庭が直面する現代的課題について、男女共同参画の視点から捉え、理解を深めつつ解決の方策を探る研修を実施。男女共同参画の基本理念を整理するとともに、教職員自身のアンコンシャスバイアス等について学ぶプログラムを提供。

お知らせ

6月17日(木)
 広報として発送した一部の開催要項、ちらしに誤りがございました。申し訳ございませんが、訂正をお願いします。
 正)池田 心豪 独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員
 誤)池田 心豪 労働政策研究・研修機構主任研究員

 正)神戸 さくら呼 公益社団法人ガールスカウト日本連盟
 誤)神戸 さくら呼 公益財団法人ガールスカウト日本連盟

1.趣旨

 初等中等教育に携わる教職員が、自身の持つ無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)や固定的な性別役割分担意識に気付くとともに、学校現場に存在する男女共同参画課題を把握し、教職員自身のキャリア形成や女性管理職の育成、多様な児童生徒への対応について、男女共同参画の視点から理解を深め、解決に向けた方策を探ります。

2.主催

 独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)

3.後援

 文部科学省
 独立行政法人教職員支援機構(NITS)

4.対象及び定員

 ・教育委員会及び教育センター等の管理職・職員(管理主事・指導主事等)
 ・初等中等教育諸学校(特別支援学校を含む)の管理職・教職員
  
  300名程度

5.実施期間及び方法

(1)配信期間

(2)方法
 学習管理システムを使用したオンライン研修
 *オンデマンド配信の研修動画は、参加者の都合に合わせて期間中いつでも視聴できます。
  ただし、一部のプログラムはWeb会議システムZoomによるライブ配信で実施します。

(3)受講に必要な環境
 ①インターネットに接続できるパソコン(推奨)またはタブレット、スマートフォン
 ②使用する端末に下記の動作環境があること

 *OS・ブラウザのメーカーサポートが切れているバージョンは対象外(延長サポート期間含む)です。
 *セキュリティソフト(「ウィルスバスター」等)やブラウザ用アドオンソフト(「AddBlock」等)が動画の再生をブロックすることがあります。
 ③Zoomアプリがインストールしてあること
 ④安定したインターネット環境が確保できる場所(勤務先・自宅等)

【ワーク1、フォローアップ・ミーティングに参加する場合】
 希望者のみのプログラムは、Zoomミーティングによるライブ配信となります。主催者と参加者、あるいは参加者同士で意見交換を行うため、以下の環境が必要になります。
 ・インターネットに接続できるパソコンまたはタブレット(スマートフォンは不可)
 ・使用する端末にカメラ・マイクの機能があること(外付けも可)

6.内容

(1)開会(10分)
  主催者あいさつ    内海 房子 国立女性教育会館理事長
  趣旨説明       櫻井 雅美 国立女性教育会館事業課専門職員

(2)ワーク1「ジェンダーに基づくアンコンシャス・バイアスへの気付き」
   7月29日(木)・30日(金)(90分/ライブ配信、希望者のみ)
 学校教育には様々な課題があります。その中で、ジェンダーに基づく課題は「無意識の思い込み」(アンコンシャス・バイアス)から派生することが多く、課題として認識されにくいのが実情です。アンコンシャス・バイアスは誰もが持っています。学校生活によくある場面を題材
にしたケーススタディを通じて、自身の持つアンコンシャス・バイアスに気付くとともに、学校教育の中で子供たちや教職員にどのような影響を与えるのかについて考えます。
  ファシリテーター:国立女性教育会館事業課専門職員

(3)講義1「学校教育に求められる男女共同参画の視点とは」(60分)
 学校において、男女共同参画の推進はなぜ必要なのでしょうか。国際的な潮流や第5次男女共同参画基本計画を踏まえながら、その基本理念や、学校に求められている役割を理解するとともに、教職員に必要な男女共同参画の視点を学びます。
  講師:河野 銀子 山形大学学術研究院教授

(4)情報提供「学校における男女共同参画の推進に向けた施策」(20分)
 学校教育における男女共同参画の推進に向けた施策はどのようなものか、国の最新施策の説明を受け、今後の方向性について理解を深めます。
  講師:高野 智志 文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課 
           女性政策調査官
            
(5)講義2「母親の労働参画と父親の育児参画」(60分)
 日本の育児期の男女の働き方と男性育児の現状や産業社会の構造における課題について知り、子供たちを取り巻く家庭環境の背景や教職員自身の働き方やキャリア形成について考えます。
  講師:池田 心豪 独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員
    
(6)講義3・事例報告「女性管理職をめぐる現状とこれからの管理職登用」(60分)
 今、学校教育においても女性管理職登用の推進が謳われています。その現状や課題を把握するとともに、教員の人材育成やキャリア形成に関する先進的な取組についての報告を通じて、これからの管理職登用に必要な視点やヒントを得ます。
 講  師:飯島 絵理 国立女性教育会館研究国際室研究員
 事例報告:福島 康貴 東京都教育庁人事部教職員任用担当課長

(7)講義4「教員組織の多様性の拡大 ~教員組織とジェンダー格差~」(50分)
 教員組織の多様性の拡大が必要な背景や、諸外国の取組等、教員の養成・採用・研修の一体改革に関する調査研究から見えてきた課題を把握し、解決に向けた方策を探ります。
  講師:百合田 真樹人 独立行政法人教職員支援機構上席フェロー

(8)パネルディスカッション「男女共同参画の推進に向けた素地づくり」
   8月21日(土)(105分/ライブ配信・オンデマンド配信)
学校の中に存在するアンコンシャス・バイアスや教職員の何気ない言動は、気付かないうちに子供たちの意識に影響を与えています。子供たちが性別によらず、自分の能力を発揮できる社会にしていくためには、早期からの素地づくりが重要とされており、学校教育にも期待が寄せられています。性の多様性に関わる小・中学校の取組や高等学校における男子の立場から考えるジェンダー教育の実践例、ジェンダー平等の実現に向けた女子高校生からの提言を通じて、これからの男女共同参画の推進に向けた学校教育の可能性について考えます。
  パネリスト:塩田 洋明   糸島市人権福祉部人権・男女共同参画推進課男女共同参画推進員
        神戸 さくら呼 公益社団法人ガールスカウト日本連盟(高校3年生)
        片田 孫 朝日 灘中学校・高等学校教諭
コーディネーター:伊藤 公雄 京都産業大学現代社会学部客員教授・ダイバーシティ推進室長 

(9)フォローアップ・ミーティング
   8月21日(土)(80分/ライブ配信、希望者のみ)
 研修を受けての感想や学校現場におけるアンコンシャス・バイアス等に関する意見交換を行います。校種や職種に関わらず、全国からの参加者同士の交流を図り、ネットワークづくりにつなげます。
  ファシリテーター:国立女性教育会館事業課専門職員

(10)ワーク2「研修の振り返りとまとめ」(10分)
 プログラムを受講して自身が学んだことや考えたことをワークシートに記入し、各自で研修の振り返りとまとめをします。また、研修終了後の参加者アンケートへの回答もお願いします。

7.研修の流れと申込方法等について

(1)申込方法
 申込フォームよりお申込みください。
 *申込フォーム送信後、5分以内に申込完了を通知するメールが届きます。
 *定員を超える申込があった場合は、初めて参加される方、これまで参加が少ない地域の方の申込を優先とし、抽選を実施します。
 *学習管理システムのID発行と管理のため、同一アドレスからの複数名の申込はできません。また、外部からのメール受信ができるアドレスを入力ください。
 *申込フォームから送信ができない場合や御不明な点は、事業課までお問い合わせください。

(2)申込期間  令和3年6月21日(月)9:00~7月16日(金)17:00(必着)

(3)参加通知  
 申込フォームに入力されたメールアドレス宛に、メールで通知します。7月27日(火)を過ぎても連絡がない場合は、お手数ですが事業課までお問い合わせください。

(4)キャンセル
 参加決定後にキャンセルされる場合は、必ず事業課までメールで御連絡ください。

(5)研修の流れ

8.参加費

 無料(通信料は御自身の負担となります。)

9.その他

(1)フォローアップ・アンケートの実施
 学校現場のニーズや課題を今後の事業計画に反映するため、研修終了4か月後を目途にフォローアップ・アンケートを実施します。調査の時期になりましたらメールで御案内しますので、ぜひ御協力をお願いします。

(2)プログラムの変更・中止について
 感染症、気象状況、天災、官公庁からの指示、その他主催者が研修を安全かつ円滑に実施することが困難と判断した場合には、やむを得ずプログラム内容の変更又は開催を中止する場合  があります。なお、情報は随時、NWECホームページでお知らせします。

10.問い合わせ先

独立行政法人国立女性教育会館 事業課
〒355‐0292 埼玉県比企郡嵐山町大字菅谷728
TEL:0493‐62‐6724(平日9:00~17:00)
Eメール:progdiv@nwec.jp

*新型コロナウイルス感染症対策のため、一部の業務についてテレワークを実施しております。
 お手数ですが、できるだけメールでお問い合わせいただきますようお願いいたします。

令和3年度「学校における男女共同参画研修」(オンライン)実施報告

 7月29日(木)~8月31日(火)に教育委員会や教育センター等の職員と初等中等教育諸学校(特別支援学校を含む)の管理職・教職員を対象にオンライン研修を開催しました。
 この研修は、初等中等教育に携わる教職員が、自身の持つ「無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)」や固定的な性別役割分担意識に気付くとともに、学校現場に存在する男女共同参画についての課題を把握し、教職員自身のキャリア形成や女性管理職の育成、多様な児童生徒への対応について男女共同参画の視点から理解を深め、解決に向けた方策を探ることを趣旨としています。
 昨年から続くコロナ禍の影響等で学校を取り巻く状況は厳しい中でしたが、全国から241名の参加を得ました。
 研修では、期間中、参加者が自由に視聴できるように、4つの講義と文部科学省からの情報提供をオンデマンド配信で提供しました。
 多彩な講師の方々が専門的な立場から、男女共同参画の基本理念やその実現に向けた学校教育や教職員の役割、今日の労働市場や学校現場等における女性のキャリア選択の現状やその背景に根強く残る固定的な性別役割分担意識といった課題について言及されました。併せて、教員の人材育成やキャリア形成に関する教育委員会の取組の報告や、今後の学校現場での取組に向けて必要な視点も示され、課題解決に向けたヒントを得ることができました。

講義1「学校教育に求められる男女共同参画の視点とは」

 ライブ配信によるパネルディスカッションでは、性の多様性に関する小中学校の取組や男子中高生に対するジェンダー教育の実践、ジェンダー平等に向けた女子高校生からの提言等をもとに、男女共同参画の素地づくりに向けたこれからの学校教育の可能性について考えました。また、ケース動画を使用したワークやフォローアップ・ミーティングも実施し、参加者同士が意見交換をしながら、新たな気付きを得たり、学びを深めたりできるようにしました。
 研修全体の満足度も大変高く、参加者からは「様々な分野の専門家がそれぞれの切り口から男女共同参画を分析していて、物事を多角的に捉えることができた」「アンコンシャス・バイアスについて深く考えることができた。何よりも教員が正しい認識を持つことがジェンダー格差を解消する上で非常に重要な役割を果たすことが理解できた」等の感想が寄せられました。

ライブ配信によるワーク「性別に基づくアンコンシャス・バイアスへの気づき」

 なお、ワークで使用した動画教材や学校教員のキャリアと生活に関する調査をはじめとする研究報告等もNWECのHPで公開していますので、ぜひ併せて御活用ください。

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