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実施報告

令和6年度「女性アーカイブ研修」

開催期間:令和7年1月14日(火)10:45~12:05、1月15日(水)13:15~16:45 (Zoomミーティングによるライブ配信) / 定員:ライブ配信:40名程度、オンデマンド配信:定員なし

開催場所:国立女性教育会館 /


1.趣 旨

国立女性教育会館では、女性の歴史を今に生かし、未来につないでいくために、女性に関わる原資料(女性アーカイブ)の保存と活用に取り組んでいます。
その活動の一環として、アーカイブの保存や整理について新しい情報を求める方や、これから業務に取り組む方のために、アーカイブ関連の研修を実施してきました。
女性アーカイブ所蔵機関に役立つ知識・情報を学び、ネットワークの形成に資する研修として、オンラインで開催します。

2.主 催

独立行政法人国立女性教育会館

3.日 時

令和7年1月14日(火)10:45~12:05、1月15日(水)13:15~16:45
(Zoomミーティングによるライブ配信)
 下記期間中、当日の録画をオンデマンド配信(YouTube、参加者限定公開)します。
  令和7年1月23日(木)~令和7年2月24日(月・祝)

4.対象・定員

女性関連施設・図書館・文書館の実務担当者、地域女性史編纂関係者

ライブ配信 40名程度(最大100名まで)
※ライブ配信の情報交換会へのご参加は、以下の環境が必要になります。
 ・インターネットに接続できるパソコンまたはタブレット(スマートフォンは不可)
 ・使用する端末にカメラ・マイクの機能があること(外付けも可)

オンデマンド配信
・定員はありません。
 ※オンデマンド配信のみの視聴を希望される場合も申込が必要です。
  また、オンデマンド配信では質疑応答には参加できませんので、あらかじめ御了承ください。

5.内 容

1月14日(火)

オリエンテーション                            10:45-10:50

「図書館史から女性を見出す・女性情報の歴史を学ぶ」             10:50-12:05
2024年に刊行された『女性と図書館』より、近代日本の図書館史からこぼれ落ちた、婦人閲覧室を利用した女性、図書館職場に進出した女性たちを探し出した経験と、1970年代以降の国際的な女性の地位向上に関わる政策や運動により収集・提供が始まった女性情報の歴史について学びます。

講師:青木玲子氏(国立女性教育会館元客員研究員)

1月15日(水)

アーカイブと著作権                            13:15-14:30
アーカイブ資料の複写・撮影・デジタルデータ公開等に関わる著作権について、最新動向を含め解説いただきます。

講師:澤田将史氏(高樹町法律事務所弁護士)

アーカイブ実践報告 1:東北大学史料館                   14:45-15:15
東北大学史料館では2023年に、女子大生誕生110周年・文系女子大生誕生100周年記念展示「日本初の女子大生─黒田チカから1世紀のあゆみ—」を開催し、同年、日本初の女子大生のアーカイブとしては、国内でもっとも充実したコレクションの一つとなる「黒田チカ資料」を公開されました。この取り組みについて、ご報告いただきます。

講師:加藤諭氏(東北大学史料館 教授)

アーカイブ実践報告 2:地域女性史研究会                  15:15-15:45
地域女性史研究会は2014年3月に創立された地域女性史研究に特化した全国規模の個人会員による研究組織です。この度の10周年記念事業では①会報合本『地域女性史研究会会報-ここに生き ここを超える-』を刊行し、②会誌『地域女性史研究』第4号では研究論文・研究ノートに加え「10周年特集・会員の声」として「私と日本国憲法」「私と女性史」を掲載しました。創立の歩みと取り組み、研究成果と史資料保存、研究文献目録作成の展望についてご報告いただきます。

講師:山村淑子氏(地域女性史研究会代表)

オンライン情報交換会(ライブ配信・希望者のみ)              15:45-16:45
女性アーカイブ所蔵機関同士での情報交換を行います。
*このプログラムでは、参加者名簿(氏名・所属機関・都道府県)を共有します。

6.申込方法等

(1)申込方法(※申し込みを締め切りました)
 *申込フォーム送信後、お申込み完了の通知メールが届きます。
 *同一のメールアドレスから複数名の申込はできません。
 *参加決定通知や資料等はメールで送付します。外部からのメールが受信できるアドレスを入力してください。

(2)申込期間
 令和6年12月10日(火)~令和7年1月9日(木)

(3)参加通知
 「申込フォーム」記載の連絡先に、メールでお知らせします。
 *1月10日(金)を過ぎても連絡がない場合やキャンセルする場合は、情報課まで御連絡ください。

7.参加費

無料(通信料は御自身の負担となります。)

8.研修の流れ

申込みから研修当日、アンケート提出までの流れ

9.その他

(1)プログラムの変更・中止
 感染症、気象状況、天災、官公庁からの指示、その他主催者が研修を安全かつ円滑に実施することが困難と判断した場合、プログラムの一部又は全部を変更、中止する可能性があります。なお、情報は随時、NWECホームページでお知らせします。

(2)広報
 研修期間中に職員が撮影した写真を、事業記録や広報のために使用することがあります。あらかじめ御了承ください。

(3)フォローアップ調査の実施
 研修終了6か月後を目途にフォローアップ調査を実施します。研修成果が実際の職務や活動に、どのように役立てられているかを伺うものです。御協力をお願いいたします。

10.問合せ先

独立行政法人国立女性教育会館情報課
 〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
 TEL:0493-62-6195 (平日9:00~17:00)
 Eメール:infodiv@ml.nwec.go.jp

令和7年1月14日(火)・15日(水)にライブ配信、その後1月23日(木)~2月24日(月・祝)までオンデマンド配信を行いました。158名のお申込みがあり、ライブ配信には14日16名・15日21名(両日6名)が参加しました。

「図書館史から女性を見出す・女性情報の歴史を学ぶ」

著書『女性と図書館』執筆にあたり、明治から昭和にかけての婦人閲覧室に関する資料をどのように探したか、その史資料から見えてくる女性利用者像や図書館が提供する図書と女性たちのニーズの乖離等の図書館史における女性についてと、1970年代以降の国際的な女性の地位向上に関わる政策や運動により収集・提供が始まった女性情報の歴史についてお話しいただきました。

講師:青木玲子氏(国立女性教育会館元客員研究員)

アーカイブと著作権

アーカイブ資料を扱う上で重要な著作権について、基本的な知識から注意する点、最新の未管理著作物裁定制度まで幅広くご解説いただきました。

講師:澤田将史氏(高樹町法律事務所弁護士)

アーカイブ実践報告 1:東北大学史料館

東北大学では、1913年に日本初の女子大生3名が誕生しました。なぜ東北大学が日本で初めて女子大生の入学を認めたのか、女子大生たちの入学までの経緯とその後を、東北大学史料館所蔵のアーカイブ資料とともにご説明いただきました。

講師:加藤諭氏(東北大学史料館 教授)

アーカイブ実践報告 2:地域女性史研究会

1960年代末からの全国各地での自主的な歴史学習活動と女性史の編纂の実践という地域女性史の活動を振り返り、東日本大震災後の研究動向の変化等により2014年に創設した「地域女性史研究会」について、10周年の記念事業や課題となっている研究成果の普及・保存の問題、今後の展望についてお話ししいただきました。

講師:山村淑子氏(地域女性史研究会代表)

オンライン情報交換会

地域女性史の研究者、ウーマンリブの活動に携わり資料の保存について考えている方、図書館でデジタルコレクションに携わっている方などが参加し、資料を残す実践や課題について共有しました。

参加者アンケートから

・図書館史や女性初の大学生等、興味深い内容だった。
・歴史的側面、法律論の講義パートと実践報告のパートとで構成されていてバランスがよく、女性情報をめぐる歴史、広く女性運動に関して様々な立場、視点から学ぶことができた。
・資料を残すことの価値を知ることができた。現在はなんでもデジタルで残すことができるが、これまでの資料を残してきた方々の努力が見えた。
・アーカイブ資料の歴史的価値や作成するうえでの注意点などについて理解を深めることができた。
・アーカイブ資料を利用した具体的な調査・研究を知ることができた。また、調査・研究に関わる著作権についても知ることができた。

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