研修・イベント

研修

実施報告

2019年度「企業を成長に導く女性活躍促進セミナー」

開催期間:2019年10月23日(水)~24日(木) / 定員:80名

開催場所:国立女性教育会館 / 放送大学東京文京学習センター /


事業内容

企業における男女共同参画の推進、女性の活躍推進を図るため、管理職、人材育成推進者、チームリーダーを対象とした研修を実施。

お知らせ

【申込について】2019/10/21
 申込を締め切りました。
 多数の申込ありがとうございました。


【申込期間再延長について】2019/10/11
 1日目の申込を延長します。
 収容人員に達した場合に締め切ります。


【申込期間延長について】2019/10/7
 会場に余裕があるため申込期間を延長します。
 締め切り 10月8日(火)正午→10月11日(金)正午
 ※定員に達した場合は申込を締め切ります。


【24日の申込について】2019/10/4
 24日(木)は会場の定員に達しましたので申込期限前ですが、募集を締め切りました。
 ↓
 24日(木)のみ募集を締め切っていましたが、好評につきまして会場設営を見直し参加枠を増やし、追加募集を行います。
 急なご変更で混乱させてしまい、誠に申し訳ございません。


【一部ちらしの訂正について】2019/9/10
 裏面 情報交換会参加費 3,500円→3,600円
 10月からの消費税増税に伴い、変更となりました。
 ホームページにあがっているものは修正しました。

1.趣  旨

テーマ:「働きがいを成長につなげる~女性が活躍する職場環境と人材育成~」
 一億総活躍社会を実現するために、働き方改革法が施行され、さらに女性活躍推進法の改正により中小企業にも義務が拡大されました。今まさに、一人ひとりが活躍できる多様な働き方が求められています。社員一人ひとりが働きがいを持っていきいきと働き、企業の成長、さらに社会の発展を実現する方法を考えます。

2.内  容

 本セミナーは、企業における女性の活躍推進を図り、男女共同参画社会の形成に資するため、企業におけるダイバーシティ(女性の活躍促進)の推進者、管理職、リーダーを対象に実施します。基調講演、パネルディスカッションやグループワークを通して、参加者の直面する疑問や課題に向き合い解決の方向を探ります。
 情報交流会において、参加者同士による情報交換やネットワークづくりの場を提供します。

3.主  催

独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)

4.後  援

厚生労働省、経済産業省、全国中小企業団体中央会、一般社団法人日本経済団体連合会、日本商工会議所

5.会  場

1日目:放送大学東京文京学習センター
    〒112-0012 東京都文京区大塚3-29-1  
    TEL:03-5395-8688
2日目:国立女性教育会館
    〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
    TEL:0493—62-6724
    FAX:0493-62-6720

6.期  日

令和元年10月23日(水)~10月24日(木)1泊2日(日帰り参加も可能)

7.対象及び定員

企業におけるダイバーシティ(女性の活躍促進)の推進者、管理職及びリーダー 80名
※官公庁・独立行政法人・大学等の方も参加可能です。

8.日  程

9.内  容

第1日 10月23日(水)              【東京・茗荷谷会場】

(1)開会                                    13:00~13:05
 主催者あいさつ:内海 房子  国立女性教育会館理事長

(2)基調講演「働きがいと女性活躍の取組~人が真に活きる経営を求めて~」     13:10~14:40
 女性活躍が可能な社会は、誰もが活躍できる社会。あらゆる人が能力を発揮し、いきいきと働くことのできる職場環境や人材育成について、これまでの取組をふまえてお話しいただきます。
  講 師:斉之平 伸一   三州製菓株式会社代表取締役社長

(3)パネルディスカッション「働きがいにつながる職場環境・人材育成とは」     15:00~17:00
 人口減少に伴う人手不足の中、我が国では、働き方改革、特に長時間労働の見直しや育児・介護休暇をとりやすい職場環境の構築が求められています。持続可能な開発目標(SDGs)では「目標8:働きがいも経済成長も」があげられ、企業の取組もESG投資などを促すため活発になってきています。女性活躍を含めた働きがいのある職場環境と人材育成のあり方ついて議論を深めます。   
  パネリスト:杉本 仁美 株式会社りそな銀行市ヶ谷支店支店長
  パネリスト:クイン ユーニス雅子 ジョンソン・エンド・ジョンソン 日本法人グループ 人事部 
        ヘッド、サプライチェーン
  パネリスト:増田 敏政 増木工業株式会社代表取締役
  コーディネーター:大槻 奈巳 聖心女子大学現代教養学部人間関係学科教授、キャリアセンター長

(4)1日目閉会                                 17:00~17:10

 <バスで国立女性教育会館へ移動>(約90分)

(5)情報交換会(希望者のみ)                          19:00~20:30
 全国からの参加者と交流し、参加者同士の情報ネットワークづくりを行います。

第2日 10月24日(木)             【埼玉・武蔵嵐山会場】

(6)情報提供「新入社員の意識調査から」                      9:00~9:50
 国立女性教育会館が平成27年から行っている新入社員の追跡調査をもとに、入社時から4年目にかけてのキャリア意識とその変化について紹介します。
  講 師:島 直子   国立女性教育会館研究国際室研究員

(7)講義「アクションラーニング」                         9:50~10:40
 21世紀型のリーダーシップ育成方法として注目され、リーダーに必要なコミュニケーション力養成に効果的なアクションラーニングを学びます。業務上で抱える問題について、対話を通じて解決するとともに、活気のある風土、自律型チーム、変革を生み出すリーダー育成に有効な学習方法です。
  講 師:早川 枝里   国立女性教育会館事業課客員研究員

(8)グループワーク1                              10:40~12:30
 グループに分かれて、参加者同士の背景や問題意識を共有し、実際の業務での問題を事例に、アクションラーニングに基づいたディスカッションを行います。

(9)グループワーク2                              13:30~15:15
 引き続き、グループごとにアクションラーニングに基づいたディスカッションを行い、話し合ったことを発表して全員で共有します。

(10)閉会                                    15:15~15:25
 アンケートの記入及び回収

10.申込方法等について

(1)申込方法
 申込フォームよりお申込みください。
 *記入事項に回答し送信ボタンをクリックすると、回答のコピーが指定したアドレスにメールで届きます。コピーが届かない場合は正しく送信されていませんので、必ずご確認ください。
 *申込フォームより送信ができない場合は、別紙参加申込書に必要事項を記入の上、事業課に郵送ください。
 *送受信の行き違いを防ぐため、FAXは不可とさせていただきます。


(2)申込期限   令和元年9月6日(金)9時~10月11日(金)正午 ※先着順
 *申込期間内でも、定員に達した場合は申込を締め切ります。

(3)参加決定
 参加申込書記載の連絡先に電子メールにて、順次お知らせします。
 *10月11日(金)までに通知が届かない場合は、事業課までお問い合わせください。
  (電話:0493-62-6724 平日9:00~17:00)

11.所要経費(金額はすべて消費税込)

(1)受講料    無料

(2)情報交換会費 3,600円(希望者のみ)
 1日目のプログラム終了後、無料バスで国立女性教育会館まで移動します。会館到着後、夕食を兼ねた情報交換会を立食形式で行います。
 *宿泊費及び情報交換会費は当日会館フロントで集金します。
 *23日夜は食堂の通常営業は行いません。

(3)宿泊費   開催期間中は1泊1,200円
   
(4)食 事   会館レストランを御利用ください。
 (朝食バイキング:880円、昼食カフェテリア形式:550~880円、夕食バイキング:1,100円)

12.その他

(1)広報
 職員が撮影した写真を、事業記録や広報(ホームページ、SNS、チラシ等)のために使用することがあります。あらかじめ御了承ください。

(2)モニター調査の実施
 セミナー終了後3か月後を目途にモニター調査を行う予定です。その際には御協力いただきますようお願いいたします。

2019年度「企業を成長に導く女性活躍促進セミナー」事業報告

働きがいを成長につなげる~女性が活躍する職場環境と人材育成~

 令和元年10月23日(水)~24日(木)に、企業におけるダイバーシティ(女性の活躍促進)の推進者、管理職、リーダーを対象とした「企業を成長に導く女性活躍促進セミナー」を開催した。企業関係者及び独立行政法人、地方自治体の担当者など全国からの参加者と共に女性活躍を含めた働きがいを成長につなげる方法について考えを深めた。

【10月23日(水)放送大学東京文京学習センター】

基調講演

「働きがいと女性活躍の取組~人が真に活きる経営を求めて~」        13:10~14:40
 講師:斉之平 伸一氏 三州製菓株式会社代表取締役社長

 社長になって30年、斉之平氏は最初からずっと女性活躍を社内で推進しようと考えてきたという。女性の活躍によって経済も発展させるということを考えてきたからである。
 「人が真に活きる経営」を追求してきたのは、生き生きとした職場を作ることでよい商品を作り、お客様の満足度を高め、それで利益を上げ社員へ還元し満足度を上げていく、という思いがあったからだ。コンプライアンス宣言の中では「うそをつかない」ということを大切にしている。また、社員に対して怒らないということを徹底している。そういうことで社員との信頼関係が醸成されると思っている。
 ダイバーシティ経営とは、様々な方が活躍できる職場を作るということである。そのための制度を作れば進むのかというとそうでなく、制度や仕組みが機能することが大切である。それには、理念(フィロソフィー)が大切で、渋沢栄一翁も経営理念としていることであるが、理念や会社の風土をいかに浸透させるかということだと考える。
 ドラッガーが「平凡な人が非凡な成果をあげられるようなチームを作ることが大切」と言っている。安全な職場は、発言が均等に与えられている職場であり、心理的安全性が高い。多様な人間の集まりができると「弱み」を補完して「強み」に変わっていく。そのために、支援型の職場を作りたいと思う。管理職を「支援職」と言い、助け合いお互い様の職場を作ることで働きやすさにつなげている。
 1度しかない人生で三州製菓を選んでくれたという思いがある。人を中心にした経営で、働きがいのある職場にしたいと思う。全員が活躍できる会社、全員経営をいかに実現するかを考えている。「仕事そのものが面白い」という職場風土を作ることが働きがいにつながるのだと思う。

パネルディスカッション

「働きがいにつながる職場環境・人材育成とは」               15:00~17:00
 パネリスト:杉本 仁美 株式会社りそな銀行市ヶ谷支店支店長
 パネリスト:クイン ユーニス雅子 ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ人事部ヘッド、
                  サプライチェーン
 パネリスト:増田 敏政 増木工業株式会社代表取締役
 コーディネーター:大槻 奈巳 聖心女子大学現代教養学部人間関係学科教授、キャリアセンター長

(1)事例報告

1)聖心女子大学(大槻奈巳氏)

 冒頭、「なかなか働きがいにつながっていない場合が多い」と指摘され、さらに「今までの前提を問い直し新しい社会を作る必要がある」と投げかけた。
 女性が管理職になっていない理由を家族重視モデルではなく職場重視モデルで考える必要があるのではないか。つまり職場そのもののあり方に女性が仕事を続けていけなくなるような構造があるのではないか。「女性の特性をいかして」という考えは分離をうむ可能性が高い。「女性はこういうもの」「10年やって1人前」など職場管理職のレベルで無意識に思ってしまっている。女性が不利になっていることは改善する。
 真の女性活躍のためには、昇進や仕事の割り当てに男女同じ基準を用いるべきで、女性にも知識技能が蓄積され責任を持てる仕事を割り当てるべきである。女性が普通に働き続けることができる社会は、男性にとっても働きやすい社会である。


2)株式会社りそな銀行(杉本仁美氏)

 りそな銀行の女性活躍の基点は、2003年のりそなショックであった。人手不足を解消するために女性活躍が推進され、総合職、一般職の廃止等様々な制度改革を行ってきた。
 人事制度では、キャリアフィールド制度を導入した。これは、自分がどのような分野で活躍したいのか自分で宣言するようなもで、やりたい仕事を働きたい場所でするということである。また、同一労働同一賃金で、同一の職務グレードであれば同一賃金ということ。性別や年齢、経験年数は関係ない。さらに、ライフイベントに合わせた多様な働き方や人材の採用方法の拡大を見込み、「社員」「スマート社員」「パートナー社員」が選択できる。キャリアアップも図れる。
 女性活躍推進の原動力になったのは「りそなWomen‘s Council」である。2005年社員の声を経営に反映させる「経営直轄の諮問機関」として発足した。支店長クラス等肩書きは様々、仕事内容も違う仲間であり意見を言い合うことで、自己成長につながり心の支えになっている。さらに信頼関係は続く。提言はライフイベントをサポートする制度につなげてきた。
 10年前に制度がなかったわけではない。意識改革、研修や周知を徹底し、企業風土が醸成された。育児や仕事を両立させながらキャリアアップするという意識が必要である。


3)ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ(クイン ユーニス雅子氏)

 ジョンソン・エンド・ジョンソンでは、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)がとても大切にされている。「Our Credo(我が信条)」がある。社員一人ひとりが個人として尊重され、受け入れられる職場環境を提供しなければならないとある。社員の多様性と尊厳が尊重される。社内には「You Belong」という定義、職場風土がある。「あなたの居場所」という意味である。
 過去と現在の4つのエピソードを紹介する。①1886年創設時、14名のうち8名が女性であり、当時としては画期的な採用であった。現在、誰もが持っている無意識の偏見を何かをするときにそこへ立ち返れるようにトレーニングを行っている。アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)について語れるような場を設けている。②1907年、女性のサイエンティストを採用した。現在未来の女性リーダー、リケジョへの支援を積極的に行っている。③1907年、ローレルクラブ(ボランティア)の活動を始めた。現在、ジェンダーダイバーシティと女性のリーダーシップ開発、LGBTの啓発等の様々な活動を行っている。④1989年、タラという女性社員から周りの承諾、理解があり、在宅勤務が始まった。その後彼女はリーダーになった。現在、D&Iの推進の協力体制がある。男性の育児休暇取得率も進んでいる。
 実際には、社内にD&Iや女性活躍の推進室はない。社員が真ん中にいて、職場風土も制度もそれを支える形になっている。D&Iさらに発展させていきたい。


4)増木工業株式会社(増田敏政氏)

 「課題だらけであった。」仕事と子育ての両立、育児休暇後の働き方、社員の大学進学や専門分野への興味等あった。また、「3K(きつい/きたない/給料が安い)」と言われ、長時間労働が当たり前だった。そこで、個々が積み上げてきたスキルを活かすため、女性が退職せずに仕事を続けられる環境を、と考え平成22年ごろから採用に力を入れ始めた。
 「健康経営」「働き方改革」「親子出勤制度」「半社半学制度」「社宅」等、できるものを考え、とりあえずやってみると考えている。
 現場は女性にとってはハードルが高いところがある。仕事を分業化するところから始めている。現場監督は実際きついしなかなか女性はいない。ただ、現場監督が育つようにしている。作成の補助、事務、安全管理等女性ができるところから分業化して育てている。現場の事務からスキルを上げて技術職員として育てていこうと考えている。
 実際、現場では男性の育休はとれない。現場技術職員の働き方が少しでもよくできないかと考えまずは定時で帰るということをやっている。考えられること、ありとあらゆるものを積極的にやっていこうと思っている。

(2)ディスカッション

 大槻氏のコーディネートのもと、斉之平氏の基調講演と3社の報告を踏まえディスカションが行われた。主な論点は次の通りである。

女性活躍推進に取り組むきっかけは何か。やっていく中での課題やその解決方法は。
・りそなショックで人員削減があったこと。中にいる人材の活躍という喫緊の課題があった。新社長の言葉から。女性の意識改革が大変だった。実は熱い女性が多かった。
・今はインクルーシヴなカルチャーを作る方にフォーカスしている。やはり女性の営業職が少ないのが課題。地方でキャリア開発のワークショップを行う等の活動をしてネットワークを構築した。
・社員を積極的に採用することとしたら、女性の方の成績が良かった。成績順で採用したら女性が多くなってきた。

少ない職種を増やす方法は。
・入社では、やりたいと言っていたものが、男性は外に出たい、女性は中の仕事を極めたいということがある。背中を押す必要があると考える。
・逆に女性の比率が高い場所での男性をどう増やしていくか。女性が多い部署でも実は下の層に女性が多いということもある。違うビジネスを経験させる等している。それで見識を広めることができる。

男性中心企業で逆差別等にどう働きかけてどうやって女性活躍を進められるのか。
・トップのコミットがしっかりしていて、女性を育てていくと宣言している。会社として能力のある人間を育てていると示す。ネットワークを使って連帯して相談できる。
・トップのコミットメントが非常に大切。きちんとプロモーションをすること。現場のリーダーと人事が連携してコーチングをしていくことが大切。
・女性が積極的になってもよいのでは。

アンコンシャスバイアスのトレーニングはどのようなものか。
・全世界的にやっているもの。その中でケーススタディは日本の実際にあるものに作り替えて行っている。
・そもそも男性も女性も同じという意識を持つ。男女関係なく育てる。

転勤に対するネックについて。新卒についても転勤がネックのようだが対策をしているか。価値観が仕事より自分というものになっている。
・様々な制度がある。在宅勤務もある。離れた場所でのテレワーク。本人の希望は聞かないのか、疑問に思う。どういったキャリア志向を持っているのか意向を聞くべき。
・採用時に転勤の可能性は伝えている。転居を伴う転勤の場合、申告をして面談も行っている。支障がないか本人の希望を聞きながら対応している。
・不正防止などの意味がある。場所を変えて成長するのか疑問に思う。エリア総合職の設定している会社ではそんなに動いていない。なぜ転勤をするのか見直すべき。

トップのコミットメントを引き出すには担当としてどんな「黒子」となればいいか。
・推進部門で男性から尊敬されているマネージャーを巻き込む。役員にメンターになってもらう。女性ってすごいと思ってもらえる場面を作る。トップに腹落ちしてやってもらう必要がある。
・人事が全面に出ない。ビジネスのリーダーに自分の言葉で話してもらう。
・委員会を作っているが、そこで決まったことは認める。権限を委譲してそれを尊重する。皆が決めたことを尊重する。


 最後に、働きがいは従業員の幸福度(自分が生き生きと仕事をしているか)を考えるところからであること、D&Iは一人ひとり取り組まなければならないこと、企業文化は引き継ぐものであり企業風土は変えられることが指摘され、コーディネーターからは、日本ではジェンダーギャップ指数は世界110位。まだまだ足りない部分があるのを見つめ今回の先進事例をヒントに何か取組につながれば思う、と激励の言葉を得て、ディスカッションを終えた。

情報交換会

 参加者は国立女性教育会館に移動し、業種を越えたネットワークの構築と情報交換が進められた。情報交換会後も、宿泊棟ラウンジで和やかな雰囲気の中、社内の課題などについて話し合われた。

【10月24日(木)国立女性教育会館】

情報提供

「新入社員の意識調査から」                         9:00~ 9:45
 講師:島 直子 国立女性教育会館研究国際室研究員

 平成27年に民間企業に入社した新規学卒者を、5年間追跡するパネル調査の第四回までの調査データについて、若手女性のリーダーシップをめぐるアンコンシャスバイアスについて見える化した調査と解説した。
 そして、ただ働き続けるのではなく、女性労働者の参画、リーダー育成が大切であり、そのために初期キャリアに着目したことが説明された。
 その中で、若手女性のアンコンシャスバイアスとして、管理職を目指したいという思いが、下がりやすく上がりにくいこと、女性は自己評価が低い傾向があることに対しては、仕事を任されたり、リーダーを要請されたりすると自己評価が上がり、管理職志向も高まっていくことが紹介された。
 詳しくは、以下のサイトを参照されたい。

講義「アクションラーニング」及びグループワーク

「誰もが活躍できる職場環境構築のために-リーダーシップのあり方とは—」
 9:50~12:30、13:30~15:15
 講師:早川 枝里 国立女性教育会館事業課客員研究員

 リーダーに必要なコミュニケーションスキルを学びながら、各々の組織が直面する課題について共有し、解決方策を探る三部構成のプログラムである。
 初めに、部下が持っているポテンシャルを引き出すことが上司の役目となってきていること、そのためには質問力が重要であることを説明。そしてコミュニケーションスキルとしての「アクションラーニング」について解説した。
 リーダーが解決策を示すのではなく、チームのメンバーから答えを引き出す姿勢に基づく技法であると説明した。
 次いで、参加者は7つのグループに分かれた参加者が、自己紹介と各自の抱えている問題を共有した。
 その後、各グループ内で、午前午後と問題提供者を変え、アクションラーニング形式での話し合いを行い、問題の解決を図った。

参加者からの感想

・社員同士、社員と経営層が本音で意見交換できるコミュニケーションの場を作ることが大切で、また、各個人が自立した考えを持つことが必要であると思った。人を中心にした経営が、結果的に会社の利益につながることを改めて確信できる時間となりました。
・女性が働きやすい環境を作るには、社内全体の意識改革が必要だと強く感じた。
・基調講演と質疑応答が特に充実していました。渋沢栄一、松下幸之助、ドラッガーの名も挙げられていましたが、さらにスティーブン・コヴィー博士の話にもつながっていたと思いました。企業戦略、経営戦略として語られていて、経営層にも訴求力が高いお話だったと思います。
・パネルディスカッションでは、各社の取組の具体的な内容を聞くことができて、非常に参考になりました。ダイバーシティ担当者として、まだまだやるべきことがたくさんあると思いました。
・他の企業の方と交流の機会が持て、大変貴重な機会だったと思います。
・今回初めての参加でしたが、2日目のグループワークが非常に有意義でした。またこういったイベントがあれば参加したいです。
・グループワークについては、他者の悩みや問題を客観的に話し合うことが興味深かった。

 女性活躍推進・ダイバーシティという言葉がさまざまな場面でみられるようになってはいるが、現場ではまだ思い込みの男女格差や女性の働きにくさがあることが、質疑応答などから分かった。参加者のアンケートからは女性活躍推進・ダイバーシティの必要性は理解しているがそれを進めるうえでの意識改革がもっと進むことを期待する声が多く見られた。働き方改革が叫ばれている今、1人ひとりを認めることが「働きがい」につながっていく。参加者の皆さんが本セミナーで得た知見やネットワークを活用して、社内の女性活躍の促進に取り組まれ、誰もが働きがいを感じられる企業が増えることを期待したい。

※これらの講演やパネルディスカッションの内容の記述はNWECに文責がある。

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