研修・イベント

研修

実施報告

平成29年度「大学等における男女共同参画推進セミナー」

開催期間:平成29年11月30日(木)~12月 1日(金) / 定員:80名

開催場所:1日目:筑波大学東京キャンパス文京校舎 , 2日目:国立女性教育会館 /


1.趣  旨

テーマ:「多様な人材を生かす大学の組織改革と新しいリーダーシップ」

 経営戦略として男女共同参画推進を位置づけ、各機関や地域の特色を踏まえた大学等の学内環境整備や次世代育成に対する取組は徐々に浸透しつつあります。本セミナーでは、男女共同参画推進をとりまく状況と高等教育機関が進むべき方向について、学内で男女共同参画推進に携わる教員・職員を対象に専門的・実践的な研修を行います。

2.主  催

独立行政法人国立女性教育会館

3.後  援

一般社団法人国立大学協会、一般社団法人公立大学協会、日本私立大学団体連合会、全国公立短期大学協会、日本私立短期大学協会、独立行政法人国立高等専門学校機構

4.会  場

1日目:筑波大学東京キャンパス文京校舎 134講義室
    〒112-0012 東京都文京区大塚3丁目29−1
    (最寄駅:東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅「出口1」より徒歩約5分)
2日目:国立女性教育会館(NWEC)
    〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
    ※1日目のプログラム終了後、バスでNWECまで移動します。

5.期  日

平成29年11月30日(木)~12月1日(金) 1泊2日

6.対象及び定員

大学・短期大学・高等専門学校の男女共同参画に携わる教職員及び女性の採用、就労、入学、キャリア教育、就職に関わる総務・人事・入試・就職部門の教職員80名

7.日  程

(各プログラムの間に10~20分の休憩あり)

8.内  容

第1日  11月30日(木)【東京・茗荷谷会場:筑波大学東京キャンパス文京校舎】

(1)開会                                 13:00~13:15
  ①主催者あいさつ
  ②プログラムの趣旨説明

(2)基調講演「社会、組織、大学の男女共同参画は進化しているか」      13:15~14:45
 男女共同参画基本計画の策定や監視専門調査会など、男女共同参画行政に長くかかわられた経験を基に、時代の変化とともにどのように男女平等が進化してきたのか、そして今後大学に求められる役割について提言をいただきます。
   講 師:鹿嶋 敬  一般財団法人女性労働協会会長

(3)パネルディスカッション「多様な人材を生かす組織改革とリーダーシップ」  15:00~16:30
 高等教育機関が研究力・教育力を高めていくためには、多様な人材が活躍できる自由闊達な職場の雰囲気をつくることが重要です。その「多様性」を生かしながら「働く場」としての大学の組織改革をどうすすめるのか、そのヒントを探ります。
   パネリスト:平田 郁美 共愛学園前橋国際大学教授・前学長
         藤木なほみ 国立高等専門学校機構男女共同参画推進室長
         ロニー・アレキサンダー 神戸大学男女共同参画推進室長
   コーディネーター:河野 銀子 山形大学学術研究院教授

(4)情報提供「新入社員の意識調査から」                   16:40~17:10
 NWECが平成27年から行っている新入社員の追跡調査をもとに、大学時代から入社2年目にかけてのキャリア意識とその変化について紹介します。
   講 師:島 直子  国立女性教育会館研究国際室研究員

※プログラム終了後17:30まで講師等を交えた名刺交換会を予定しております。
 ネットワーク構築や情報交換の場としてご活用ください。
※名刺交換会終了後、NWECへバスで移動(約90分)、19時頃到着予定。
 到着後チェックイン、夕食は会館内のレストラン「らん」でお取りいただけます。

第2日 12月1日(金)【埼玉・武蔵嵐山会場:国立女性教育会館】

(5)情報提供「女性教育情報センター・アーカイブセンターの紹介」        9:00~9:40
 女性教育情報センター及びアーカイブセンター特別展示「国立女性教育会館40周年展」の見学と解説など、大学等での男女共同参画推進に役立つNWECの情報機能の紹介です。
   案 内:国立女性教育会館情報課職員
   
(6)事例報告と討議「経営戦略としての男女共同参画推進を考える」       10:00~12:00
 大学における男女共同参画推進の主要なテーマから、特色ある事例報告を共有し、明日からの具体的な取組につながる知見を培います。
  「大学活性化に向けた人材育成としての女性研究者支援」
    報告者:長堀 紀子  北海道大学人材育成本部女性研究者支援室特任准教授

  「芸術系大学におけるダイバーシティ推進」
    報告者:海田 恭子  東京藝術大学ダイバーシティ推進室特任助教

  「女性活躍インデックスの開発 -東洋大学男女共学100周年事業の取組-」
    報告者:松原  聡  東洋大学副学長

(7)講義「キャンパスハラスメントはなぜなくならないのか —効果的な防止策とは」
                                       13:00~14:30
 教員・職員・学生など、キャンパスの全ての構成員がいきいきと学び働く環境を整えることは大学等にとって基本的な使命であり、多様で優秀な人材がさらに活躍していくために必要な条件です。大学におけるあらゆるハラスメント防止に向け、実態とその特徴、法的責任と防止策について学びます。
   講 師:井口  博  弁護士

(8)アンケート記入・閉会                            14:30~14:45

9.申込方法・期限等

(1)方 法
 別紙「申込書」に必要事項を記入または入力の上、郵送または電子メール(progdiv@nwec.jp)のいずれかの方法で、国立女性教育会館までお送りください。
 ※送受信の行き違いや受信もれを防ぐため、申込受付は郵送またはメールのみ(FAXは不可)とさせていただきます。

(2)申込期限
 平成29年11月17日(金)(先着順)
 ※期間内でも定員に達した場合は申込の受付を締め切ります。

(3)参加決定のお知らせ
 御本人宛にメールにてお知らせします。11月24日(金)までに連絡がない場合は、お手数ですが事業課(電話:0493-62-6724/6725)までお問い合わせください。

10.所要経費(金額はすべて消費税込)

(1)参加費  なし

(2)宿泊費  11月30日(木)NWEC泊の場合は1泊1,200円
        (後泊12月1日(金)も同額で宿泊可)

(3)食 費  1日目夕食(東京会場からバスで移動後)・2日目朝・昼食は、会館内レストラン「らん」をご利用いただけます。
【参考価格】朝食 バイキング形式   870円
      昼食 カフェテリア形式  550円~800円程度
         (お食事内容によって値段が変わります)
      夕食 バイキング形式 1,080円

11.そ の 他

(1)研修参加者には、『実践ガイドブック大学における男女共同参画の推進』(国立女性教育会館、2015年発行)をお一人につき1冊ずつ配付・進呈します。
(2)期間中、職員が撮影した写真を事業記録や広報のために使用することがあります。あらかじめ御了承ください。

平成29年度「大学等における男女共同参画推進セミナー」実施報告

 平成29年11月30日(木)~12月1日(金)、「地の拠点」として地域に影響力を持つとともに我が国の将来を支える人材を輩出する高等教育機関における男女共同参画推進をめざし、全国の大学・短期大学・高等専門学校などから男女共同参画推進リーダー、入試担当者やキャリア支援担当者、総務・人事担当者等86名の参加を得て、本研修を実施した。
 今年度のテーマは「多様な人材を生かす大学の組織改革と新しいリーダーシップ」。女性職員の活躍推進や大学職員の働き方改革、組織のダイバーシティ推進等を課題に挙げ、講義やパネルディスカッション、グループ討議を通じ課題を、共有するとともに解決方法を探る。 

開会挨拶 内海房子 NWEC理事長

11月30日(木) 筑波大学東京キャンパス文京校舎

 1日目、一般財団法人女性労働協会会長 鹿嶋 敬氏による基調講演では「社会、組織、大学の男女共同参画は進化しているか」と題し、第一次男女共同参画基本計画策定から現在までのプロセスと論点を整理。男女共同参画社会の形成がゴールであり、「手段」との違いを理解すること、女性人材の活用においては、女性を単なる労働力として見るのではなく、女性自身のキャリア開発視点が重要であることなどが提言された。

基調講演 鹿嶋 敬氏

 パネルディスカッション「多様な人材を生かす組織改革とリーダーシップ」では、山形大学 河野銀子氏をコーディネーターに迎え、大学等における多様化がなぜ必要なのか、構造的背景について統計データなどで発題した後、共愛学園前橋国際大学 平田郁美氏、国立高等専門学校機構 藤木なほみ氏、神戸大学 ロニー・アレキサンダー氏の3氏より、各大学・機関の取組と課題、自身の経験と組織改革のプロセスなどが報告された。

パネルディスカッション 平田郁美氏

藤木なほみ氏、ロニー・アレキサンダー氏

 NWECによる情報提供「新入社員の意識調査から」では、平成27年に民間企業に入社した新規学卒者を、5年間追跡するパネル調査について、2年目にあたる28年度追跡調査の結果について報告。参加者にとっては、大学で学んだ卒業生たちが、その後、企業で働くなかで、キャリア意識がどう変化していくのかを知る機会となり、熱心に聞き入っていた様子が伺えた。

情報提供 島直子 NWEC研究国際室研究員

フロアの様子

調査報告書は上記のリンクからもご覧いただけます。

12月1日(金) 国立女性教育会館

 2日目は、会場をNWECに移した。参加者は女性教育情報センターと女性アーカイブセンター展示室を見学し、職員から各センターの役割と機能の解説を受けた。

女性アーカイブ展示室見学

女性教育情報センター見学

【参考】各センター利用案内は以下リンクよりご覧いただけます。

 事例報告と討議「経営戦略としての男女共同参画推進を考える」では、北海道大学 長堀紀子氏、東京藝術大学 海田恭子氏、東洋大学 松原 聡氏より各大学の取組について報告が行われた。参加者は3氏の報告に対する感想をふせんに書き出し整理したあと、「学内での意識改革」、「学生へのアプローチ」、「研究者支援」、「ワークライフバランス」など、さらに深く話し合いたいテーマ毎にグループを再編成。それぞれの自校での取組や課題、悩み、改善に向けた明日からの行動について共有した。

事例報告と討議

ワークショップの様子

 キャンパスハラスメント防止に向けた講義では、弁護士 井口 博氏より、報道例や判例から見る大学におけるハラスメントの現状、「ハラスメント」の歴史と定義、原因と発生状況を解説。個人としての防止策、組織としての危機管理意識の向上に向けたフロアからの質問に対して、さらに具体的な解説とアドバイスがあった。

講義 井口 博氏

閉会挨拶 中澤貴生 NWEC理事

 参加者アンケートには「研修で得た内容を学内に持ち帰り、情報共有して取り組んで行きたい。」「基調講演では男女共同参画の歴史的な流れを知ることができ、非常に有意義だった。歴史を知ることでこれからどう進めていくべきか知るきっかけとなった。」「参加者から多くの情報を得られたことがよかった。質問や話し合いの時間がもう少しあるとよかった。」などの感想が寄せられた。

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