研修・イベント

研修

実施報告

令和3年度「女性アーカイブ研修」

開催期間:令和4年1月28日(金)、令和4年2月2日(水)~3月2日(水) / 定員:ライブ配信 40名程度(最大100名まで)、オンデマンド配信:定員なし

開催場所:オンライン /


事業内容

国立女性教育会館では、女性の歴史を今に生かし、未来につないでいくために、女性に関わる原資料(女性アーカイブ)の保存と活用に取り組んでいます。
その活動の一環として、アーカイブの保存や整理について新しい情報をお求めの方や、これから業務にとりくむ方のために、平成21年度から名称・形態を模索しつつ、アーカイブ関連の研修を実施してきました。平成28~令和2年度の第4期中期計画期間の名称は「アーカイブ保存修復研修」でしたが、今年度第5期中期計画の開始にあたって、あらためて女性アーカイブ所蔵機関に役立つ知識・情報を学び、ネットワークの形成に資する研修とするために、名称を「女性アーカイブ研修」としてオンラインで開催します。

1.実施方法及び期日・期間

参加者と公開期間を限定したZoom及びYouTube(NWEC Channel)によるオンライン配信。
  Zoomによるライブ配信 期日 令和4年1月28日(金)10:30~16:30
  YouTubeによるオンデマンド配信(期間中、参加者の都合に合わせていつでも視聴できます。)
   オンデマンド配信期間:令和4年2月2日(水)~令和4年3月2日(水)

※ライブ配信のワークショップへのご参加は、以下の環境が必要になります。
 ・インターネットに接続できるパソコンまたはタブレット(スマートフォンは不可)
 ・使用する端末にカメラ・マイクの機能があること(外付けも可)
※インターネットに接続できるパソコン環境(タブレット、モバイル端末も可。モバイル端末の場合はZoomアプリをインストールしてください)が必要です。また、通信料は御自身の負担となります。
※オンデマンド配信のみの視聴を希望される場合も申込が必要です。また、オンデマンド配信では質疑応答には参加できませんので、あらかじめ御了承ください。

2.対象及び定員

女性関連施設職員・図書館・文書館の実務担当者、地域女性史編纂関係者
ライブ配信参加者 40名程度(最大100名まで)
*オンデマンド配信のみの視聴者に定員はありません。

3.研修の流れ

4.内容

オリエンテーション

10:30-10:35


(1)女性史・ジェンダー史資料の収集と研究—「性差(ジェンダー)の日本史」展から考える—
10:35-12:05

2020年10~12月に開催された国立歴史民俗博物館の企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」は、ジェンダーを本格的に取り上げた初めての展示として、様々なメディアで取り上げられ、図録の増刷、新書版も作られるなど、大きな反響を呼びました。展示の準備段階で研究された海外の取組や、本展示の構想、実施、反響についてお話しいただき、今後のジェンダーに関する史資料の活用に向けて学びます。

 講師:国立歴史民俗博物館名誉教授 横山 百合子氏

(2)アーカイブ実践報告 1:ガールスカウト日本連盟
13:15-13:45

ガールスカウトは「少女と若い女性の可能性を最大限に伸ばす」ことを目指し世界中で活動しています。日本では1920年に英語教師によって運動が始まり、2020年に100周年を迎えました。100周年特設ウェブサイト、100年誌の制作を中心に、アーカイブの実践をご報告いただきます。

 講師:ガールスカウト日本連盟 社会連携グループ長 宮岡 広子氏

(3)アーカイブと著作権
13:45-15:00

アーカイブ資料の複写・撮影・デジタルデータ公開等に関わる著作権について、最新動向を含め解説いただきます。

 講師:三村小松山縣法律事務所 澤田 将史氏

(4)アーカイブ実践報告 2:立教大学共生社会研究センター
15:15-15:45

立教大学共生社会研究センターは、国内外における多様な市民の社会活動に関する資料を収集・公開し、それに基づく実証研究を通じて持続可能な共生社会の実現に資することを目的として、2010年4月に設立されました。所蔵する女性アーカイブ資料「練馬母親連絡会」を素材に、アーカイブ資料の整理・提供の実践をご報告いただきます。

 講師:立教大学共生社会研究センター 平野 泉氏

(5)オンライン交流会・ワークショップ:アーカイブ資料を使ってみよう(ライブ配信・希望者のみ)
15:45-16:30

オンラインでご参加の皆さまと、立教大学共生社会研究センター「練馬母親連絡会」の資料のひとつ、社会教育全国集会で行った構成劇の台本を使って、交流します。アーカイブ資料を使って何ができるか、実践してみましょう。

 ファシリテーター:立教大学共生社会研究センター 平野 泉氏

5.申込方法


(1)方法・期限

下記申込フォームより、1月23日(日)17:00までにお申込みください。
*オンデマンドのみの場合もお申込みは必要です。

(2)参加通知・キャンセル

申込フォーム記載の連絡先に、Eメールにてお知らせします。参加決定後にキャンセルされる場合は、お手数おかけしますが、必ず情報課までEメール又は電話にて御連絡ください。
Eメール:infodiv@nwec.jp
電話:0493-62-6195 平日9~17時

参加費

無料(通信料は御自身の負担となります。)

お問い合わせ

国立女性教育会館情報課
〒355−0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728

電話 0493-62-6195
E-mail infodiv@nwec.jp

令和4年1月28日(金)のライブ配信、その後、2月2日(水)~3月2日(水)の1か月のオンデマンド配信で、「女性アーカイブ研修」を実施しました。ライブ配信は19名が参加、オンデマンド配信は120名のお申込みがありました。

【女性史・ジェンダー史資料の収集と研究—「性差(ジェンダー)の日本史」展から考える—】

大きな反響を呼んだ国立歴史民俗博物館の企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」について、展示の準備段階で研究された、世界の博物館におけるジェンダーへの取り組みや展示の事例をご紹介いただきました。
そして、「性差(ジェンダー)の日本史」展で展示した各時代の資料について、既知の資料、新たな資料にジェンダーの光を当てるということはどういうことなのかを、詳しくお話しいただきました。

講師:横山百合子氏(国立歴史民俗博物館名誉教授)

【アーカイブ実践報告 1:ガールスカウト日本連盟】

日本のガールスカウト運動は2020年に100周年を迎えました。100周年特設ウェブサイト、100年誌について、テーマ・目的、コンセプト、制作体制、スケジュール、苦労した点、今後の課題などを具体的にお話しいただきました。

講師:宮岡広子氏(ガールスカウト日本連盟事務局社会連携グループ長)

【アーカイブと著作権】

押さえておくべき基礎知識から、複写・デジタル化・展示などについてのアーカイブに関する権利制限規定、複雑怪奇な保護期間、新型コロナウイルス感染症の流行に伴うインターネットを通じた図書館資料へのアクセスの充実が図られた令和3年著作権法改正について、実践的に分かりやすく教えていただきました。

講師:澤田将史氏(三村小松山縣法律事務所)

【アーカイブ実践報告 2:立教大学共生社会研究センター】

立教大学共生社会研究センターでは、多様な市民の社会活動に関する資料を所蔵しています。所蔵する女性アーカイブズ「練馬母親連絡会資料」を基に、受贈の経緯、構造と内容、整理と目録、資料の魅力や具体的な利用についてお話しいただきました。

【オンライン交流会・ワークショップ:アーカイブ資料を使ってみよう(ライブ配信・希望者のみ)】

「練馬母親連絡会」構成劇「練馬の住民運動と社会教育」の台本の一部を輪読した後、各参加者の所属するアーカイブについて紹介いただき、交流しました。

参加者アンケートから
ライブ配信参加者

・基調講演、著作権について、事例報告やワークショップと、さまざまな角度から、女性アーカイブについての理解を深めることができる研修だった。
・どの講義も大変充実していました。ワークショップは楽しくも多くの気づきがありました。交流会はリアルにお会いしたいと思う方々ばかりでCOVID-19の収束を祈ります。

オンデマンド配信参加者

・各講義が、たいへん実践的で勉強になる内容でした。地方自治体の小さなチームで働いているので、他の組織の活動事例を知ることができ、たいへん刺激になり、またとても励まされました。
・アーカイブズの選別収集を行う業務の視点として、女性アーカイブズとは何か、女性が作成・継承してきた記録を意識的に見ていくことが必要と感じた。

研修・イベント