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実施報告

令和2年度「地域における男女共同参画推進リーダー研修〈女性関連施設 ・地方自治体・団体〉」

開催期間:令和2年5月20日(水)~29日(金) / 定員:100名

開催場所:国立女性教育会館


事業内容

地域の男女共同参画推進リーダーの力量を形成するため、男女共同参画社会のあり方について今日的課題解決の視点から学ぶとともに、推進方策を探る。専門的知見・マネジメント能力・ネットワークの活用力等を向上させるための研修プログラム。

※新型コロナウィルス感染症予防に伴う変更について

 本年度の研修は、新型コロナウィルス感染症による全国的な感染拡大を防止するため、参加者と公開期間を限定したYouTube(NWEC Channel)の動画配信によるオンデマンド研修といたします。インターネットに接続できるパソコン環境(タブレット、モバイル端末も可)があれば受講できます。公開されている動画は、期間中参加者の都合に合わせて視聴することができます。
 内容の詳細については、オンデマンド版開催要項をご覧ください。
 また、一部のプログラムはライブ配信になる可能性がございます。ライブ配信になる場合は、準備するものや受講方法について改めて参加者にメールでお知らせいたします。なお、当該プログラムについても、後日、YouTube(NWEC Channel)で動画配信を行います。
 参加申込期間は4月24日(金)まで延長します。皆様の御参加を心よりお待ちしております。

お知らせ

【オンデマンド配信変更について】令和2年4月14日
 本研修は、オンデマンド配信に変更となりました。それに伴い、開催要項、申込フォームを変更しました。開催要項は下部よりダウンロードできます。

【4月1日~14日の申込について】令和2年4月14日
 4月1日~14日18:00の間にすでにお申込みをいただいている方につきましては、別途メールをお送りします。16日までにメールが届かない方は、お手数ですが以下担当までお問い合わせください。

 国立女性教育会館事業課 担当:櫻井、中島

1.趣  旨

 男女共同参画社会の形成を推進するため、地域における男女共同参画の推進者を対象として、知識・企画力・実践力を養うための高度で専門的な研修を実施します。
 参加者は、男女共同参画の基本理念について改めて学ぶとともに、喫緊のジェンダー課題に関する最新情報や取組事例、国の施策についての最新動向等を情報共有します。また、全国からの参加者との情報交換を通じ、現状把握と課題解決のヒントを得ます。
 今回は、ジェンダー主流化の観点から地域の取組基盤づくりに焦点をあて、多様な主体との連携や有効な情報発信のあり方など、男女共同参画推進の駆動力を上げる具体的な方策についても考えていきます。

2.テーマ 

 取組を加速する地域基盤づくり

3.主  催 

独立行政法人国立女性教育会館 
〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
TEL 0493-62-6724  FAX 0493-62-6720
URL https://www.nwec.jp  Eメール progdiv@nwec.jp

4.実施方法及び期間

(1)配信期間 令和2年5月20日(水) 9:00 ~ 29日(金)17:00

(2)方法 参加者と公開期間を限定したYouTube(NWEC Channel)の動画配信によるオンデマンド研修
 ※インターネットに接続できるパソコン環境(タブレット、モバイル端末も可)が必要です。
  YouTube視聴のために特別なアカウント登録などの必要はありません(ただし、通信料はご自身の負担となります)。
  公開されている動画は、期間中、参加者の都合に合わせていつでも視聴することができます。

(3)研修の流れ   

5.対象及び定員

 地域でリーダーとして男女共同参画推進の実践的な取組を行っている方(※1)で、期間中に全ての動画を視聴し、研修終了直後のアンケートと6か月後に実施するフォローアップ調査の両方を提出可能の方  100名程度

※1:具体的には以下の職務にある方
・女性関連施設(公私立の女性/男女共同参画センター、女性会館、働く婦人の家等)の管理職・リーダー 等
・地方自治体の男女共同参画推進責任者 等
・地域で男女共同参画を推進する団体等の役員・リーダー 等

※2:先着順ではありません。応募多数の場合は、これまで参加が少ない地域の方、管理職の方、初回及び参加回数の少ない方を優先します。なお、参加者決定に関する個別のお問い合わせには一切お答えできませんので、あらかじめ御了承ください。

6.内  容

事前学習

 参加決定後、本研修の参加前までに、男女共同参画の基礎知識を学ぶためのeラーニング講座を受講していただきます(総学習時間1時間程度、受講料無料)。また、基調講演に関わる事前課題(御所属または在住の自治体の防災対策等について調べ、シートに記入)もあります。受講手続や記入シートなどの詳細は、参加通知にてお知らせします。

オンデマンド研修

(1)開会(10分)
 ①主催者あいさつ  内海 房子  国立女性教育会館理事長
 ②来賓あいさつ   文部科学省
 ③来賓あいさつ   納米恵美子  特定非営利活動法人全国女性会館協議会代表理事
 ④趣旨説明     櫻井 雅美  国立女性教育会館事業課専門職員

(2)基調講演「男女共同参画が地域を持続可能にする」(60分)
 今年は、2003年に内閣府・男女共同参画推進本部が「社会のあらゆる分野において指導的位置に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」と定めた目標の年(「202030」)。しかし、昨年末世界経済フォーラムから発表された男女平等度ランキングで日本が121位と過去最低記録を更新した大きな要因は、意思決定の場における女性の圧倒的な少なさにありました。男女共同参画社会基本法の制定から20年以上が経ち、近年では女性活躍推進と謳われながらのこの停滞ぶりはなぜなのか、ここからどのような手を打っていけばよいのか、そして男女共同参画の実現が導く社会の豊かさとは本来どのようなものなのか。防災分野における地域での具体的な取組を切り口に考えます。
 講師:大沢 真理  東京大学名誉教授
   
(3)情報提供「男女共同参画社会に向けた今日の政策課題」(60分)
 男女共同参画や女性活躍推進に向けた国の最新施策についての説明を受け、今後の方向性について理解を深めます。
 ①内閣府男女共同参画局
 ②厚生労働省
 ③農林水産省

(4)情報提供「ジェンダー平等に係る国際的な動向について」(20分)
 国連女性の地位委員会(CSW)や持続可能な開発目標(SDGs)等、国際社会におけるジェンダー平等推進の取組を紹介します。
 報告者:越智 方美  国立女性教育会館研究国際室専門職員

(5)講義「男女共同参画推進のプラットフォームをつくる」(60分)
 男女共同参画を地域に根づかせ、取組を広げていくためには、多様な主体との連携協働が欠かせません。市民力を育て、官民をつないで、多様性が生かされる地域づくりに携わってこられた講師から、地域資源をどのように掘り起こし、意識変容とアクションにつなげていくのか、その視点と取組のポイントについて学びます。
 講師:萩原 なつ子  立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授
            立教大学社会学部教授
          
(6)パネルディスカッション「関心を呼び起こす情報発信とは」(90分)
 男女共同参画に関わる情報を、若い世代、男性等これまで関わりの薄かった層に届け、関心を呼び起こすためにはどのような工夫が考えられうるでしょうか。各メディアで新しい試みを始めている方々と、効果的な情報発信の方法について考えていきます。
 パネリスト:安田 達一郎  NHK報道局社会番組部チーフ・プロデューサー
       松尾 亜紀子  エトセトラブックス代表 編集者
 コーディネーター:浜田 敬子  Business Insider Japan統括編集長

(7)意見交換「男女共同参画の推進にあたり、ダイバーシティの流れとどのように向き合うか」
(20分)                
 ダイバーシティ推進の大きな動きの中で、様々な場面において男女格差の是正の重要性をきちんと理解してもらい、多様な市民と目標を共有することに難しさを感じることはありませんか。例えば、調査時に性別を問うことに対する批判や、「女性優遇は男性差別」「今さら女性・男性で二分するのはおかしい」といった意見に対して、私たちはどのように対応していくとよいのでしょうか。迷ったり、困ったりしている現状について、まずはみなさんで共有しませんか。
 発題:飯島 絵理  国立女性教育会館研究国際室研究員

(8)アンケート記入

7.申込方法等について

(1)申込方法  申込フォーム:令和2年度「地域における男女共同参画推進リーダー研修」からお申込ください。
 *申込フォームから送信ができない場合は、参加申込書に必要事項を記入の上、事業課あてに郵送ください。
  開催要項、参加申込書等は、ホームページからダウンロードできます。
 *送受信の行き違いや受信もれを防ぐため、FAXは不可とさせていただきます。

(2)申込期間  令和2年4月1日(水)~24日(金)17:00必着

(3)参加通知  別紙記載の連絡先に5月1日(金)に電子メール又は文書によりお知らせします。
 *5月1日(金)を過ぎても連絡が来ない場合は、事業課までお問い合わせください。
  (電話:0493-62-6724 平日9:00~17:00)

(4)キャンセル 参加決定後にキャンセルされる場合は、必ず事業課まで電子メール又は電話にて御連絡ください。
  【キャンセル可能期間】5月1日(金)~13日(水)17:00
   *キャンセル待ちで参加可能となった方には、5月1日(金)~14日(木)の間に御連絡します。
   *5月11日(月)は休館日のため、すべての情報提供サービスを停止します。

8.フォローアップ調査の実施

 研修終了6か月後を目途にフォローアップ調査を実施します。実際の職務や活動に、研修成果がどのように役立てられているかについて伺うものです。御協力をお願いいたします。

*本研修は、第6回WAW!/W20シャイン・ウィークスへのイベント登録をしています。

令和2年度「地域における男女共同参画推進リーダー研修<女性関連施設・地方自治体・団体> オンデマンド版」実施報告

 5月20日(水)~29日(金)、全国の女性関連施設や地方自治体の男女共同参画推進に関わる管理職・リーダー、地域で男女共同参画を推進する団体のリーダー等を対象としたオンライン研修を開催した。
 この研修は、男女共同参画の基本理念について改めて学ぶとともに、喫緊のジェンダー課題に関する最新の情報や取組事例、国の施策についての最新動向等を情報共有し、知識と実践力を高めることを趣旨としている。
 例年、会館に集合して2泊3日の宿泊研修として実施しているが、今年は、新型コロナウイルス感染症拡大の予防のため、オンデマンド形式で実施した。初めての試みだったが、100名の定員枠を大幅に超える申込があり、急遽、動画視聴限定の参加も受け付け、全国から222名(うち動画視聴限定参加者92名)の参加を得た。
 今年度は、ジェンダー主流化の観点から「取組を加速する地域基盤づくり」をテーマとし、事前学習のe-ラーニング講座や7つの動画プログラムを通じて、多様な主体との連携や有効な情報発信のあり方など、男女共同参画推進の駆動力を上げる具体的な方策についても考えられる構成とした。また、特設掲示板を設け、講師への質問や参加者同士の意見交換ができるようにした。

(1)基調講演「男女共同参画が地域を持続可能にする」

 今年は、2003年に内閣府・男女共同参画推進本部が「社会のあらゆる分野において指導的位置に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」と定めた目標の年(「202030」)だが、いまだ意思決定の場における女性の参画は少ないのが現状だ。ここからどのように手を打っていけばよいのか、また、男女共同参画社会の本当の豊かさとは何か、防災を題材として大沢真理氏(東京大学名誉教授)が講演し、聞き手役のNWEC職員からの質疑にも応じた。

 大沢氏は、まず男女共同参画社会基本法などをもとに男女共同参画の基本的な考え方について解説した。基本法の条文にもある「差別をなくし、平等化を促進する」ことや「平等化を阻害する社会制度や慣行の是正」に加え、ジェンダー前提は大きな社会的損失につながること、男女共同参画の推進は生命と地域の持続可能性といった社会的利得になることを指摘した。
 特に、災害時は年齢や性別、育児や介護、社会的地位等により被害に格差がある。災害にタフなまちづくりの前提には多様な住民がまちづくりに参加しているかが重要で、今回はその根幹として、災害レジリエンス(災害に対してタフであるか、脆いか、復興は順調かどうかを表す概念)について、「2017年度女性・地域住民から見た防災・災害リスク削減策に関する調査報告」をもとに報告された。
 事前に参加者に出された地域防災に関する課題の結果も紹介しながら、具体的なデータに基づいた解説により、参加者は男女共同参画社会の形成が生命と地域の持続性にとっていかに必要不可欠な取組であるかについて再確認することができた。また、参加者にすぐ取り組んでもらいたいこととして、「自治体の防災会議はもちろん、審議会、検討会、専門部会について構成する委員の女性比率や男女共同参画に関する講習等の機会があるかを調べる」、「自治体の男女共同参画担当部署の人員配置や兼務等の状況、地域防災会議や避難所運営指針などの策定への参加について確認する」、「自治体職員研修に男女共同参画が含まれているかを確認する」ことが挙げられた。
 男女共同参画の推進は担当課だけで進められることではなく、多様な主体との協働が不可欠である。男女共同参画に没交渉な分野に対しても大沢氏の調査結果など具体的なエビデンスを提示してアクションを起こすことで、持続可能な地域に変えていくことができる、それがジェンダー主流化の具体の局面の一つであると述べ、参加者の励みとなった。

→大沢真理氏による基調講演は、NWECチャンネルで配信しています。ぜひ、御活用ください。

(2)情報提供「男女共同参画社会に向けた今日の政策課題」

 各府省からは、詳細な資料をもとに、それぞれ30分程度で各施策のポイントや今後の方向性について紹介された。内閣府からは、第5次男女共同参画基本計画策定のコンセプトが示され、女性活躍推進や女性に対する暴力の根絶のほか、新型コロナウイルス感染症による社会状況への不安からDVの増加が懸念されること、そのための相談体制の拡充等、特に重点を置くべき取組について説明がなされた。農林水産省からは、女性農業者を取り巻く状況や政策・方針決定過程への参画状況、第4次男女共同参画基本計画後の取組の成果と課題等が示され、農業における女性活躍のさらなる推進に向けた取組が紹介された。
 厚生労働省は都合により動画での説明はかなわなかったが、婦人保護事業の現状等について資料が提供された。

(3)情報提供「ジェンダー平等に係る国際的な動向について」

 研究国際室職員より、国際社会におけるジェンダー平等推進の取組について紹介された。持続可能な開発目標(SDGs)では、目標5にジェンダー平等の達成とすべての女性と女児のエンパワーメントを図ることが掲げられている。さらに、すべての目標の達成にはジェンダー課題の解決が不可欠であり、それぞれの達成過程にジェンダー視点を組み込むことが求められている。また、第64回国連女性の地位委員会(CSW)の概要や政治宣言の要旨、2020年4月に国連より発表された新型コロナウイルスの女性への影響について発出された報告も紹介された。報告では、新型コロナウイルスが及ぼす悪影響は健康から経済、安全、社会保障等あらゆる領域において女性及び女児にとって大きくなっていることが指摘され、それらを踏まえた政策的対応をとることが各国に呼びかけられている。国際社会の潮流を知り、協調できることや自身の取組の参考にできることを考え、できる所から行動することが重要であると改めて考えるきっかけとなった。

(4)講義「男女共同参画のプラットフォームをつくる」

 萩原なつ子氏(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授)は、男女共同参画を地域に根づかせ、取組を広げていくために不可欠な多様な主体との連携協働について、地域資源をどのように掘り起こし、意識変容とアクションにつなげていくのか、その視点と取組のポイントについて講義した。男女共同参画の地域づくりを進めるためには、固定的役割分担意識や無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)を解消し、男女ともに固定観念から自由になること、多様な人々を理解し、多様な価値観を認め合い活かし合うという「ダイバーシティ&インクルージョン」の考えが前提となる。

 地域において多様化する社会的課題の解決には、行政だけ、企業だけ、NPOだけの取組では困難であり、それぞれの持つ資源や特性を持ち寄り、対等な立場で協働することが必要である。そして、「緩やかなネットワークとノットワーキング(地域の課題に応じて、多様な人や組織のネットワークの中から必要な人たちを繋ぎ、課題を解決したら、またそれぞれの場所に戻っていくという考え)」による地域協働型を推進することが重要となってくる。

 こうした考えのもと、実際に行われた東京都豊島区の「豊島F1会議」の取組では、政策形成過程に参画する機会の少なかった20代から30代の女性が参画したことで、社会的弱者の立場も配慮した提案がなされ、ユニバーサルなまちづくりにつながっただけでなく、行政内部における協力体系の見直しや新たな戦略の展開、住民とお互いに理解し合い、一緒に考えていくという新しい住民参加の道を開いた。そして今では、女性施策は区の重点施策の4つの柱の第1になっているそうだ。  最後に、萩原氏は、「地域課題は、みんなに関わる課題である。だからこそ、みんなが当事者意識を持ち、ダイバーシティ&インクルージョンを大切に、それぞれの資源を出し合いながら解決を図ることが重要である。まずは地域の多様な人が関われる話し合いの場を持つとよい」という提案とともに、「これからのwithコロナの社会に向け、今までの考え方や仕組みを大きく変えていくこと、その時には男女共に一緒になって考えていくことが大切である」と話され、参加者にとって大変参考になる講義となった。

(5)パネルディスカッション「関心を呼び起こす情報発信とは」

 コーディネーターに浜田敬子氏(Business Insider Japan統括編集長)、パネリストに安田達一郎氏(NHK社会番組部チーフプロデューサー)と松尾亜紀子氏(エトセトラブックス代表・編集者)を迎え、パネルディスカッションを行った。
 浜田氏は、週刊誌とネットメディアの比較から、課題を俯瞰してみたり、情報を結び付けたりできるというネットメディアの特性を活かし、ニュースを報じて終わりとするのではなく、そこから課題解決を模索につなげるということを話された。安田氏は、Twitterと連動した新たな形の番組作りに携わっている。社会問題を考えるきっかけを届けるには、従来のように1つのコンテンツを一度に全員に届けるのではなく、興味や関心に合わせたコンテンツを作成してそれぞれに届ける、「みなさん」と伝えるのではなく、「あなた」と一緒に考えるという視点が大事であると話された。松尾氏からは、エトセトラブックスの紹介や設立の経緯、フェミニズム本の読まれ方、SNSとの関連の他、フェミニズムに関する書籍を出版し続けることで問題を投げかけているという編集者としての思いが話された。参加者は、それぞれのメディアで始めている新しい試みや、視聴者や読者に対してどんなことを考えて情報を発信しているのかについて、具体的に知ることができた。

 また、その後のディスカッションでは、男女共同参画に関わる情報を若い世代、男性等、これまで関わりの薄かった層に届け、関心を呼び起こすためにはどのような工夫が考えられうるかをテーマに話し合った。  これまでの方法にとどまらず、多様なメディアの特性を生かし、対象に合わせた発信方法を工夫することで、結果的に多くの人々の関心を呼び起こすことにつながることを知り、参加者にとって新鮮な気付きや学びの多いプログラムとなった。

(6)意見交換「男女共同参画の推進にあたり、ダイバーシティの流れとどのように向き合うか」

 ダイバーシティ推進の大きな動きの中で、様々な場面において男女格差の是正の重要性をきちんと理解してもらい、多様な市民と目標を共有することに難しさを感じることはないか、どのように対応していくとよいのかという研究国際室研究員の問題提起を受け、参加者が日々の業務の中で抱えている悩みや困っていることを中心に、特設掲示板を介して意見交換をした。
 掲示板には、調査時に性別を問うことへの批判に対する悩みだけでなく、自身の地域で行っている対応等が寄せられた。参加者同士でやり取りをしながら情報を共有することもでき、課題の整理や対応策を考える上でのヒントとなった。

〇参加者からの感想

・講師の幅が広く、男女共同参画の歴史や世界的な情勢など、基礎的な知識を学ぶことができた。さらに、これらを踏まえた日本の課題や進むべき方向性など掘り下げた内容で、非常にわかりやすかった。
・それぞれの専門分野の方々のお話を詳細な資料とともに拝聴することができ、大変有意義な研修となりました。防災分野での取組や男女共同参画の地域づくりの取組、また、このような取組の情報を伝えるべき、効果的な情報発信の方法等は大変興味深く今後の事業に活かしていきたいと思います。
・講義を通して、男女共同参画社会を創りあげていく上で、女性活躍、多様性の視点がどれほど大事か、再認識できた。
・オンラインでの研修は今回が初めてとなりましたが、期間中都合に合わせて視聴ができ、繰り返しの視聴が可能であることなど、メリットも多く、このような研修形態での開催が将来的には可能となるよう、当センターでも体制を整えていく必要性を改めて感じました。
・とても分かりやすく、身近で話していただいてようで、聞きやすかったです。複数回視聴でき、理解を深めることができました。センターは出張旅費が削減されており、複数は参加できないが、今回は二人が受講でき、研修を深めることができました。ヌエックで受講すると、講座以外での交流・人との出会いがありますが、それができないのは残念です。仕方のないことと思っています。この緊急の状況に素晴らしい研修会を開催していただき、ありがとうございました。
・地方にいる私たちは、今の国の動きや企業の動きなどを知ることがなかなかできずにいました。それは、おそらく自分から情報を得にいくというアクティブな動きをしてこなかったからだろうと反省しました。講師の先生方のお話は、全て新鮮で、今の時代地方も何も関係なく、つながっているということを実感でき力になりました。最後のパネルディスカッションでは、情報をつたえるのに、「皆さんへ」~「あなたに」への転換を!男性にもわかりやすく・・・を考えるより、テーマをストレートに打ち出す。今後の私の活動に活かしていきます。

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