研修・イベント

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実施報告

平成30年度アーカイブ保存修復研修(基礎コース)+(実技コース)

開催期間:平成30年11月20日(火)~11月22日(木) / 定員:基礎コース:30名 /実技コース:20名/オプション:20名

開催場所:国立女性教育会館(基礎・実技)(株)資料保存器材(オプション)


国立女性教育会館では、女性の歴史を今に生かし、未来につないでいくために、女性に関わる原資料(女性アーカイブ)の保存と活用に取り組んでいます。
その活動の一環として、アーカイブの保存や整理について新しい情報をお求めの方や、これから業務にとりくむ方のために、平成21年度からアーカイブ関連の研修を実施しています。
平成30年度は、アーカイブの作成や保存に関する講義・活用報告・実践報告と、参加者によるグループ別の話し合いを行う基礎コース、そして資料の保存修復を実習形式で学んでいただく実技コースを開催します。
女性アーカイブの保存・提供に携わる実務者の方、大学・機関等の図書館職員の方のご参加をお待ちしております。

<募集人員>
① 基礎コース:30名
② 実技コース:20名(定員のためキャンセル待ち)
* オプション(工房見学):20名


1.期  日

平成30年11月20日(火)~11月22日(木)
① 基礎コース:11月20日(火)午後~11月21日(水)午前 1泊2日
② 実技コース:11月21日(水)午後~11月22日(木)午前 1泊2日
・ オプション:11月22日(木)午後

・基礎コースのみ、実技コースのみ、基礎・実技通しての参加、いずれも可能です。
・基礎コースは1日のみの参加も可能です。
・オプションは全日参加の方を優先とします。
・研修ご参加の方は国立女性教育会館に1泊1,200円でご宿泊いただけます。

2.募集人員

女性関連施設職員・地域女性史編纂関係者などアーカイブの保存・提供に携わる実務者の方、大学・機関等の図書館職員の方

① 基礎コース:30名
② 実技コース:20名 (定員のためキャンセル待ち)
* オプション(工房見学):20名

3.日程・内容

【基礎コース・1日目】11月20日(火)

受付(12:45~13:00)
(1)開会・挨拶・オリエンテーション(13:00~13:10)
                  
(2)アーカイブと著作権(13:10~14:00)
アーカイブに関わる著作権や最新の法改正などについて学びます。
講師:文化庁著作権課 渡辺優加

(3)アーカイブ活用報告(14:00~14:50)
女性史研究の立場からのアーカイブ活用事例について学びます。
講師:女性史研究者 永原紀子

(4)アーカイブ実践報告(15:00~15:50)
法政大学大原社会問題研究所における実践事例について学びます。
講師:法政大学大原社会問題研究所教授 榎一江

(5)ディスカッション(16:00~17:00)
講師も交えてグループ別にディスカッションを行います。

(6)女性教育情報センター、女性アーカイブセンター見学(17:15~17:45、希望者のみ)

(7)情報交換会(19:30~20:30、希望者のみ)
参加者相互の情報交換やネットワークづくりの場を提供します。

【基礎コース・2日目】11月21日(水)

(8)国立国会図書館資料デジタル化の手引について(9:00~9:55)
デジタル化手引2017年版や国立国会図書館の実例を学びます。
講師:国立国会図書館関西館電子図書館課 村松克洋

(9)女性アーカイブセンター10周年(9:55~10:50)
当館女性アーカイブセンターの10年を振り返り、女性アーカイブについて学びます。
講師:国立女性教育会館情報課客員研究員 青木玲子

(10)国立公文書館におけるデジタルアーカイブについて(11:00~11:55)
国立公文書館におけるデジタルアーカイブの実践事例を学びます。
講師:国立公文書館業務課 髙杉美里

閉会(11:55~12:00) 

【実技コース・1日目】11月21日(水)

受付(13:15~13:30)

(1)開会、オリエンテーション(13:30~13:35)

(2)紙資料の修復関連実習①(13:35~17:00)
コンサベーション・バインディングの実習を通して、図書資料の構造を理解し、受講者が補修を行う際に役立つ知識や技術を学びます。
講師:(株)資料保存器材 伊藤美樹、高田かおる

【実技コース・2日目】11月22日(木)

(3)紙資料の修復関連実習②(9:00~11:00)
1日目の実習の続きを行います。
講師:(株)資料保存器材 伊藤美樹、高田かおる

(4)質疑応答(11:00~11:55)
実習や日頃の補修作業での疑問や課題について質問する時間を設け、情報共有を図ります。
講師:(株)資料保存器材 伊藤美樹、高田かおる

閉会(11:55~12:00)

【オプション】11月22日(木)

(1)(株)資料保存器材見学会(15:00~17:00)
東京・駒込に移動し、全国から集まるアーカイブ資料の保存修復の作業現場を見学します。研修に全日ご参加いただける方のお申込を優先とします。

4.主  催

独立行政法人国立女性教育会館

5.後  援

株式会社資料保存器材

6.会  場

基礎コース・実技コース
国立女性教育会館(東武東上線武蔵嵐山駅徒歩12分)
〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728番地

* オプション(工房見学)
株式会社資料保存器材(JR駒込駅、東京メトロ南北線駒込駅・本駒込駅、都営三田線千石駅より徒歩10分)
〒113-0021 東京都文京区本駒込2-27-16富士前ビル2F

7.経  費  

(1)参加費 ①基礎コース:無料 ②実技コース:材料費2,000円
(2)宿泊費 1泊1,200円(前・後泊とも同額)
(3)食費  朝食 バイキング    870円
       昼食 カフェテリア形式 550円~800円程度
       夕食 バイキング   1,080円
(4)情報交換会費  1,000円(希望者のみ。軽い飲食物をご用意します)

8.申込み手続

(1)方 法
下記①または②のいずれかにてお申し込みください。
①電子メール:このページ上部に掲載の「申込書」に入力し、ファイル添付にて送信
(メール本文に必要事項を記入しての送信も可)。
②FAX:ホームページ掲載の申込書様式に記入の上送信
(様式がなければ必要事項を記入した紙でも可)
    
(2)期 限
平成30年11月12日(月)
*定員を超えた場合は、期限前に締め切ることもあります。

お申込み・お問い合わせ先

国立女性教育会館情報課 (担当・鴫[しぎ]、星野)
〒355−0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728

電話 0493-62-6728
FAX 0493-62-6721
E-mail infodiv@nwec.jp

平成30年11月20日(火)~11月22日(木)の3日間にわたり、「アーカイブ保存修復研修(基礎コース)+(実技コース)」を実施しました。「基礎コース」には28名、「実技コース」は25名の参加がありました。「基礎コース」ではアーカイブの基礎に関する講義や実例報告を行い、「実技コース」では紙資料の保存・修復の実習を行いました。

11月20日(火)
<基礎コース 1日目>

【アーカイブと著作権】

渡辺氏は、文化庁著作権課 著作物流通推進室 企画調査係 主任として、著作権制度の運用に関する業務に従事しておられます。この講義では、アーカイブに関わる著作権や最新の法改正などについてご説明いただきました。

講師:渡辺優加氏

【アーカイブ活用報告】

永原氏は、「女性の歴史研究会」のメンバーとして共同研究をしてこられました。これまでに折井美耶子・女性の歴史研究会編著で、ドメス出版より出版された『新婦人協会の研究』(2006)や『女たちが立ち上がった—関東大震災と東京連合婦人会』(2017)では、活動記録や年表も担当し、その資料の整合性の検証をされました。この講義では、「女性の歴史研究会」を代表して、メンバーの活動をまとめて紹介いただき、女性史研究においてアーカイブ資料がどのように活用されるのか、お話しいただきました。

講師:永原紀子氏

【アーカイブ実践報告】

榎氏は、法政大学大原社会問題研究所教授として、日本労働史をご専門とされています。今年3月に出版された『戦時期の労働と生活』では編著をご担当されています。大原社会問題研究所は、1919(大正8)年に設立され現在東京都町田市の法政大学多摩キャンパスにあり、社会科学分野ではわが国で最も古い歴史を持つ研究所です。社会労働問題関係図書をはじめ、貴重書、ビラ・チラシなどの原資料、ポスター・写真・バッジなどの現物資料などを多数所蔵されています。この講義では、法政大学大原社会問題研究所における資料の修復・保存・公開などの実践事例についてお話しいただきました。

講師:榎一江氏

【ディスカッション】

日常の業務で困っていることやその解決方法、講義で参考になった点について、講師も交え自由にディスカッションを行いました。

ディスカッションの様子

女性教育情報センター、女性アーカイブセンター、女性アーカイブセンター展示室見学

NWEC情報課職員の案内により、女性教育情報センター、女性アーカイブセンター、女性アーカイブ展示室の見学を行いました。(希望者のみ)

情報交換会

参加者全員による自己紹介ののち、軽食をとりながら自由歓談にて交流をさらに深める情報交換が行われました。 (希望者のみ)

情報交換会の様子

11月21日(水)
<基礎コース 2日目>

【国立国会図書館資料デジタル化の手引について】

村松氏は、京都府にあります国立国会図書館関西館 電子図書館課 資料電子化係で資料デジタル化などの業務に従事しておられます。この講義では、「国立国会図書館資料デジタル化の手引き 2017年版」や国会図書館のデジタル化の実例についてご説明いただきました。

講師:村松克洋氏

【女性アーカイブセンター10周年】

青木氏は、東京都の施設である東京ウィメンズプラザの図書資料室で長年勤務したのち、現在は当館情報課の客員研究員として国内外で活動中です。当館の女性アーカイブセンターには2008年の設立時から参画しており、資料の構成にも深く関わっています。この講義では、女性アーカイブセンターの10年を振り返り、女性アーカイブについてお話しいただきました。

講師:青木玲子氏

【国立公文書館におけるデジタルアーカイブについて】

髙杉氏は、国立公文書館の業務課デジタルアーカイブ係長として、国立公文書館デジタルアーカイブの運用などの業務に従事しておられます。この講義では、国立公文書館におけるデジタルアーカイブの実践事例についてお話しいただきました。

講師:髙杉美里氏

<実技コース 1日目>

【紙資料の修復関連実習1】

伊藤氏と高田氏は、株式会社資料保存器材にお勤めで、資料の修復を専門に担当されているスペシャリストです。本研修では2日間にわたって、紙資料を修復する様々な技術や知識をご教示、ご指導いただきました。

講師:伊藤美樹氏

11月22日(木)
<実技コース 2日目>

【紙資料の修復関連実習2】

1日目にひき続き、紙資料を修復する様々な技術や知識をご教示、ご指導いただきました。実習後には質疑応答も行われました。

講師:高田かおる氏

オプション

東京都の株式会社資料保存器材にて、全国から集まるアーカイブ資料の保存修復の作業現場を見学しました。(希望者のみ)

見学の様子

参加者アンケートから
基礎コース

・アーカイブという漠然としたイメージがいろいろな方面からの講義で少し具体的になり、これからの実務に活かせる参考になる部分が多くありました。
・多様な観点から資料を見る目を養うことができたと感じます。
・各コマに特色があり充実した内容でした。

実技コース

・実際に手を動かすことで、本の構造がよく理解できました。
・作業説明が一段階ごとになされ、時間も十分にとられていたので、分かりやすく作業しやすかったです。
・ゆっくり丁寧に教えていただけました。質問もしやすかったです。

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