研修・イベント

研修

実施報告

平成25年度「男女共同参画推進フォーラム」

開催期間:平成25年8月22日(木)~8月24日(土)  / 定員:1,000名

開催場所:国立女性教育会館 /


1.趣旨

男女共同参画を推進する行政担当者、女性団体やNPOのリーダー及び大学や企業において組織内のダイバーシティ、女性の活躍を推進する担当者等が一堂に会し、課題の共有と課題解決のための方策を探る研修を実施します。同時に、組織分野を越え、連携・協働して男女共同参画を推進するためのネットワーク形成を図ります。

2.主題

「女性の活躍で日本を元気に」

3.主催

独立行政法人 国立女性教育会館

4.会場  

国立女性教育会館
〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728番地

5.期日

平成25年8月22日(木)~8月24日(土)

6.対象 

行政、企業、大学、NPO等の組織において男女共同参画の推進に携わる方、ならびに、女性団体、女性/男女共同参画センター職員、その他男女共同参画に関心のある方  1,000名

7.日程

*当事業は、「第3次男女共同参画基本計画」における「第14分野 地域、防災・環境その他の分野における男女共同参画の推進」の「1地域における男女共同参画推進の基盤づくり」に位置づけられている事業です。

8.内容 

第1日目 8月22日(木)

(1)開会 主催者あいさつ
 13:00 ~ 13:10

(2)「女性の活躍推進と社会の活性化」
 13:15 ~ 14:45
  基調講演:佐々木 常夫  株式会社東レ経営研究所特別顧問            
    
(3)ワークショップ1
 15:30 ~ 17:30 
   会館提供ワークショップと全国から募集したワークショップを行います。

(4)情報交換会
 19:00 ~ 20:00
   今後の連携・協働に向けた参加者同士のネットワークづくりの場です。

第2日目 8月23日(金)

(5)ワークショップ2
 10:00 ~ 12:00
会館提供ワークショップと全国から募集したワークショップを行います。
 
(6)「女性の活躍推進と社会の活性化」
 13:00 ~ 15:00
パネルディスカッション
パネリスト(五十音順、敬称略)
 佐藤 良子  立川市大山自治会 会長 
 藻谷 浩介  株式会社日本総合研究所 調査部 主席研究員 
 森川 典子  ボッシュ株式会社 取締役副社長 
コーディネーター
 野村 浩子  日経BP社 日経マネー編集部 副編集長
           
(7)ワークショップ3
 15:30 ~ 17:30
会館提供ワークショップと全国から募集したワークショップを行います。

(8)交流会
 18:30 ~ 20:00
夕食を兼ねた交流会(参加費3,000円、要事前申込、立食形式)

第3日目 8月24日(土)

(9)ワークショップ4
 10:00 ~ 12:00
全国から募集したワークショップと会館提供ワークショップを行います。

(10)「女性リーダーらんざん会議」(於:研修棟2階 大会議室)
 13:00 ~ 15:00
パネリスト(五十音順、敬称略):
 天野 正子  東京家政学院大学 学長
 生越多恵子  株式会社ハウス オブ ローゼ 取締役 専務執行役員
 中川 智子  宝塚市 市長
 日置 真世  NPO法人地域生活支援ネットワークサロン 理事 事務局顧問
コーディネーター:
 内海 房子  国立女性教育会館 理事長

9.ワークショップのテーマ

「第3次男女共同参画基本計画」に示されている施策を参考に、以下の7つのテーマを設定しました。

①【女性のキャリア形成】
  政策・方針決定過程への女性の参画起業への支援、社会活動キャリアに対する評価、女性の能力開発への支援、女性のライフプランニング支援、女性起業家への支援 等

②【企業における女性の活躍推進】
  方針決定過程への女性の参画、雇用等における機会の均等と待遇の確保、継続就業、再就職、女性管理職への支援、ポジティブ・アクションの推進 等

③【大学における女性の活躍推進】
  大学における男女共同参画の推進、科学技術・学術分野への女性の参画、女性研究者の参画拡大に向けた環境づくり、女子学生・生徒の理工系分野への進学促進 等

④【男性にとっての男女共同参画】
  男性の男女共同参画に対する理解の促進、企業における男性管理職等への意識啓発、仕事と生活の調和のとれた働き方の推進、男性の家庭・地域への参画、男性に対する相談体制の確立 等

⑤【安全・安心と男女共同参画】
  女性に対する暴力の根絶、人身取引、災害・震災への取組、生活上の困難に直面する男女への支援、高齢者、障害者、外国人等が安心して暮らせる環境の整備、国際規範の尊重 等

⑥【男女共同参画の地域づくり】
  地域における男女共同参画の推進、地域経済の活性化とコミュニティビジネスにおける女性の参画、地域や分野を横断するネットワークづくり、子ども・子育てにおける地域の役割、農山漁村女性のエンパワーメント、環境分野における女性の参画、災害からの復興と地域づくり 等

⑦【男女共同参画センターの役割】
  男女共同参画の意識づくりに向けた取組、女性関連施設・社会教育施設の機能の充実、団体・グループ・NPO活動の支援、指定管理者制度のあり方、男女共同参画情報の発信・活用、女性/男女共同参画センターにおける危機管理 等

10.企画委員(五十音順・敬称略) 

本フォーラムの企画を会館と協働で行います。
 ・小山内世喜子 アピオあおもり 青森県男女共同参画センター副館長
 ・田中 雅文   日本女子大学教授
 ・根岸 茂文   一般社団法人埼玉県経営者協会専務理事・事務局長
 ・森   和江   埼玉県地域婦人会連合会 副会長
 ・矢澤 澄子   元東京女子大学教授(企画委員長)

11.参加申込

事前の申込はご不要です。当日、直接受付にお越しください。

★なお、会館への宿泊を希望される場合は、国立女性教育会館ホームページより、
または宿泊申込書(別紙)に必要事項をご記入の上、国立女性教育会館事業課宛に郵送してください。
※宿泊申込期間:7月25日(木)~8月2日(金)17:00必着(先着順)

12.所要経費

(1)参加費:無料
(2)宿泊費:フォーラム開催期間中は、小学生以上1泊あたり1,000円
   ★未就学児は1名あたり1泊500円。
(3)交流会費:3,000円(8/23 18:30~20:00、立食形式)
(4)食費:1食あたり700円~1,000円程度
   ★カフェテリア方式の食堂(本館1階)をご利用ください。
   ★8月23日(金)夜は、交流会で貸切のため通常営業は行いません。 

13.保育

 フォーラム期間中、おおむね2歳以上から学齢未満の幼児保育を実施します。
ご希望の場合は、事業課・清水(0493-62-6725)までご連絡ください(先着順、お預かりすることのできるお子様の人数に限りがあります)。

14.情報交換コーナー(場所:実技研修棟 音楽室)

参加者の皆さまが、ご所属団体のパンフレットやチラシなどの資料や書籍などを自由に交換・販売するコーナーを設置しますので、ご利用ください。
資料の運搬、陳列、金銭の取扱いなどは、各自の責任でお願いします。

15.送迎バス

期間中、国立女性教育会館本館前~東武東上線武蔵嵐山駅東口間で無料送迎バスをピストン運行しますのでご利用ください。
  ★運行間隔は、武蔵嵐山駅への電車の到着にあわせ、1時間3~4本程度です。

16.荷物の発送

荷物を事前に会館まで宅配便で送る場合、宛名は国立女性教育会館フロント気付「団体名」としてください。当日、本館フロントで引き取りください。

17.その他

以下の点、あらかじめご了承ください。
 ①参加者同士の交流・情報交換の促進を目的とした場ですので、行き過ぎた勧誘や署名運動、募金等はご遠慮願います。
 ②期間中、職員が撮影した写真を事業記録や広報のために使用することがあります。

平成25年度「男女共同参画推進フォーラム」ワークショップについて

【募集ワークショップ】
全国から応募いただいたワークショップを実施します。ワークショップの実施団体・タイムテーブル・内容は、別添「ワークショップ一覧」・「参加者へのメッセージ」をご参照ください。

【会館提供ワークショップ】
有識者と会館職員との協働や会館の研究成果発表として、以下のワークショップを実施します。

≪ワークライフバランス2.0≫~業界団体、経営者団体、地方自治体を挙げた、働きがいのある職場作りに向けた取り組み~

8月22日(木)15:30 ~17:30 101研修室

ワーク・ライフ・バランス=『女性も男性も、ともに働きがいのある職場作り』は、すでに総論から各論、理念から実践の段階に入っています。私、渥美由喜は20数年前から、国内外の先進的な取組みをフィールドワークしてまいりました。全国を見渡すと、業界や経済団体、自治体によって、取組みには、かなり濃淡が生じていると感じております。最近、特に先進的な取組みは、一企業の枠を超えて、広域連携すなわち、個別企業の取組みという「点」から「線」、さらに「面」で進めているという特徴があります。例えば、日本看護協会は業界団体として、中小企業家同友会は経営者団体として、静岡県は地方自治体として、際立った取組みを展開しています。そこで、本ワークショップでは、それぞれの組織での取組みをご紹介いただき、一企業の枠を超えてワーク・ライフ・バランスを推進していくには、どうしたらよいか、今後の在り方について、会場の皆様とともに考えたいと思います。

コーディネーター:
 渥美 由喜 厚生労働省 政策評価に関する有識者会議委員
         (株式会社東レ経営研究所 研究部長)

報告者:     
 橋本 美穂 公益社団法人日本看護協会 労働政策部 部長
 中本 久美 大阪府中小企業家同友会 理事
         (中小企業家同友会全国協議会会員)
 市川 恵  静岡県健康福祉部こども未来局こども未来課少子化対策班

進行:
 森下 敏広 国立女性教育会館事業課専門職員

・地域人材・団体の実践活動に学ぶ

8月22日(木)15:30 ~17:30 110研修室

このプログラムでは、NWECでの学習を生かし地域での実践につなげた事例や行政との協働など、地域における男女共同参画を推進するために日頃から実践活動を行っている個人・団体による事例報告を行います。全国各地からの特徴的な活動 報告を通して、フロア全体で地域における男女共同参画推進に向けた課題等を共有します。

報告者:
 松島 信子 美幌町自治会女性部部長
 佐藤 恵子 NPO法人青森県男女共同参画研究所
 林  真麻  NPO法人青森県男女共同参画研究所
 前田 陽子 ハミングフォーラム習志野代表
 井狩 洋子 野洲市男女共同参画プランやす協働委員会(参画やす)会長

進行: 
 引間 紀江 国立女性教育会館事業課専門職員

・第57回国連女性の地位委員会(CSW)報告会

8月23日(金)10:00~12:00 101研修室

国連女性の地位委員会(以下、CSW)は昭和21(1946)年に国連経済社会理事会の機能委員会のひとつとして設置されました。CSWの年次総会では、政治・市民・社会・教育分野等における女性の地位向上に関し、毎年テーマを決めて国連本部(ニューヨーク)で開催されています。
第57回CSW は、2013年3月4日から15日まで「女性及び女児に対するあらゆる形態の暴力の撤廃と防止」を優先テーマとして開催されました。ワークショップでは、CSW参加者による委員会期間中に採択された合意結論や各国代表や国連の関係機関、NGO代表等によるサイドイベントやパラレルイベントについての報告をおこないます。

報告者:
 橋本ヒロ子  第57回国連女性の地位委員会日本政府代表・十文字学園女子大学教授、
          十文字中学・ 高等学校 校長
 別府 充彦  内閣府大臣官房審議官(男女共同参画局担当)(予定)
 青木 玲子  国立女性教育会館客員研究員
 赤嶺 良子  国立女性教育会館情報課専門職員

コーディネーター:
 越智 方美  国立女性教育会館研究国際室専門職員

・キャリア開発学習プログラムを考える~今、求められる企画・運営力~

8月23日(金)10:00 ~12:00 208研修室

キャリア形成のための教育・学習は、大学、企業、地域など各方面で取り上げられており、要望も高いものがあります。しかし、その内容には、男女共同参画の視点があいまいである、How toに偏りがちになる、など様々な問題が見受けられます。
今こそ、キャリア形成支援プログラムを考える重要な時期に来ているのではないでしょうか。まず必要なことは、キャリア「形成」から、より積極的、主体的なキャリア「開発」への視点の移行です。そして、キャリア開発を進めていくためには、その目標、内容、方法等を明確にした学習プログラムと、それを実施するために必要な知識や力量といった「専門性」を持った人材が必要です。
本ワークショップでは、下記の課題について、講義と事例で問題を提示し、それに基づく討議を通して、皆様とともに考えます。
①キャリア開発学習プログラムの内容・方法について
②学習プログラムを企画し、運営するための新たな「専門性」を持った人材育成について
このワークショップを契機に、キャリア開発学習を進め、広げていく協働関係が生まれることを期待しております。

講師:      
 神田 道子  国立女性教育会館前理事長・客員研究員

事例発表者: 
 平賀 圭子  NPO法人参画プランニング・いわて理事長
 松下 光恵  静岡市女性会館 「アイセル21」館長
 野依 智子  国立女性教育会館研究国際室研究員

コメンテーター: 
 亀田 温子  十文字学園女子大学人間生活学部教授
 田中 雅文  日本女子大学人間社会学部教授

コーディネーター:
 西山恵美子  国立女性教育会館客員研究員

進行:
 千装 将志  国立女性教育会館事業課専門職員

・女性/男女共同参画センターのアクティブな情報発信を目指して

8月23日(金)15:30~17:30 101研修室

「情報は力」をキーワードに女性/男女共同参画センターは、ライブラリー、広報誌、ホームページなどを中心に情報発信をしてきました。今では誰もが携帯を持ち、ツイッター、フェイスブックなどソーシャル・メディアが日々進化しています。地域の男女共同参画拠点施設として、推進するために取り組むべき課題やセンターの事業情報は、人びとに届いているでしょうか。女性/男女共同参画センターのよりアクティブな情報発信が求められています。組織の情報戦略を一年かけて見直した取組、セミナー等の各種事業をホームページで効果的に発信している取組、社会的キャンペーンとしての災害復興支援への取組、ソーシャルネットワークを利用したDVのキャンペーンに取り組む海外の事例、NWECからも女性情報ポータル“Winet(ウィネット)”や災害復興支援女性アーカイブ等の新しい取組を紹介します。

報告者:
 天野 友貴   三重県男女共同参画センターグループリーダー
 黒澤あずさ   公益財団法人日本女性学習財団 学習事業課長
 森 未知    国立女性教育会館情報課専門職員

コーディネーター兼報告者:
 青木 玲子   国立女性教育会館客員研究員

・移民女性が抱える課題の解決に向けた地域における連携

8月23日(金)15:30~17:30  110研修室

第三次男女共同参画基本計画に「外国人女性が安心して暮らせる環境整備」が盛り込まれましたが、これまで地域の男女共同参画センター等を通じた取り組みは、主に日本人女性を対象にした事業やサービスの提供であり、移住女性に対する視点はほとんどありませんでした。一方、外国人の支援に取り組む国際交流協会では、女性の人権やジェンダー視点での取り組みは限られています。さまざまな機関・団体・者が連携して取り組みながら、地域で生活する外国人女性のニーズを把握し、対応していくことが求められています。
本ワークショップでは、男女共同参画センター、国際交流協会、外国人女性、大学、女性団体・NPO、市民などが、地域で暮らす外国人女性のニーズや課題にどのように答えていくのか検討します。国際交流協会の外国人相談員を対象とした女性相談の研修事例等、地域で関係機関や団体の連携による支援を進めていく際の課題や方策について話し合います。

報告者:
 加山 勤子     公益財団法人静岡県国際交流協会事業課長 
 井田ピムテープ  公益財団法人長野県国際化協会くらしのサポーター
 須藤 京子     浜松市男女共同参画推進センター(指定管理者)
             NPO法人浜松男女共同参画推進協会 副理事長
コーディネーター:
 吉田 容子    弁護士・立命館大学教授

進行:
 渡辺 美穂    国立女性教育会館研究国際室研究員

 国立女性教育会館は、昨年まで実施してきた「男女共同参画のための研究と実践の交流推進フォーラム」を見直し、8月22日(木)~24日に、新たに「男女共同参画推進フォーラム」を実施しました。
 行政、女性団体、NPO、大学、企業などの担当者が一堂に会し、課題の共有と課題解決のための方策を探ると同時に、組織分野を越え、連携・協働して男女共同参画を推進するためのネットワーク形成を図ることを目指して開催しました。

<基調講演>

「女性の活躍推進と社会の活性化」8月22日(木)13:15~14:45 講堂
講師:佐々木常夫 株式会社東レ経営研究所 特別顧問
 
少子高齢化という社会構造の大きな変化が進み、既存の価値観や社会システムの見直しがせまられる中、成長の原動力として、女性の活躍への期待が高まっています。開会後の基調講演では、ワーク・ライフ・バランス推進の第一人者でいらっしゃる佐々木常夫さんを講師にお招きしました。ご家族の介護、看病と仕事を両立されてきた佐々木さんの経験談なども交えながら、企業経営にダイバーシティが求められる背景とダイバーシティの推進による経営効果などを中心にお話いただきました。会場には、たくさんの方にご来場いただき、盛会のうちに終了しました。

基調講演「女性の活躍推進と社会の活性化」 基調講演「女性の活躍推進と社会の活性化」

<パネルディスカッション>

「女性の活躍推進と社会の活性化」8月23日(金)13:00~15:00 講堂
パネリスト(五十音順)
 佐藤良子 立川市大山自治会 会長
 藻谷浩介 株式会社日本総合研究所 調査部 主席研究員
 森川典子 ボッシュ株式会社 取締役副社長
コーディネーター
 野村浩子 日経BP社 日経マネー編集部 副編集長

 2日目のパネルディスカッションでは、野村浩子さん(日経BP社 日経マネー編集部副編集長)のコーディネートのもと、はじめに、加入率100%、孤独死ゼロも実現など行動派の運営で立川市の大規模団地の自治会を会長としてまとめている佐藤良子さんとアメリカ留学後、日本や海外の会計事務所や外資系企業でキャリアを積まれ、現在はボッシュ株式会社取締役副社長として活躍されている森川典子さんのこれまでの経験談、キャリア形成についてお話いただきました。そして、ベストセラーとなった『デフレの正体』や近著『里山資本主義』などのご著書もあり、人口成熟問題や地域振興などの分野で精力的に活躍されている藻谷浩介さんより、統計データに基づき、少子高齢化が進み、人口減少社会を迎える中で、今後、女性の活躍がますます求められることなどご発表いただきました。後半は、地域の自治会長も民間企業の管理職も、共に女性の参画が依然として少ない領域ですが、女性がトップに立つことにより、組織がどのように変化したか、後進のリーダーをどのように育てているかなど、パネリスト同士で活発な意見交換が展開されました。

パネルディスカッション「女性の活躍推進と社会の活性化」 パネルディスカッション「女性の活躍推進と社会の活性化」

<女性リーダーらんざん会議>8月24日(土)13:00~15:00 大会議室(本館2階)

パネリスト(五十音順)
 天野正子 東京家政学院大学 学長
 生越多惠子 株式会社ハウス オブ ローゼ 取締役 専務執行役員
 中川智子 宝塚市長
 日置真世 NPO法人地域生活支援ネットワークサロン 理事 事務局顧問
コーディネーター
 内海房子 国立女性教育会館 理事長

 最終日には、当会館理事長の内海房子のコーディネートのもと、「女性リーダーらんざん会議」をおこないました。大学の学長、企業の取締役、地方公共団体の首長、NPO活動といった各界で活躍されている女性リーダーの方々にパネリストとして、ご登壇いただきました。はじめに、おひとりずつ自己紹介を兼ねて、これまでのご経験やキャリアのあゆみなどを中心にお話いただきました。
おひとり目の中川智子さんは、子育て期に、学校給食を考える会を設立するなど地域活動を積み重ね、阪神・淡路大震災に際しては、ボランティア活動に奔走しました。震災後の1996年には、衆議院議員に立候補し、2003年まで衆議院議員として、国政の場で活躍されました。そして、2009年より宝塚市長として活躍中です。
 日置真世さんは、ご長女の障がいをきっかけに親の会の活動に携わり、生活当事者の視点から地域作りをめざしたNPO法人地域生活支援ネットワークサロンを立ち上げました。現在は、地元の釧路のみならず、全国各地で、「地域づくりを創造・発信する場づくり師」として、精力的に活動していらっしゃいます。
 生越多惠子さんは、新卒で就職した外資系のジョンソン株式会社を皮切りに、その後、株式会社ハウスオブローゼをはじめ、複数の企業に勤務した経験をお持ちでいらっしゃいます。転職をしながら、民間企業の中でキャリアを積み重ね、現在は、かつても勤務されていた株式会社ハウスオブローゼにて、取締役専務執行役員として活躍中でいらっしゃいます。
 最後にお話いただいた天野正子さんは、大学卒業後、高校の社会科教師を経て、28歳の時、大学院へ進学しました。大学院時代には、修士課程と博士課程で1人ずつ出産をし、それぞれ1年ずつ休学をしました。35歳で就職後は、6つの大学を異動され、現在、東京家政学院大学の学長として、活躍中でいらっしゃいます。天野さんからは、このようなご自身の経験もまじえながら、女性のキャリア形成は、一筋縄ではいかないことやロールモデルの大切さなどについてもお話いただきました。
後半は、パネリスト同士、自由に意見交換を行いました。フロアの参加者からも質問が寄せられ、3日間にわたる男女共同参画推進フォーラムの締めくくりにふさわしい充実したプログラムとなりました。

「女性リーダーらんざん会議」 「女性リーダーらんざん会議」

<ワークショップ・ポスター展示>

 3日間にわたり、「第3次男女共同参画基本計画」に示されている施策を参考に、以下7つのテーマを設定し、50件ワークショップ(全国からの応募によるもの44件、会館提供6件)と11件のポスター展示(全国からの応募による)を実施しました。

  • 女性のキャリア形成支援
  • 企業における女性の活躍推進
  • 大学における女性の活躍推進
  • 男性にとっての男女共同参画
  • 安全・安心と男女共同参画
  • 男女共同参画の地域づくり
  • 男女共同参画センターの役割

全国から応募のあった44件のワークショップでは、日頃の研究成果や実践活動についての報告、会場の参加者との質疑応答、協議などが行われました。

<会館提供ワークショップ>

会館提供ワークショップとしては、有識者と会館職員との協働や会館の研究成果発表として、次の6件のワークショップを実施しました。

≪ワークライフバランス2.0≫~業界団体、経営者団体、地方自治体を挙げた、働きがいのある職場作りに向けた取り組み~

8月22日(木)15:30 ~17:30 101研修室
 
コーディネーター:
渥美由喜 厚生労働省 政策評価に関する有識者会議委員 (株式会社東レ経営研究所 研究部長)

報告者:
橋本美穂 公益社団法人日本看護協会 労働政策部 部長
中本久美 大阪府中小企業家同友会 理事 (中小企業家同友会全国協議会会員)
市川 恵 静岡県健康福祉部こども未来局こども未来課少子化対策班 主査

進行:
森下敏広 国立女性教育会館事業課専門職員

ワーク・ライフ・バランス=『女性も男性も、ともに働きがいのある職場作り』は、すでに総論から各論、理念から実践の段階に入っています。最近、特に先進的な取組みは、一企業の枠を超えて広域連携、すなわち個別企業の取り組みという「点」から「線」、さらに「面」で進めているという特徴があります。
報告いただいた日本看護協会は、約15万人の看護業界団体です。職場環境調査をもとに、看護職確保定着推進事業や「看護職のワーク・ライフ・バランス推進ガイドブック」等を活用し、仕事と家庭生活との両立を図り、働き続けられる職場づくりへの取り組みを紹介しました。
中小企業家同友会は全国の約4,300名の企業家会員のもと、古くは1975年の「中小企業における労使関係の見解」から経営者と従業員の働き方についての提唱を行ってきました。近年のワーク・ライフ・バランスの研修会やシンポジウムを積極的に取り入れ、「社員が会社に誇りを持ち、働き続けたくなる会社にしていくこと」への取り組みが紹介されました。
地方自治体からは、静岡県が県内経済4団体の協力を得て、安心して子育てしながら働ける企業を発掘し、「企業子宝率」といった指標も取り入れ企業の取り組みを発信する工夫などが紹介されました。
最後は、コーディネーターの渥美由喜さんの「ワーク・ライフ・バランスは生き方を考えることであり、誰もがこの会社で働いて良かった、この組織で働いて良かったと思える職場作りである」とのコメントで締めくくられました。

地域人材・団体の実践活動に学ぶ

8月22日(木)15:30 ~17:30 110研修室  

報告者:
松島信子 美幌町自治会女性部部長
佐藤恵子 NPO法人青森県男女共同参画研究所
林真麻  NPO法人青森県男女共同参画研究所
前田陽子 ハミングフォーラム習志野代表
植松礼子 ハミングフォーラム習志野
井狩洋子 野洲市男女共同参画プランやす協働委員会(参画やす)会長

進行: 
引間紀江 国立女性教育会館事業課専門職員

このプログラムは、平成24年度まで実施していた「交流学習会議」を発展させた内容になっており、地域での男女共同参画推進のために日頃から実践活動を行っている個人・団体による事例報告と参加者同士のディスカッションを通して、日頃の実践と学びをつなげ、循環することを目指しました。
  まず、学習活動を生かし地域の実践につなげた事例として、松島信子さんより国内視察研修修了生で組織された「美幌町らんざんの会」メンバーによる、地域の女性リーダーとしての活動、林真麻さんと佐藤恵子さんからは、子育て中の気づきと出会いから、同じ立場の女性へ向けた「しあわせ♡未来予想図」の講座開講と修了生のネットワークへと発展していくプロセスが報告されました。
  後半は行政との連携をテーマとして、前田陽子さんと植松礼子さんによる団体発足の経緯、他市の市民とも連携し作成した「防災・避難所ノート」など地域課題をふまえた市への提言と協働事業の実施や今後の方向性や課題について、井狩洋子さんからは「参画やす」の活動概要と行政との協力・連携体制、広く市民に呼びかけて活動をする団体設立の難しさや農業・自治会・職業分野における男女共同参画の推進についての実践活動報告が行われました。前半と後半の報告の後には、参加者同士で事例を踏まえての意見・感想などを共有し合う時間を設け、短いながらも活発な意見交換の場となりました。
参加者からは「他市の活動を知ることで自分たちの活動に参考になった。」「行政との連携が等の感想が寄せられました。

第57回国連女性の地位委員会(CSW)報告会

8月23日(金)10:00~12:00 101研修室

報告者:
橋本ヒロ子  第57回国連女性の地位委員会日本政府代表・十文字学園女子大学教授、十文字中学・高等学校 校長
別府充彦   内閣府大臣官房審議官(男女共同参画局担当)
青木玲子   国立女性教育会館客員研究員
赤嶺良子   国立女性教育会館情報課専門職員

コーディネーター:
越智方美   国立女性教育会館研究国際室専門職員

国連女性の地位委員会(CSW)は、政治・市民・社会・教育分野等における女性の地位向上に関し、毎年テーマを決めて国連本部(ニューヨーク)で開催されています。
第57回CSW は2013年3月4日から15日まで「女性及び女児に対するあらゆる形態の暴力の撤廃と防止」を優先テーマとして開催されました。本ワークショップでは、CSW参加者による委員会期間中に採択された合意結論や各国代表や国連の関係機関、NGO代表等によるサイドイベントやパラレルイベントについての報告をおこないました。合意結論にいたるまでの経緯やNGOの活動についての報告に加え、第56回CSWで日本政府が提案した、「自然災害とジェンダー」決議の意義や、CSWに関する情報収集の具体的な方法について紹介しました。

キャリア開発学習プログラムを考える~今、求められる企画・運営力~

8月23日(金)10:00 ~12:00 208研修室

講師:      
神田道子   国立女性教育会館前理事長・客員研究員

事例発表者:   
平賀圭子   NPO法人参画プランニング・いわて理事長
松下光恵   静岡市女性会館館長
野依智子   国立女性教育会館研究国際室研究員

コメンテーター: 
亀田温子   十文字学園女子大学人間生活学部教授
田中雅文   日本女子大学人間社会学部教授

コーディネーター:
西山恵美子  国立女性教育会館客員研究員

進行:
千装将志   国立女性教育会館事業課専門職員

キャリア形成学習プログラムについて、大学、企業、地域などで関心、要望は高いもののその内容については、男女共同参画の視点があいまいである、How toに偏りがちになる、といった点が見受けられます。本ワークショップは、そうした課題意識から①キャリア形成プログラムの内容・方法②プログラムを企画、運営する人材育成を考え合う機会として実施しました。
 最初に、講師よりまず共通に基本となる考え方として、キャリアをどう捉えるのか、キャリアを個人の生涯発達と同時に社会への影響を考えることが重要であること、キャリア「形成」からより積極的、主体的なキャリア「開発」の視点への移行についてなどの講義がありました。
 3人の事例報告者からは「越谷市男女共同参画支援センターほっと越谷」の実施したプログラムの企画準備から終了後のフォローアップなどプログラム企画と職員の役割」「静岡女性会館が実施した若い女性対象の対象者のニーズを捉えた事業と職員の力量形成のための研修の取組み」「NPO法人参画プランニング・いわての運営を通して職員が企画・運営力をつけていくために重要な体制・仕組み作り」など、それぞれ報告がなされました。そして、報告を踏まえ2人のコメンテーターからプログラム企画・運営に関わる専門性を持つ人材の必要性や人材育成の重要性、社会的な役割活動の重要性や学習の見える化などについての指摘がなされました。大勢の参加者で会場は埋まり、質疑応答の時間でも活発な質問、意見が出されるなど、盛会のうちにワークショップは終了しました。

女性/男女共同参画センターのアクティブな情報発信を目指して

8月23日(金)15:30~17:30 101研修室

報告者:
天野友貴  三重県男女共同参画センターグループリーダー
黒澤あずさ 公益財団法人日本女性学習財団学習事業課長
森 未知  国立女性教育会館情報課専門職員

コーディネーター兼報告者:
青木玲子 国立女性教育会館客員研究員

「情報は力」をキーワードに女性/男女共同参画センターは、ライブラリー、広報誌、ホームページなどを中心に情報発信をしてきました。今では誰もが携帯を持ち、ツイッター、フェイスブックなどソーシャル・メディアが日々進化しています。
 本ワークショップでは、三重県男女共同参画センターのセミナー等の各種事業をホームページや新聞折り込み等で効果的に発信している取組、日本女性学習財団の組織の情報戦略を一年かけて見直した取組、海外のソーシャルネットワークを利用したDVのキャンペーンに取り組む事例、社会的キャンペーンとしての災害復興支援への取組、NWECからは女性情報ポータル“Winet(ウィネット)”や災害復興支援女性アーカイブ等の新しい取組の報告をおこない、男女共同参画拠点施設として、課題解決に向けたセンターの情報発信について考えました。

移民女性が抱える課題の解決に向けた地域における連携

8月23日(金)15:30~17:30  110研修室

報告者:
加山 勤子  公益財団法人静岡県国際交流協会事業課長 
井田ピムテープ 公益財団法人長野県国際化協会くらしのサポーター
須藤京子     NPO法人浜松男女共同参画推進協会副理事長、NPO法人浜松外国人子ども教育支援協会理事長

コーディネーター:
吉田容子    弁護士・立命館大学教授

司 会:     
渡辺美穂  国立女性教育会館研究国際室研究員

第三次男女共同参画基本計画に「外国人女性が安心して暮らせる環境整備」が盛り込まれました。本ワークショップでは、さまざまな機関・団体・個人が連携して取り組みながら、地域で暮らす外国人女性のニーズや課題にどのように答えていくことができるのか参加者と一緒に考えました。
まず、日本の外国人居住者の概要と地域の男女共同参画センターの外国人女性に関わる取組状況について説明がありました。その次に、静岡県国際交流協会の外国人相談員を対象にした女性相談研修の取組、長野県の在住外国人を支援する相談活動や外国人住民自身による活動、浜松市のNPOによる子どもの日本語学習支援や男女共同参画センターによる今後の可能性について3名の報告者が発表しました。
その後、日本語学習支援者、女性団体、コミュニティー新聞記者、教員などさまざまな活動をおこなっている参加者に事例報告者も加わってグループ別に話し合いました。会館の調査研究メンバーがファシリテーターとなり、地域における問題と原因、その解決に向けて必要な支援や学習、関係機関の連携の必要性について討議し、その結果をグループ別に発表しました。
法制度レベル、個別的支援レベル、関係機関連携などの課題や実践について活発な話し合いが行われ、参加者からは「具体的な実践事例が大変参考になった」、「さまざまな分野の連携を強化したい」などの感想が聞かれました。

会館提供ワークショップ「移民女性が抱える課題の解決に向けた地域における連携」パネリストによる報告 会館提供ワークショップ「移民女性が抱える課題の解決に向けた地域における連携」パネリストによる報告

会館提供ワークショップ「移民女性が抱える課題の解決に向けた地域における連携」グループワーク 会館提供ワークショップ「移民女性が抱える課題の解決に向けた地域における連携」グループワーク

 参加者アンケートには、「全国から、多くの方が参加され、情報交換等、有意義なフォーラム内容だったと思います。自分の活動のヒントをいただきました」、「中身の濃いフォーラムでどこに行っても、大変勉強になり、帰ってからの活動に大きな力となります」などの感想をいただきました。

研修・イベント