研修・イベント

研修

実施報告

平成29年度「男女共同参画推進フォーラム」

開催期間:平成29年8月25日(金)~27日(日)<2泊3日> / 定員:①ワークショップの部:40件 ②パネル展示の部:各コマ8件程度

開催場所:国立女性教育会館


事業内容

 女性活躍推進、女性のキャリア形成支援、ワーク・ライフ・バランス等の課題の解決に資するための研修を実施するとともに、関係機関・団体等の相互交流の促進を支援。

1.趣 旨

 男女共同参画を推進する行政担当者、女性団体やNPOのリーダー及び大学や企業において組織内のダイバーシティや女性の活躍を推進する担当者等が一堂に会し、課題の共有と課題解決のための方策を探る研修を実施します。同時に、組織分野を越え、連携・協働して男女共同参画を推進するためのネットワーク形成を図ります。

2.テーマ

つなぐ、あらたな明日へ 
~女性も男性もともに暮らしやすい社会を創る~

3.日 程

平成29年8月25日(金)~8月27日(日)

4.主催及び会場

独立行政法人国立女性教育会館
〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
TEL 0493-62-6724、6725
FAX 0493-62-6720
Eメールアドレス progdiv@nwec.jp
ホームページ URL https://www.nwec.jp

5.参加者

男女共同参画に関心のある方(行政、企業、大学、NPO等の組織において男女共同参画の推進に携わる方、並びに女性団体、女性/男女共同参画センター職員を含む。)1,000名

6.内 容

【第1日】8月25日(金)

(1)開会 主催者あいさつ                      13:15~13:30

(2)特別講演                            13:30~14:40
   変わる勇気、変えるアクション~女性も男性もともに暮らしやすい社会を創る~
   
ソウルオリンピック柔道銅メダリスト山口香氏をお迎えします。長年、男性が中心的存在であり、指導的地位の女性が少なかった柔道界。そこで、自ら選手として、指導者として、道を切り拓いていった山口さんに、柔道を始めたきっかけ、選手・指導者として気づいた古いしきたりの矛盾、スポーツから学んだ行動力などについて、様々なエピソードを交えながらお話いただきます。一人ひとりが勇気を持ち社会に声を発すること、具体的に行動することの大切さと、性別にかかわらず全ての人が能力を発揮できる社会のあり方について、会場のみなさんと共に考えます。
 講 師:山口  香  筑波大学体育系准教授

(3)ワークショップ1・パネル展示1                 15:30~17:30
会館提供ワークショップと全国から募集したワークショップやパネル展示を行います。

(4)懇親会 参加費3,500円(税込)、立食 18:30~20:00

【第2日】8月26日(土)

(5)ワークショップ2・パネル展示2                 10:00~12:00
全国から募集したワークショップやパネル展示を行います。

(6)40周年記念シンポジウム                    13:00~15:00
自分が変わる、社会を変える~明日に向けてのロードマップ~

 今年、NWECは開館から40年を迎えます。この間、グローバル化やIT化、少子高齢化の進行に伴い、家族の形態や働き方が変化し、多様な価値観が創出されるなど、日本の状況も大きく変わりました。このシンポジウムでは、働き方改革やワーク・ライフ・バランスの推進、女性のリーダーシップ、男性の地域参画などの視点から、最前線で行動している方々にご登壇いただきます。これまでの男女共同参画推進の歴史を踏まえつつ、現在の日本が抱えている男女共同参画の課題を掘り下げ、男性も女性も共に働きやすく、暮らしやすい社会を創出するための議論を展開します。
パネリスト:
 多賀  太  関西大学文学部教授
  女性だけでなく、男性もまた固定的な「男性像」や「男らしさ」に縛られています。男性が抱える
 「生きづらさ」の可視化と分析を通じて、一人一人が能力を発揮して自分らしく生きることのできる
 社会を創るために何が必要かについて提言いただきます。

 田中 恭代  旭化成株式会社 人事部付 シニアマネージャー
        前 旭化成アミダス(株)代表取締役社長
  女性社員の就労継続、女性管理職の登用拡大を目指し、社内における仕事と家庭の両立支援制度を
 整えた結果、女性社員の離職率激減させたことや企業トップの経験を踏まえ、女性が活躍できる仕組み
 づくりのポイントや、組織の風土改革について提言いただきます。

コーディネーター:
 内海 房子  国立女性教育会館理事長

(7)ワークショップ3・パネル展示3                 15:30~17:30
全国から募集したワークショップやパネル展示を行います。

【第3日】8月27日(日)

(8)ワークショップ4・パネル展示4                 10:00~12:00
全国から募集したワークショップやパネル展示を行います。

(9)映画上映会                           13:00~14:15
「アッラーと私とスカーフと」
 カナダのトロントに住む4人のイスラム教徒の女性たちをめぐるドキュメンタリー映画。ヒジャブと呼ばれる髪を隠すスカーフを被るか被らないかという決断を通じて、彼女たちが自分の生き方を「自分で決める」姿を描きます。
上映前には監督の横間恭子氏が舞台挨拶及び作品の解説を行います。
 横間 恭子 監督(カナダ在住)

7.ワークショップについて

(1)趣旨
フォーラム期間中、会館及び一般公募による団体・個人が、男女共同参画、ダイバーシティ及び女性の活躍推進を目的とした日頃の取組や研究、教育、学習、実践活動の発表を行う場として、ワークショップ及びパネル展示を実施します。

(2)テーマ
ワークショップ及びパネル展示のテーマは「第4次男女共同参画基本計画」に示されている施策などを参考に設定した、以下の7分野です。

(3)会館提供ワークショップについて
会館から発信する学習支援や実践報告のワークショップを実施します。
①「ユースが見てきた世界とユースから見える社会」  
8月26日(土)15:30~17:30
10代から30代の若者が、今感じていることや身の回りで起きている問題について発信します。第1部では、ニューヨークの国連本部で開催されたCSW(国連女性の地位委員会)に参加し学んだ経験を国内外でどのように活かし、つなげていくか、実際に活動している先輩と共にパネルディスカッションを行います。第2部では、若い女性の生きづらさや見えにくい貧困、LGBTに対する/SOGI(性別や性的指向)に基づく差別などユースの生きている現実について報告し、今後の取組みの可能性について会場の参加者とともに考えます。
 コーディネーター:草野 由貴 JAWW会員CSW61メンター
                女性と人権全国ネットワーク事務局

②「男女共同参画の視点に立った企画の立て方と学習オーガナイザー養成」  
8月27日(日)10:00~12:00
男女共同参画社会の実現を推進するためには、地域課題の解決に向けて男女共同参画の視点から体系化された効果的な学習プログラムの開発・企画することと同時に、それを展開していくための人材としての「学習オーガナイザー」が必要です。本ワークショップでは、学習プログラムの設計図となる「プログラムデザイン」の解説や、これまでの「学習オーガナイザー養成研修」事業の成果報告、フロアとの意見交換などを通じ、男女共同参画の視点に立った企画のあり方について考えます。
 講 師:神田 道子 東洋大学名誉教授、国立女性教育会館事業課客員研究員
 講 師:松下 光恵 特定非営利活動法人男女共同参画フォーラムしずおか代表理事
 ファシリテーター:西山恵美子 国立女性教育会館事業課客員研究員
 コメンテーター :亀田 温子 日本女性学習財団理事

(4)ワークショップ選定委員
募集ワークショップ(ワークショップの部、パネル展示の部)の選考と調整を行います。
・犬塚 協太   静岡県立大学国際関係学部教授
・小山内世喜子  前NPO法人全国女性会館協議会代表理事
・小野島恵子   公益財団法人21世紀職業財団開発事業部長

8.参加申込・受付について

(1)日帰りまたは通い参加の方
事前申し込みは必要ありません。直接、本館1階の受付にお越しください。
当日記入する「日帰り・通い参加申込書」は以下からダウンロードできます。
   
(2)会館への宿泊を希望される方
宿泊申込期間:7月10日(月)より開始
「宿泊申込書」に必要事項を記入の上、国立女性教育会館事業課宛に郵送、または、Eメール(宛先progdiv★nwec.jp ★を@に変えて送信)かフォーラム専用申込みフォームからお申し込みください。
*先着順、満室になり次第締め切ります。(満室となった際は御自分で近隣の他の宿泊施設を御手配ください。)
*送受信の行き違いを防ぐため、FAXでのお申込みは不可とさせていただきます。
*部屋割の都合上、他の参加者の方と相部屋となりますことをあらかじめ御了承ください。ただし、体調などの関係でシングル希望の方は申込書に御希望の旨記載ください。
*当日の宿泊申込はできませんので御了解ください。

9.所要経費

(1)参加費:無料
(2)宿泊費:フォーラム開催期間中及び前泊・後泊は、小学生以上1泊あたり 1,200円。
  ★未就学児はベッドパッド代として1名あたり1泊500円。
(3)懇親会費:3,500円 8月25日(金) 18:30~20:00、立食形式、本館レストラン
  (そのため8月25日(金)夜は、食堂の通常営業は行いません。)
  *宿泊費及び懇親会費は当日受付で集金いたします。

10.託児(事前申込制、先着順)

フォーラム期間中、おおむね1歳以上から学齢未満のお子様の託児を実施します。御希望の方は、8月10日(木)までに事業課フォーラム担当まで御連絡ください。ただしお預かりすることのできるお子様の人数に限りがあります。

11.情報コーナー

参加者の皆さまが、所属団体のパンフレットやチラシなどの資料や書籍などを自由に交換・販売するコーナーを設置しますので、御利用ください。資料の運搬、陳列、金銭の取扱いなどは、各自の責任でお願いします。
(場所:本館1階南側レストラン前)

12.送迎バス

期間中、国立女性教育会館本館前~東武東上線武蔵嵐山駅東口間で無料送迎バスをピストン運行しますので御利用ください。
*運行間隔は、1時間に3~4本程度です。

13.その他

以下の点について、あらかじめ御了承ください。
(1)参加者同士の交流・情報交換の促進を目的とした場ですので、署名運動や行き過ぎた勧誘、募金等は御遠慮願います。
(2)申込書等で得た個人情報については、事業実施のための連絡及び参加者の統計情報として使用します。その情報は厳重に管理し、取扱いには十分留意いたします。
(3)期間中、当館が撮影した写真を記録や広報に使用することがあります。

平成29年度「男女共同参画推進フォーラム」募集ワークショップ ワークショップの部及びパネル展示の部 募集について

 平成29年度「男女共同参画推進フォーラム」期間中、男女共同参画、ダイバーシティ及び女性の活躍推進を目的とした日頃の取組や研究、教育、学習、実践活動の発表を行う場として、NWEC及び一般公募団体による募集ワークショップを実施します。ワークショップの部及びパネル展示の部の運営団体を、以下のとおり募集します。

1.日 程

平成29年8月25日(金)~27日(日)

日程表

2.実施会場

国立女性教育会館
 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728番地(最寄駅:東武東上線武蔵嵐山駅)

3.募集件数

①ワークショップの部 40件(1団体1コマ実施)
②パネル展示の部   各コマ8件程度(期間中1コマ~3日間通しまで可)

4.応募要件

 企業、大学、行政、NPO団体等における男女共同参画やダイバーシティ、女性の活躍推進に携わる組織や部署及びこれらに関する研究、教育、学習、実践を行っている団体・グループや個人(選考に当たっては、団体の応募を優先します)。
◆留意事項
(1)次にかかる内容の応募は、対象外といたします。採択の決定後であっても、その内容が下記に抵触することが判明した場合には決定を取り消します。
・訴訟その他で当事者間に争いがあり、その一方の主張を展開するもの
・宗教的、商業的な活動を目的とするもの
・特定の政治的立場に立ち、特定の政党や政治家を中傷し、又は支援することを目的とするもの
・国際交流、国際親善を阻害する恐れのあるもの
・物品の直接販売行為や予約販売をするもの
・平成29年度「男女共同参画推進フォーラム」の趣旨に照らして不適当と判断されたもの
(2)調整の結果、実施日時はご希望に添えない場合があります。
(3)当日の会場準備・後片付け等は、すべて運営団体による自主運営です。
(4)参加費や見学費は無料として実施してください(資料代実費の徴収は可)。
(5)事業記録や広報のため、実施中の様子を職員が撮影いたします。

5.テーマ

 ワークショップ及びパネル展示のテーマは「第4次男女共同参画基本計画」に示されている施策などを参考に設定した、以下の7分野としてください。

テーマ

6.申込方法

①フォーム:「男女共同参画推進フォーラム募集ワークショップ」申込フォームから入力してください。
②メール又は郵送:ページトップより様式(別紙1・別紙2)をダウンロードし、必要事項を記入の上、Eメール添付、または封書で郵送してください。
 ※FAX不可

7.申込受付期間

4月28日(金)~5月22日(月)午後5時必着

8.決定のお知らせ

 結果については、応募要件や会場・日程等を考慮し、外部の有識者による選定委員会にて調整の上、平成29年6月下旬(予定)頃、連絡いたします。これ以前の実施の可否に関するお問合せはご遠慮ください。

つなぐ、あらたな明日へ~女性も男性もともに暮らしやすい社会を創る~

 平成29年8月25日(金)~27日(日)に、NWEC夏の恒例、「男女共同参画推進フォーラム」を実施しました。
 行政、女性団体、NPO、大学、企業などの担当者や一般参加者が一堂に会し、課題の共有と課題解決のための方策を探ると同時に、組織分野を越え、連携・協働して男女共同参画を推進するためのネットワーク形成を図ることを目指して開催しました。残暑が厳しい中、北海道から沖縄まで全国各地から約1,000人の方々にご参加をいただき、学びと交流を深めた熱気あふれるフォーラムとなりました。

特別講演

8月25日(金)午後1時30分~2時40分
「変わる勇気、変えるアクション~女性も男性もともに暮らしやすい社会を創る~」
山口 香 氏(筑波大学体育系准教授、ソウルオリンピック柔道銅メダリスト)

 長年男性が中心的存在であり、指導的地位の女性が少なかった柔道界で、自ら選手として、引退後は指導者として道を切り開いていった山口香さんを講師に迎え、様々なエピソードを通じて、柔道を始めたきっかけや歩んできた道程での気づきと矛盾、そしてスポーツから学んだ行動力などをお話しいただきました。文化として刷り込まれていたり、「そうあるべきもの」と思いこんでいる既成概念やシステムを一度各々がフラットにし、別の見方や疑問を持って考える「Mind Set」が必要であると強調しました。
 スポーツで女性が抱える問題は社会で女性が抱える問題と同じであり、女性の問題は女性だけでは解決できません。すべての人が男女にとらわれず、互いの価値を見出し、違いを尊重していくこと、一人ひとりが勇気をもって声を発すること、具体的に行動することが男性・女性に関わらず、暮らしやすい社会を創るために重要であるとのメッセージが投げかけられました。
 山口さんのお話はパワーと迫力があり、かつユーモアをたっぷりと交えながら進められ、満員の会場は、終始笑いと熱気に包まれました。

40周年記念シンポジウム

8月26日(土)午後1時~3時
「自分が変わる、社会を変える~明日に向けてのロードマップ~」

パネリスト:多賀 太  氏(関西大学文学部教授)
      田中 恭代 氏(旭化成株式会社人事部付シニアマネージャー
              /前旭化成アミダス株式会社代表取締役社長)

コーディネーター:内海 房子(国立女性教育会館理事長)

 会館は今年11月に40周年を迎えます。そこでまず、コーディネーターの内海理事長が日本における男女共同参画の歩み、国立婦人教育会館(現国立女性教育会館)設立経緯や経過について当時の写真などを映し出しながら説明するとともに、現在会館で行われている調査研究、研修事業(「企業を成長に導く女性活躍促進セミナー」や「男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査研究」)を紹介しました。

 田中氏からは、働き続けることを選択した女性のこれまでの道のりや今までの経験が語られました。男女の性差を意識せず過ごしていた大学時代とは一変した旭化成入社後に、ぶつかった壁や気づき、出会った言葉が自分の原点になったことなどが伝えられました。例えば後輩から「田中さんにはなれません」と言われた時はショックだったそうです。頑張っている田中さんを見て後輩は、「あんなに大変なことは自分にはできない」と思っていることを知り、私だけ頑張っても誰もついてこないことがわかったと語りました。さらに田中さんが入社して10年目ごろ、辞めようかと友人に相談した時に、「続けているだけですごいこと。継続は力だね」と、自分を丸ごと認めてもらえた時にうれしさを感じたことや、ずっと事務職だった田中さんが、「王道」と言われた工場の部署を希望した時に、「どこが君の現場?事務職で働いている女性の気持ちを一番わかるのは君だよね。あなたにしかわからない現場はここじゃないの」と言われた言葉から、自分が得意な、自分しかわからない場所を見つめ直すことで、自分の立ち位置や持ち場を考えるきっかけになったことなどのエピソードの紹介がありました。
 最後に、EO(イコールオポチュニティ)推進室を立ち上げ、株式会社旭化成アビリティでの障がいのある仲間との出会いを通じて気づいた、男性も女性も障がい者もその人の個性であり、個々の能力や可能性を信じて助け合う社会を創りましょうというメッセージを投げかけました。

 多賀氏は、まず最初に男性にとっての男女共同参画の二重の意義として、男性のあり方が女性の活躍を阻んでいることをあげ、男性が変わらなければならないことや、固定的性別役割のために男性が疲弊し、生きづらさを抱えていることを述べました。育児参加への期待が高まる一方で、一家を支えるという扶養責任が男性・女性の意識の中にもまだまだ残っており、男性も仕事と家庭生活の両立をめぐり悩んでいる現状や、妻の負担を軽くするために育児参加をした場合には競争から「降りた」者として扱われることなどを訴えました。非正規雇用率の急増で男性が安定した収入を確保することが難しいことが婚姻率の低下につながっていることなど、社会情勢の急激な変化の中で、これからは「標準的働き方」を変え、女性が経済的自立をはかることが必要だと説きました。そしてワーク・ライフ・バランス社会の実現に向けて、「仕事だけに没頭し、家庭責任が免除される働き方が標準」とされない社会、お客様中心体制の見直し、家庭責任を負う労働者が能力を発揮できる労働環境、自分や同僚、部下のワーク・ライフ・バランスに敏感であること等、社会・国政レベル、職場組織、地域、個人、そして教育における取組について提言しました。

 最後に、内海理事長は、家庭責任を負う労働者が能力を発揮できる労働環境づくりが必要であり、家庭も仕事も情熱をもって一生懸命取り組む方々が増えることを願っていますと結び、一人ひとりの力を発揮でき、男女ともに暮らしやすい社会づくりのための議論を展開するシンポジウムとなりました。

映画上映 「アッラーと私とスカーフと」 

8月27日(日)午後1時~2時15分
監督 横間 恭子氏(カナダ在住)

 この映画は、カナダのトロントに住む4人のイスラム教徒の女性たちがヒジャブと呼ばれる髪を隠すスカーフを被るか被らないかという決断を通じて、自分の生き方を「自分で決める」姿を描くドキュメンタリーです。この映画の監督はカナダ在住の横間恭子さんです。この夏日本に来日しており、当日はNWECへ舞台挨拶にお越しいただきました。横間監督から、イスラム教についてや、ヒジャブが宗教的・文化的・民族的に複雑に絡み合っている背景などの説明があり、このあと鑑賞する映画への理解がより深まりました。また上映後は、質問にも丁寧に受け答えしていただきました。参加者からは、「ヒジャブを被る、被らないかがこんなに考えさせられる問題だと初めて気づいた」「4人の女性の言葉をここまで引き出せたのは素晴らしいと思った」「舞台挨拶や、質疑応答の時間を取ってくださったことがうれしかった」などの声がありました。

ワークショップの部・パネル展示の部

「第4次男女共同参画基本計画」に示されている施策を参考に、以下7つのテーマを設定し、全国からの応募を受け、ワークショップ48件、パネル展示11件合計59件が採択されました。

①男性中心型労働慣行等の変革
②女性の活躍と女性のキャリア形成支援
③学校教育における男女共同参画
④安全・安心と男女共同参画
⑤地域づくりにおける男女共同参画
⑥男女共同参画センターの役割
⑦国際的な協調及び貢献

会館提供ワークショップ

 期間中2つのNWEC提供ワークショップ「ユースが見てきた世界とユースから見える社会」と「男女共同参画の視点に立った企画の立て方と学習オーガナイザー養成~キャリア開発プログラムを通して~」を実施しました。

 8月26日(土)に行われた1つめのワークショップ「ユースが見てきた世界とユースから見える社会」では、草野由貴さん(JAWW会員CSW61メンター/女性と人権全国ネットワーク事務局)のコーディネートのもと行いました。第1部では、ニューヨークの国連本部で開催されたCSW(国連女性の地位委員会)に参加し、学んだ経験を国内外でどのように活かしつなげていくかについて模索する、唐木まりもさん(JAWW会員CSW61参加、国際基督教大学4年)と飯塚帆南さん(日本BPW連合会インターンとしてCSW61参加、三井不動産レジデンシャル株式会社)、山下瑛梨奈さん(アムネスティ・インターナショナル日本キャンペーン担当)から報告がありました。
 第2部では、若い女性の生きづらさや見えにくい貧困、LGBTに対する/SOGI(性的指向と性自認)に基づく差別などユースの抱えている社会的課題の解決に取組んでいる、竹下奈都子さん(特定非営利活動法人BONDプロジェクト広報)、布施えり子さん(フリーター全般労働組合/キャバクラユニオン共同代表)、カワセミさん(のんき代表)の3名の方が登壇し、活動報告をしました。今後の取組の可能性について会場の参加者とともに考えるプログラムを行い、たくさんの学生や若い方の参加がありました。

 また、27日(日)には、2つめのNWEC提供ワークショップ「男女共同参画の視点に立った企画の立て方と学習オーガナイザー養成~キャリア開発プログラムを通して~」が実施されました。このワークショップは、地域課題の解決に向けて男女共同参画の視点から体系化された効果的な学習プログラムの開発・企画と、それを展開していくための人材としての「学習オーガナイザー」育成に向け、男女共同参画の視点に立った企画のあり方にせまることをねらいとして、約40名の参加者を得て実施しました。
 冒頭は「プログラムデザインの意義と役割」と題したミニ講義。講義では、なぜ男女共同参画の視点から社会参画が必要なのか、そしてプログラムデザインによる学習の「見える化」の必要性とその学習をオーガナイズ(organize)することの重要性について指摘。さらに2つめのミニ講義では静岡市の実例を交えてPDCAサイクルを意識した男女共同参画の視点からぶれない企画のポイントについて学びました。後半のグループワークでは「男女共同参画の視点に立った企画に必要な要素」について抽出。対象者をイメージしながら、どんな学習プログラムが必要となるかを話し合いました。参加者アンケートには「゛参画することは社会をつくること”とのコメントが印象に残った」「企画で悩んでいたが、具体的に学べて有意義だった」「オーガナイザーとしての知識をもっと身につけたい」などのコメントが寄せられ、次回の学習オーガナイザー養成研修(平成30年1月18日(木)~20日(土)2泊3日で開催)への期待と関心がさらに高まったワークショップとなりました。

 そのほかにも、本館1階アーカイブ展示室では、「国立女性教育会館開館40周年展」を開催し、多くの来館者が足を止めました。
 加えて、フォーラム期間中は会館ボランティアによる交流プログラムとして、会場全体を通じた参加者同士の情報交換やネットワークづくりの場も多数展開されました。
 
 参加者からは「山口さんの講演を聞いて、パワーをもらい元気が出た。男性も女性も互いにそれぞれの価値観の違いを認めつつ支え合っていける社会にしていきたい」「全国からあらゆる分野の方々が参加するフォーラムはNWECだからこそ。多様な方との交流も深められた」「NWECで学んだことを持ち帰り、男女が楽しく成長できる社会づくりを目指したい」などの声がありました。
 
 どうぞ来年のフォーラムにもぜひお越しください。次回は平成30年8月30日(木)~9月1日(土)開催予定です。

研修・イベント