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実施報告

令和5年度「女性関連施設相談員・相談事業担当者研修」

開催期間:【基礎研修】令和5年6月20日(火)~7月18日(火) 【ステップアップ研修】令和5年8月25日(金)・26日(土) / 定員:【基礎研修】300名 【ステップアップ研修】30名


今年度は基礎研修(オンライン)とステップアップ研修(対面)により開催します。

<基礎研修>
・オンデマンド配信
令和5年6月20日(火)9:00~7月18日(火)17:00 定員300名
・Zoomによるライブ配信
令和5年7月14日(金)10:30~12:00 定員40名
令和5年7月14日(金)14:00~15:30 定員40名

<ステップアップ研修>
(1泊2日、会場:国立女性教育会館)※オンライン配信はありません
令和5年8月25日(金)・26日(土) 定員30名


【基礎研修】

1.趣 旨

 女性関連施設等における相談事業の実施に必要な基礎となる知識・技能を習得するオンライン研修を実施し、相談事業を通じて男女共同参画社会の形成に貢献する人材を育成します。
 ジェンダーの視点に立って相談者を理解するための基本的な知識を学び、相談から見えるニーズを事業や施策に反映させ、男女共同参画に関わる地域の課題解決を進める実践力を養います。

2.主 催  

独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)

3.対象・定員

・公私立の男女共同参画センター、女性センター等の女性関連施設等において相談業務に携わっている相談員及び相談事業担当者・管理者
・地方公共団体における関連施策担当者(相談事業を統括する立場にある方を含む) 
                                   計300名

※定員を超えた場合は受講をお断りする場合があります。先着順ではありません。

4.実施期間 

令和5年6月20日(火)9:00~7月18日(火)17:00

5.方 法 

オンライン形式
LMS(eラーニング学習管理システム)によるオンデマンド配信動画視聴
及びZoomによるライブ配信

6.参加費

無料(通信料は参加者負担)

7.内 容

(1)開会(15分)
 主催者あいさつ   萩原なつ子 国立女性教育会館理事長
 オリエンテーション 国立女性教育会館事業課

(2)講義1「女性関連施設における相談事業の意義~ジェンダー視点に立った相談とは」(45分)
 女性関連施設の相談事業を運営し、男女共同参画の本質とその視点に立った相談業務の在り方について学びます。相談者に向き合うために必要な自分自身のジェンダー視点を養い、女性の直面する困難が社会構造と深く結びついていることを踏まえ、女性相談のプロセスと役割について理解を深めます。
 講師:加藤 伊都子 NPO法人日本フェミニストカウンセリング学会代表理事
           フェミニストカウンセリング堺

(3)情報提供「女性相談に関わる国の最新施策の動向」(30分)
 DVや性暴力の対策、女性相談支援等に関わる国の施策について最新情報を知り、相談事業の方向性について知見を広げます。
 講師:内閣府男女共同参画局男女間暴力対策課
    厚生労働省社会・援護局女性支援室

(4)講義2「女性一人ひとりに寄り添う支援へ~困難な問題を抱える女性支援法の施行にむけて~」 (45分)
 「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」制定の背景について学び、来年の施行に向けて相談現場で求められる支援の在り方について理解を深めます。
 講師:戒能 民江 お茶の水女子大学名誉教授

(5)講義3「ジェンダーに基づく暴力とは」*令和4年度研修の講義の再配信(45分)
 ジェンダーに基づく暴力について、その要因となる背景、被害者にもたらす影響、被害者の回復プロセスと必要な支援等及びDVと児童虐待の関係について学びます。
 講師:松本 和子 女性ネットSaya‐Saya代表理事

(6)講義4「関係機関との連携」(60分)
 ソーシャルワークに関わる支援の流れを踏まえながら、関係機関の機能の把握や連携の方法及び相談員が知っておくべき法制度 の概要等について学びます。
 講師:甲木 京子 S・ぱ~ぷるリボン

(7)ワーク1・2・3「ケース別支援の在り方」(45分×3)
 構成事例を基に、具体的な相談対応を考え、ジェンダーの視点に立った相談対応の基礎力を習得します。
 講師:河野 和代 ウィメンズカウンセリング徳島代表
    執行 照子 NPO法人日本フェミニストカウンセリング学会
    杉本 志津佳 フェミニストカウンセリング堺

(8)講義5「相談者の立場に立った相談環境の整備」*令和4年度研修の講義の再配信(45分)
 相談者が安心して利用できる相談スペースの作り方 、広報、社会資源情報の整備と提供方法等及び女性関連施設における相談環境整備のポイントについて学びます。
 講師:村瀬 智子 名古屋市男女平等参画推進室主査

(9)講義6「安心・安全な相談事業を成立させる相談システム」*令和4年度研修の講義の再配信(45分)
 相談の記録や統計の用い方及び相談員のバーンアウトを防ぐ組織的対応等、安心・安全な相談事業を成立させるために必要な運営システムについて学びます。
 講師:新堀 由美子 男女共同参画センター横浜南フォーラム南太田館長

(10)講義7「相談のニーズを事業・施策に反映する」(45分)
 個別相談から地域の課題やニーズをとらえ、事業や行政の施策に反映させる意義とその方法について、三重県男女共同参画センターでの実践例を基に学びます。
 講師:北川 智代 三重県男女共同参画センター事業課相談係

(11)講義8「グループ相談の効果と実際」(45分)
 グループ相談(サポートグループ等)の意義・期待される効果、目的に応じた枠組の設定及びファシリテーターの役割等について学びます。
 講師:宮本 由起代 心のサポート・ステーション代表理事

(12)情報交換会(ライブ配信90分・希望者のみ)
 7月14日(金)10:30~12:00*定員40名(希望者多数の場合は抽選)
 7月14日(金)14:00~15:30*定員40名(希望者多数の場合は抽選)
 トピックごとに分かれて、参加者同士で業務に関わる情報交換を行います。
  A:相談対応の課題・工夫
  B:相談記録の書き方・管理の仕方と統計の活用方法
  C:SNS相談の課題・工夫
  D:男性相談の課題・工夫
  E:人材確保・人材育成

 *参加者には、参加者名簿(氏名、所属、職名のみを掲載)を配付します。
  名簿掲載の可否を専用申込フォームで指定してください。

8.受講に必要な環境

 ①インターネットに接続できるパソコン(推奨)またはタブレット、スマートフォンが使用できること。
 ②使用する端末に下記の動作環境があること。

*OS ・ブラウザのメーカーサポートが切れているバージョンは、対象外(延長サポート期間も含む)です。
*セキュリティソフトやブラウザ用アドオンソフトが動画の再生をブロックすることがあります。
*タブレット、スマートフォンでも受講可能ですが、画像が適切に表示されない可能性があります。

「情報交換会(ライブ配信)」に参加する場合
・インターネットに接続できるパソコン又 はタブレット(スマートフォン不可)に web カメラ・マイク 機能があること(外付けも可)
・使用する端末に、「 Zoom 」アプリがインストールしてあること
・通信が遅延、途切れることのない安定したネットワーク環境があること
・話しやすい静かな環境であること

9 .申込方法等

(1)申込方法
・専用申込フォーム (基礎研修・ステップアップ研修共通)からお申込みください。
・申込時のメールアドレスが研修の参加IDとなります。同じメールアドレスで複数名の参加者を登録することはできません。

(2)申込期間
 令和5年5月9日(火)9:00~5月31日(水)17:00

(3)参加決定通知
 ・結果は申込時のメールアドレスに通知します。
 ・6月9日(金)を過ぎても連絡がない場合は、事業課までお問合わせください。

(4)キャンセル
 キャンセルされる場合は、必ず事業課までメールにて御連絡ください。

10 .その他

(1)フォローアップ調査の提出
 研修終了6か月後を目途に実施するフォローアップ調査に御回答ください。現場のニーズや課題を今後の事業企画に反映するために、御協力をお願いします。

(2)調査研究への協力のお願い
 現在の相談現場のニーズや課題を把握し、より良い研修や情報提供を行っていくための調査を実施しています。御回答いただいた事前アンケートなどを基に追加アンケートやヒアリングをお願いする場合があります。

(3)プログラムの変更・中止について
 感染症、気象状況、天災、官公庁からの指示、その他主催者が研修を安全かつ円滑に実施することが困難と判断した場合には、やむを得ずプログラム内容の変更又は開催を中止する場合があります。 なお 、これらの情報は、随時NWECホームページでお知らせします。


【ステップアップ研修】

1.趣 旨

 女性関連施設等における相談事業の実施に必要な知識・技能を習得する集合研修を実施し、相談事業を通じて男女共同参画社会の形成に貢献する人材を育成します。
 基礎研修をふまえ、より困難な事例に対してジェンダーの視点に立って適切に対応できる相談員の育成と、相談から見えるニーズを事業運営に反映できる専門性を身につけ、実践的な力を養う研修を実施します。

2.主 催

独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)

3.対象・定員

・男女共同参画センター、女性センター等の女性関連施設等において相談業務に携わっている相談員及び相談事業担当者・管理者
・令和4年度「女性関連施設相談員・相談事業担当者研修」を受講済み又は令和5年度「女性関連施設相談員・相談事業担当者研修」基礎研修を受講予定の方
                                    計30名

※定員を超えた場合は受講をお断りする場合があります。先着順ではありません。

4.実施期間

令和5年8月25日(金)13:00~8月26日(土)12:45

5.方 法

1泊2日の集合研修(オンデマンド配信等はなし)

6.参加費

無料(宿泊費、食費は参加者負担)

7.内 容

■ 1日目:8月25日(金)

(1)開会(13:00~13:05)
 主催者あいさつ 萩原なつ子 国立女性教育会館理事長
 オリエンテーション 国立女性教育会館事業課

(2)課題研究Ⅰ「相談記録の書き方と管理・統計の活用」(13:05~14:55)
 男女共同参画センター の相談事業で、相談をどのように記録し、管理したら良いのか、またどのように統計に活用していくか、考え方とノウハウの共有に関する課題研究を行います。名古屋市での事例を基に、参加者相互で取組事例を共有しながら、より良い相談記録や相談統計の在り方について探ります。
 講師:村瀬 智子 名古屋市スポーツ市民局男女平等参画推進室主査

(3)課題研究Ⅱ「相談事業の基盤確保」(15:10~17:00)
 事業予算確保の工夫、広域連携の方法等について、自治体の種別毎の基盤確保における工夫の仕方を探ります。参加者相互で取組事例を共有しながら、課題についての検討を行います。
 講師:仁科 あゆ美 一般財団法人大阪府男女共同参画推進財団理事・本部長

(4)ワーク「ストレスケアに役立つボディ・ワーク」〈希望者のみ〉(17:45~18:30)
 ストレッチや呼吸法で心身を整え、セルフケアを行います。
 講師:甲木 京子 S・ぱ~ぷるリボン

(5)情報交換会〈希望者のみ〉(20:00~21:00)
 日ごろの相談対応で判断に迷う問題について、相談事業運営及び支援事例などの情報を交換し、互いのノウハウの共有を図ります。研修を離れても支え合える組織・担当者間のネットワークをつくります。
 講師:加藤 伊都子 NPO法人日本フェミニストカウンセリング学会代表理事
           フェミニストカウンセリング堺
    仁科 あゆ美 一般財団法人大阪府男女共同参画推進財団理事・本部長
    村瀬 智子  名古屋市スポーツ市民局男女平等参画推進室主査
    甲木 京子  S・ぱ~ぷるリボン

■ 2日目:8月26日(土)

(6)課題研究Ⅲ「人材確保と育成の課題 」(9:00~10:50)
 相談員の「人材の確保と育成」は全国の男女センター共通の課題です。参加者相互で取組事例を共有しながら、相談員の「専門性」を担保するための人材確保や人材育成の在り方を探ります。
 講師:谷口 年江 静岡市女性会館指定管理者
          NPO法人男女共同参画フォーラムしずおか事務局長

(7)グループスーパービジョン「相談対応の実際」(11:05~12:35)
 男女共同参画センター等での事例をもとにグループワークで検討します。視点の転換及び着眼点の変更など、男女共同参画の視点に立った専門的な対応力を学びます。スーパーバイザーから、相談員の面接過程の振り返りについてケース展開のためのアドバイスを受けます。
 講師:加藤 伊都子 NPO法人日本フェミニストカウンセリング学会代表理事
           フェミニストカウンセリング堺

(8)閉会
 アンケートの記入(12:35~12:45)

8.所要経費

(1)参加費 無料

(2)宿泊費 研修期間中:1名1泊 1,800円
              前泊(8/24)も同じ料金で宿泊できます。
              未就学児ベッドパッド代:1名1泊 814円

(3)食費 朝食 1,100円
      昼食   880円
      夕食 1,500円

9.申込方法等

(1)申込方法
 ・専用申込フォーム(基礎研修・ステップアップ研修共通)からお申込みください。
 ・同じメールアドレスで複数の参加者を登録することはできません。

(2)申込期間
 令和5年5月9日(火)9:00~5月31日(水)17:00

(3)参加決定通知
 ・結果は申込フォーム記載のメールアドレスに、メールで通知します。
 ・6月9日(金)を過ぎても連絡がない場合は、事業課までお問い合わせください。

(4)キャンセル
 キャンセルされる場合は、8月14日(月)までに必ず事業課までメールにて御連絡ください。それ以降はキャンセル料金が発生いたしますので、御注意ください。

(5)無料託児
 おおむね0歳(3か月)以上~小学6年生のお子さまを対象に、以下の時間帯で行います。御希望の方は、専用申込みフォームにて御申込みください。
 ①8月25日(金)12:00~17:30
 ②8月26日(土) 8:30~13:00

10 .その他

(1)参加決定者には、課題研究に即したワークシートを御提出いただきます。詳細は参加決定通知とともに御連絡いたします。

(2)フォローアップ調査の提出
 研修終了6か月後を目途に実施するフォローアップ調査に御回答ください。現場のニーズや課題を今後の事業企画に反映するために、ぜひ御協力をお願いいたします。

(3)調査研究への御協力のお願い
 現在の相談現場のニーズや課題を把握し、より良い研修や情報提供を行っていくための調査を実施しております。御回答いただいた事前アンケートなどを基に追加アンケートやヒアリングをお願いする場合があります。

(4)プログラムの変更・中止について
 感染症、気象状況、天災、官公庁からの指示、その他主催者が研修を安全かつ円滑に実施することが困難と判断した場合には、やむを得ずプログラム内容の変更又は開催を中止する場合があります。 なお 、これらの情報は、随時NWECホームページでお知らせします。


問合せ先

独立行政法人国立女性教育会館 事業課
〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
TEL:0493-62-6724・6725(平日9:00~17:00)
メール:progdiv@nwec.go.jp

*お問合せはなるべくメールでお願いいたします。

基礎研修

 6月20日~7月18日の日程で、公私立の女性関連施設等において、相談業務に携わっている相談員及び相談事業担当者、地方公共団体における相談事業を統括する立場にある方を含む関連施策担当者を対象に、令和5年度「女性関連施設相談員・相談事業担当者研修」(基礎研修)を実施しました。今年度は、オンラインによるプログラムを学習する「基礎研修」と対面による相談のスキルアップや相談事業のマネジメントを学ぶ「ステップアップ研修」に分けて実施しました。
 基礎研修は、定員を大幅に超える650名が参加し、ジェンダーの視点に立って相談者を理解するために必要な力を養うとともに、相談から見えるニーズを事業や施策に反映させ、地域の課題解決を進める実践的研修となりました。
また、情報交換会(希望者のみ)をライブ配信にて実施し、相談対応やSNS相談、男性相談の課題・工夫、人材確保・育成などのテーマに分かれて活発な情報交換が行われました。

開会

講義1「女性関連施設における相談事業の意義~ジェンダー視点に立った相談とは」

講師:加藤伊都子 NPO法人日本フェミニストカウンセリング学会代表理事
         フェミニストカウンセリング堺
女性関連施設の相談事業を運営し、男女共同参画の本質とその視点に立った相談業務の在り方について学んだ。相談者に向き合うために必要な自分自身のジェンダー視点を養い、女性の直面する困難が社会構造と深く結びついていることを踏まえ、女性相談のプロセスと役割について理解が深まった。

情報提供「女性相談に関わる国の最新施策の動向」

講師:田中宏和 内閣府男女共同参画局男女間暴力対策課課長
   淺井 康 内閣府男女共同参画局総務課課長補佐(地域担当)
   池田恭子 厚生労働省社会・援護局 女性支援室女性支援専門官

DVや性暴力の対策、女性相談支援等に関わる国の施策について最新情報を知り、相談事業の方向性について知見を広げることができた。

講義2「女性一人ひとりに寄り添う支援へ~困難な問題を抱える女性支援法の施行にむけて~」

講師:戒能 民江 お茶の水女子大学名誉教授
「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」制定の背景について学び、来年の施行に向けて相談現場で求められる支援の在り方について理解を深めた。

講義3「ジェンダーに基づく暴力とは」

講師:松本 和子 女性ネットSaya-Saya代表理事
ジェンダーに基づく暴力について、その要因となる背景、被害者にもたらす影響、被害者の回復プロセスと必要な支援等について学んだ。また、DVと児童虐待の関係についても理解が深まった。

講義4「関係機関との連携」

講師:甲木 京子 ぱ~ぷるリボン
ソーシャルワークに関わる支援の流れを踏まえながら、関係機関の機能把握や連携の仕方及び相談員が知っておくべき法制度の概要等について学んだ。

ワーク1・2・3「ケース別支援の在り方」

講師:河野 和代 ウィメンズカウンセリング徳島代表
   執行 照子 NPO法人日本フェミニストカウンセリング学会
   杉本志津佳 フェミニストカウンセリング堺
構成事例を基に、具体的にどのような相談対応をしたらよいかを考え、ジェンダーの視点に立った相談対応の基礎力を習得した。

講義5「相談者の立場に立った相談環境の整備」

講師:村瀬 智子 名古屋市男女平等参画推進室主査
相談者が安心して利用できる相談スペースの作り方、広報、社会資源情報の整備と提供方法等、女性関連施設における相談環境整備のポイントについて学んだ。

講義6「安心・安全な相談事業を成立させる相談システム」

講師:新堀由美子 男女共同参画センター横浜南フォーラム南太田館長 
相談の記録や統計の用い方、相談員のバーンアウトを防ぐ組織的対応等、安心・安全な相談事業を成立させるために必要な運営システムについて学んだ。

講義7「相談のニーズを事業・施策に反映する」

講師:北川 智代 三重県男女共同参画センター事業課相談係
個別相談から地域の課題やニーズをとらえ、事業や行政の施策に反映させる意義やその方法
について、実践例を基に学んだ。

講義8「グループ相談の効果と実際」

講師:宮本由起代 心のサポート・ステーション代表理事
グループ相談(サポートグループ等)の意義・期待される効果、目的に応じた枠組の設定及びファシリテーターの役割等について学んだ。

情報交換会(希望者のみ)

7月14日(金)10:30~12:00 
7月14日(金)14:00~15:30 

トピックごとに分かれて、参加者同士のグループセッションで業務に関わる情報交換を行った。

A:相談対応の課題・工夫  
B:相談記録の書き方・管理の仕方と統計の活用方法
C:SNS相談の課題・工夫 
D:男性相談の課題・工夫
E:人材確保・人材育成
   
参加者からの感想
・ジェンダーの視点に立った相談の具体的な内容や方法、また相談員自身の安全やエンパワメントの大切さなど具体的に学べてありがたかったです。
・誰にでもジェンダーバイアスがあり社会にはジェンダー格差があるので、それを常に自覚・意識する必要性を理解した。さらに抱えた困難の解決には人・社会と繋がる必要性、その支援のメリットとリスクを伝え、相談者が選択できるようにする役割を学んた。
・所属している部署では、一人で業務を行っていると感じ孤独感があったが、研修で全国の皆さんと繋がれた気持ちになり、一人ではないと一瞬でも思えたことで、頑張ろうと思えたことがよかった。
・女性相談に関わる最新の情報や知見を俯瞰できる大変質の高い内容で、本当に勉強になった。相談員やセンターの職員であれば誰もが受講できるとよいのにと思います。
・モラハラの相談や一見、女性相談なのかわからないような相談内容のケース検討が参考になりました。支援員の味方、感じ方、気づき、がいかに大事なのか勉強になりました。相談支援を深めるための研修を勉強させていただきたいです。
・ケース別支援のあり方が内容もよく、とても参考になった。オンラインでも自分で考える時間をとることで、学習が深まることを実感した。
・コロナ以降、就職氷河期からの影響による貧困、孤独孤立な立場の相談者向けの対応が目立ってきているためその支援策について学べたらと思います。

ステップアップ研修

 8月25日~26日(1泊2日)の日程で、令和5年度「女性関連施設相談員・相談事業担当者研修(ステップアップ研修)を実施しました。
 このステップアップ研修は、オンラインによる基礎研修を学んだ上で、ジェンダー視点に立った相談事業運営に係るマネジメント力や困難な事例への相談員としての対応力を身につけることができるよう集合形式で実施しました。2日間にわたり、集中的に学びを深めるとともに、参加者や講師を交えて日頃の業務に係る情報交換や互いのノウハウの共有を図るなど、対面ならではの積極的な交流が行われました。

<1日目 8月25日(金)>
課題研究Ⅰ「相談記録の書き方と管理・統計の活用」

講師:村瀬 智子 名古屋市スポーツ市民局男女平等参画推進室主査
 初日かつ最初の講義のため、参加者同士が自己紹介をしあうアイスブレイクからスタート。名古屋市での実際の取組事例をもとに、相談のケースをどう評価したのかを明確にすることで適切なリスク判断と対応が可能になることや名古屋市の相談室の管理体制などを紹介。さらに統計や報告書の作成・活用によって、見えない相談ニーズを施策や事業のかたちで「見える化」することの重要性を講義とワークで学びました。

課題研究Ⅱ「相談事業の基盤確保」 

講師:仁科あゆ美 一般財団法人大阪府男女共同参画推進財団理事・本部長
 相談からみえてきた課題を事業連携へと繋げ、施策に反映・発信ができることが重要です。そのためには、事業予算確保の工夫と広域連携といった組織的な基盤が必要であるということを大阪における取組事例を交えて報告。後半は「基盤確保」に関して何か工夫ができないか、参加者同士のグループ討議でお互いの現状と課題を共有しました。

ワーク「ストレスケアに役立つボディ・ワーク」(希望者のみ)

講師:甲木 京子 ぱ~ぷるリボン
 宿泊棟ラウンジでの落ち着いた雰囲気のなか、講師の説明に続いて実際に体を動かしながら、ストレッチや呼吸法、無理のない歩き方などを体験しました。ワークを通してからだと心も緊張がほぐれ、リラックスできるひとときを過ごしました。

情報交換会(希望者のみ) 

 レストランでの夕食後、宿泊棟ラウンジに移動し、講師・参加者同士が膝を交えて語り合える場を設けました。相談対応で判断に迷う事例や自組織の体制などに関する日頃の悩みから法律改正をめぐる社会の動きまで、幅広い話題での意見交換と互いのノウハウの共有を通じて、研修を離れても支え合える組織・担当者間のネットワークが広がりました。

<2日目 8月26日(土)>
課題研究Ⅲ「人材確保と育成の課題」

講師:谷口年江 静岡市女性会館指定管理者
        NPO法人男女共同参画フォーラムしずおか事務局長
 相談員の「人材の確保と育成」は各施設共通の課題です。谷口さんは施設管理者としての立場からみたセンター内相談室の立ち上げから人材の確保・育成・定着までのプロセスを振り返り、制約がある中でどのようなトライ&エラーを重ねてきたのかを報告。あきらめずにできることを探してみようとの力強いメッセージを送りました。後半は相談業務の未来を明るくするヒントを見つけることをねらいに、相談員に必要な力や疲弊しないために何をしたらよいのか、また相談員を組織として支えるために何ができるのかについて、グループごとに課題と意見を出し合いました。

グループスーパービジョン「相談対応の実際」

講師:加藤伊都子 NPO法人日本フェミニストカウンセリング学会代表理事
         フェミニストカウンセリング堺
 実際に抱えている困難事例について、事前に希望のあった参加者2名が講師と対話を重ね、その事例についての面接や対応の過程を振り返りました。講師からの今後の展開と対応に向けた具体的なアドバイスと社会的背景や課題の解説と、フロアからの積極的に質問や自身の経験を交えたコメントにより、事例を提供した2名だけでなく参加者それぞれの気づきと学びの機会になりました。

参加者からの感想(参加者アンケートより一部抜粋)

・他ではなかなかない、女性関連施設の相談事業のマネジメントに関わる内容であり、オンライ
ンでは得られない多くの情報や、交流を通じてネットワークができたことに満足している。
・技術的なことを学ぶことができたことはもちろんだが、各機関の方と話をさせていただいたこ
とで、いろいろな気付きがあり、同じ悩みだと思えたことがとても大きかった。

研修・イベント