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実施報告

令和5年度「女性アーカイブ研修」

開催期間:令和6年1月11日(オンラインライブ配信) / 定員:ライブ配信:40名程度、オンデマンド配信:定員なし

開催場所:国立女性教育会館 /


〇1月9日 お申込み期間は終了しました。
・Zoomによるライブ配信:令和6年1月11日(木) 定員40名程度
・YouTubeによるオンデマンド配信:令和6年1月18日(木)~2月18日(日) 定員なし

1.趣 旨

国立女性教育会館では、女性の歴史を今に生かし、未来につないでいくために、女性に関わる原資料(女性アーカイブ)の保存と活用に取り組んでいます。
その活動の一環として、アーカイブの保存や整理について新しい情報をお求めの方や、これから業務に取り組む方のために、平成21年度からアーカイブ関連の研修を実施してきました。女性アーカイブ所蔵機関に役立つ知識・情報を学び、ネットワークの形成に資する研修として、オンラインで開催します。

2.主 催

独立行政法人国立女性教育会館

3.日 時

令和6年1月11日(木)10:30~16:45(Zoomミーティングによるライブ配信)
下記期間中、当日の録画をオンデマンド配信(YouTube、参加者限定公開)します。
令和6年1月18日(木)~令和6年2月18日(日)

4.対象・定員

女性関連施設・図書館・文書館の実務担当者、地域女性史編纂関係者

ライブ配信 40名程度(最大100名まで)
※ライブ配信の情報交換会へのご参加は、以下の環境が必要になります。
 ・インターネットに接続できるパソコンまたはタブレット(スマートフォンは不可)
 ・使用する端末にカメラ・マイクの機能があること(外付けも可)

オンデマンド配信
・定員はありません。
※オンデマンド配信のみの視聴を希望される場合も申込が必要です。また、オンデマンド配信では質疑応答には参加できませんので、あらかじめ御了承ください。

5.内 容

オリエンテーション                            10:30-10:35

「女性の歴史を残す-昭和のくらし博物館の取り組みから」            10:35-11:35
昭和のくらし博物館での実践から、史資料の収集・整理・保存、女性の生活の歴史に光を当てる展示や、講座などの史資料からの学びについて教えていただきます。

講師:小泉和子氏(昭和のくらし博物館館長)

アーカイブと著作権                            13:15-14:30
アーカイブ資料の複写・撮影・デジタルデータ公開等に関わる著作権について、最新動向を含め解説いただきます。

講師:早稲田祐美子氏(東京六本木法律特許事務所弁護士)

アーカイブ実践報告 1:大阪男女いきいき財団                14:45-15:15
大阪男女いきいき財団は1993年設立、大阪市立男女共同参画センター(クレオ大阪)5館の管理運営を担っています。設立30周年記念事業として、大阪を拠点とし、男女共同参画や女性の地位向上、ジェンダー平等に貢献された女性たちを直接取材し、『-アーカイブ-OSAKAウーマン あなた わたし、そして未来』として動画・冊子を作成しました。この取り組みを中心に、ご報告いただきます。

講師:沢田 薫氏(大阪男女いきいき財団)

アーカイブ実践報告 2:新潟女性史クラブ                  15:15-15:45
新潟女性史クラブは1973年、公民館での女性史講座をきっかけに結成しました。女性史を学びながら新潟女性史を研究し、新聞記事を中心に15年をかけ明治以降の新潟女性史年表を作成、会誌「光と陰」等を刊行しています。2023年には50周年を記念して『織りなす光と陰の逕(みち) : 新潟女性史クラブ50年のあゆみ』と「新潟女性史資料(新聞記事)」DVDを作成しました。これまでの活動の実践をご報告いただきます。

講師:塩沢啓子氏(新潟女性史クラブ)

オンライン情報交換会(ライブ配信・希望者のみ)              15:45-16:45
女性アーカイブ所蔵機関同士での情報交換を行います。
*このプログラムでは、参加者名簿(氏名・所属機関・都道府県)を共有します。

6.申込方法等

(1)申込方法
 専用申込フォームからお申込みください。

 *申込フォーム送信後、5分以内に申込完了の通知メールが届きます。
 *同一のメールアドレスから複数名の申込はできません。
 *参加決定通知や資料等はメールで送付します。外部からのメールが受信できるアドレスを入力してください。

(2)申込期間
 令和5年12月13日(水)9:00~令和6年1月8日(月・祝)

(3)参加通知
 「申込フォーム」記載の連絡先に、メールでお知らせします。
 *1月9日(火)を過ぎても連絡がない場合やキャンセルする場合は、情報課まで御連絡ください。

7.参加費

無料(通信料は御自身の負担となります。)

8.研修の流れ

9.その他

(1)プログラムの変更・中止
 感染症、気象状況、天災、官公庁からの指示、その他主催者が研修を安全かつ円滑に実施することが困難と判断した場合、プログラムの一部又は全部を変更、中止する可能性があります。なお、情報は随時、NWECホームページでお知らせします。

(2)広報
 研修期間中に職員が撮影した写真を、事業記録や広報のために使用することがあります。あらかじめ御了承ください。

(3)フォローアップ調査の実施
 研修終了6か月後を目途にフォローアップ調査を実施します。研修成果が実際の職務や活動に、どのように役立てられているかを伺うものです。御協力をお願いいたします。

10.問合せ先

独立行政法人国立女性教育会館情報課
 〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
 TEL:0493-62-6195 (平日9:00~17:00)
 Eメール:infodiv@ml.nwec.go.jp

今年度は「女性アーカイブ研修」をオンラインで実施しました。令和6年1月11日(木)にライブ配信、その後1月18日(木)~2月18日(日)までオンデマンド配信を行いました。ライブ配信は19名が参加、オンデマンド配信は123名のお申込みがありました。

オンライン研修

【「女性の歴史を残す-昭和のくらし博物館の取り組みから」】

昭和のくらし博物館館は1951年東京郊外に建てられた住宅を、中の家財道具ごと保存し、公開しています。博物館はこの家の長女である小泉和子氏が館長として1999年に設立、講座・ワークショップ・体験学習、企画展などを行っています。企画展「女中がいた昭和」「昭和の女職人」では女性の職業について、「洋裁の時代」「昭和のキモノ」では、キモノから洋服への衣服革命、といった、消えていく女性の暮らしに関する資料を展示し、図書を刊行することによって記録として残していくことをお話しいただきました。

講師:小泉和子氏(昭和のくらし博物館館長)

【アーカイブと著作権】

アーカイブ資料の複写・撮影・デジタルデータ公開等に関わる著作権について、アーカイブ資料を扱う上で、押さえておきたい基本的な内容から、肖像権やプライバシーの権利、未管理公表著作物の利用についての新たな裁定制度など、最新動向まで教えていただきました。

講師:早稲田祐美子氏(東京六本木法律特許事務所弁護士)

【アーカイブ実践報告 1:大阪男女いきいき財団】

大阪男女いきいき財団は設立30周年記念事業として、大阪を拠点とし、男女共同参画や女性の地位向上、ジェンダー平等に貢献された女性たちを取材し、『-アーカイブ-OSAKAウーマン あなた わたし、そして未来』の冊子と動画を制作しました。プロジェクトのコンセプト、企画編集の流れ、工夫や苦労した点など、具体的にお話しいただきました。

講師:沢田 薫氏(大阪男女いきいき財団)

【アーカイブ実践報告 2:新潟女性史クラブ】

2023年に50周年を迎えた新潟女性史クラブの様々な取り組みの中から、1872年~1959年の「新潟新聞」「新潟日報」から、女性に関するすべての記事を対象に整理し刊行した「新潟女性史年表の作成」に焦点をあて、記事カードの作成、年表事項の選択の作業の詳細や、記事カードの公開による地元研究者や学生とのつながり、DVDでのデータ集の作成についてお話しいただきました。

講師:塩沢啓子氏(新潟女性史クラブ)

【オンライン情報交換会】
実践報告の講師を交えて、さらに詳しくお話をお聞きし、他の参加者の取り組みや課題について共有することができました。

参加者アンケートから

ライブ配信アンケートより

・日本各地で女性に関する歴史を保存するアーカイブを作る活動が女たちの手で行われてきたことを知り、素晴らしいと思いました。
・新潟女性史クラブの実践報告は、自主的に学ぶことの難しさと、それを乗り越えて構築してきた確かな成果に強い印象を受けた。地域における市民、研究者、図書館や文書館、大学などの研究機関との連携とそれぞれの独自性をどう形づくっていくべきかが、今後の課題であると痛感した。

オンデマンド配信アンケートより

・「記録を残す」といっても、様々な方法があるのだと知ることができました。また女性の記録というのは残りづらかったり、残っていても時代の価値観が影響していたりと、他とは違う特有な問題があるのだと知ることができました。
・アーカイブの重要性と共にその難しさ(著作権等)を知ることができた。自身の一世代前の方々の「活動」の足跡を残しておく必要があるのでは、と実感した。

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