研修・イベント

研修

実施報告

令和4年度「女性アーカイブ研修」

開催期間:令和5年1月10日、1月18日(オンラインライブ配信)、2月14日~15日(実技) / 定員:ライブ配信:40名程度、オンデマンド配信:定員なし、実技研修:20名

開催場所:国立女性教育会館 /


今年度はオンラインと実技研修により開催します。

<オンライン研修>
・Zoomによるライブ配信:令和5年1月10日(火)午後、1月18日(水)午後 40名程度
・YouTubeによるオンデマンド配信:令和5年1月17日(火)~2月17日(金) 定員なし

<実技研修>(1泊2日、会場:国立女性教育会館)※オンライン配信はありません
令和5年2月14日(火)~15日(水) 20名まで

1.趣旨

国立女性教育会館では、女性の歴史を今に生かし、未来につないでいくために、女性に関わる原資料(女性アーカイブ)の保存と活用に取り組んでいます。
その活動の一環として、アーカイブの保存や整理について新しい情報をお求めの方や、これから業務に取り組む方のために、平成21年度からアーカイブ関連の研修を実施してきました。女性アーカイブ所蔵機関に役立つ知識・情報を学び、ネットワークの形成に資する研修として、今年度はオンラインと実技研修により開催します。

2.主催

独立行政法人国立女性教育会館
  〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
  TEL:0493-62-6195 Eメール:infodiv@nwec.jp

3.日時

◆オンライン研修(Zoomミーティングによるライブ配信)

令和5年1月10日(火)13:30~15:50、1月18日(水)13:30~16:05

下記期間中、当日の録画をオンデマンド配信(YouTube、参加者限定公開)します。
令和5年1月17日(火)~令和5年2月17日(金)

◆実技研修(1泊2日、会場:国立女性教育会館)

令和5年2月14日(火)~15日(水)

4.対象・定員

女性関連施設・図書館・文書館の実務担当者、地域女性史編纂関係者

◆オンライン研修

ライブ配信 40名程度(最大100名まで)

※ライブ配信の情報交換会へのご参加は、以下の環境が必要になります。
 ・インターネットに接続できるパソコンまたはタブレット(スマートフォンは不可)
 ・使用する端末にカメラ・マイクの機能があること(外付けも可)

オンデマンド配信

・定員はありません。
※オンデマンド配信のみの視聴を希望される場合も申込が必要です。また、オンデマンド配信では質疑応答には参加できませんので、あらかじめ御了承ください。

◆実技研修(20名まで)

※オンライン研修全プログラム、及び実技研修全日参加を前提とします。
※女性関連施設・図書館・文書館の実務担当者を優先します。

5.内容

◆オンライン研修

1月10日(火)

オリエンテーション                           13:30-13:35

台湾の博物館におけるジェンダーへの取り組み—歴史に女性を登場させる   13:35-15:05
国立台湾歴史博物館では、パブリックヒストリー計画の中で「歴史に女性を登場させる」ために、新たな収蔵や展示の可能性を切りひらく計画が進められてきました。この取り組みについて学びます。

講師:黃貞燕氏(國立臺北藝術大學文化資源學院博物館研究所)

アーカイブ実践報告 1:史の会                      15:20-15:50
史の会は『夜明けの航跡:かながわ近代の女たち』の編纂をきっかけに1988年に発足しました。神奈川の近・現代女性史の研究を目的に、女の目と地域の目で、あたりまえの女たちを対象に、そして何よりも女性解放の視点を大切にしています。これまでに研究誌を6号、各巻100人以上を取り上げた『時代を拓いた女たち』を3集刊行し、この度収集した資料を女性アーカイブセンターに寄贈いただきました。これまでの活動の実践をご報告いただきます。

講師:江刺昭子氏(史の会代表)

1月18日(水)

アーカイブと著作権                           13:30-14:45
資料の複写・撮影・デジタルデータ公開等に関わる著作権、肖像権や個人情報等の関連する法制度について、最新動向を含め解説いただきます。

講師:生貝直人氏(一橋大学大学院法学研究科教授)

アーカイブ実践報告 2:自由学園資料室                  15:00-15:30
自由学園は1921年、雑誌『婦人之友』を主宰するジャーナリスト・羽仁もと子、吉一によって設立され、2021年に100周年を迎えました。デジタルアーカイブ「自由学園100年+」と『自由学園一〇〇年史』の制作を中心に、アーカイブの実践をご報告いただきます。

講師:菅原然子氏(自由学園資料室)

オンライン情報交換会(ライブ配信・希望者のみ)             15:35-16:05
女性アーカイブ所蔵機関同士での情報交換を行います。


◆実技研修

2月14日(火)

開会、オリエンテーション                        13:00-13:05

資料保存の課題と対策(講義)                         13:05-17:00
修理について、基本的な考え方と知識(講義)
紙資料の修理の基礎実習①

資料保存・修理の基本的な考え方や知識を学び、基礎的な修理やパンフレット製本等の実習を通して紙資料の修理の基礎を学びます。

講師:眞野節雄氏(日本図書館協会資料保存委員会委員長)

女性アーカイブセンター、女性教育情報センター見学(希望者のみ)     17:15-17:45

情報交換会(希望者のみ)                        19:00-20:00
女性アーカイブ所蔵機関同士での情報交換を行います。

               
2月15日(水)

紙資料の修理の基礎実習②                        9:00-12:00
1日目の実習の続きを行います。

講師:眞野節雄氏(日本図書館協会資料保存委員会委員長)
   佐々木紫乃氏(日本図書館協会資料保存委員会委員)

閉会                                  12:00-12:05

6.申込方法等

(1)申込方法
 専用申込フォームからお申込みください。

 *申込フォーム送信後、5分以内に申込完了の通知メールが届きます。
 *同一のメールアドレスから複数名の申込はできません。
 *参加決定通知や資料等はメールで送付します。外部からのメールが受信できるアドレスを入力してください。

(2)申込期間
 令和4年12月2日(金)9:00~令和5年1月3日(火)17:00
※実技研修は、定員を超えた場合は、期限前に締め切ることもあります。

(3)参加通知
 「申込フォーム」記載の連絡先に、メールでお知らせします。
 *1月5日(木)を過ぎても連絡がない場合やキャンセルする場合は、情報課まで御連絡ください。

7.参加費

オンライン研修:無料(通信料は御自身の負担となります。)

実技研修
1)実習用材料費等実費(2,000円程度)
2)宿泊費:研修期間中:1名1泊1,800円(前・後泊とも同額)
*別途、食費がかかります。

8.研修の流れ

9.その他

(1)プログラムの変更・中止
 感染症、気象状況、天災、官公庁からの指示、その他主催者が研修を安全かつ円滑に実施することが困難と判断した場合、プログラムの一部又は全部を変更、中止する可能性があります。なお、情報は随時、NWECホームページでお知らせします。

(2)広報
 研修期間中に職員が撮影した写真を、事業記録や広報のために使用することがあります。あらかじめ御了承ください。

(3)フォローアップ調査の実施
 研修終了6か月後を目途にフォローアップ調査を実施します。研修成果が実際の職務や活動に、どのように役立てられているかを伺うものです。御協力をお願いいたします。

10.問合せ先

独立行政法人国立女性教育会館情報課
 〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
 TEL:0493-62-6195 (平日9:00~17:00)
 Eメール:infodiv@nwec.jp

今年度はオンラインと実技研修により、「女性アーカイブ研修」を実施しました。オンライン研修は、令和5年1月10日(火)・18日(水)午後にライブ配信、その後1月17日(火)~2月17日(金)、オンデマンド配信を行いました。実技研修は2月14日(火)~15日(水)の1泊2日で開催しました。オンライン研修は128名、実技研修は14名が参加しました。

オンライン研修

【台湾の博物館におけるジェンダーへの取り組み—歴史に女性を登場させる】

台湾の博物館では、さまざまな立場の声を重要視するパブリック・ヒストリーの重要視と連動し、女性の姿をどのように描くか、特にそれをどのように収蔵し、展示するのかについて取り組まれてきました。
国立台湾歴史博物館でのこれまでの取組みについて、実際の展示の写真や、女性の経験を聞くオーラルヒストリー資料等によって作られた台湾女性データベースから紹介いただきました。

講師:黃貞燕氏(國立臺北藝術大學文化資源學院博物館研究所)

【アーカイブ実践報告 1:史の会】

神奈川の地域女性史の会「史の会」の歩みと、『時代を拓いた女たち』に掲載した女性たちの資料をどのように収集してきたか、そして今回NWECにそれらの資料を寄贈するにあたっての目録作成についてご報告いただきました。

講師:江刺昭子氏(史の会代表)

【アーカイブと著作権】

デジタルアーカイブと著作権について、権利処理や図書館等における複製、2018年、2021年の著作権法改正に関して改正された著作権法の規定を中心に、サイトを紹介いただきながらお話しいただきました。また、肖像権や個人情報保護法、ジャパンサーチとの関連やデジタルアーカイブと自由利用ライセンスについて分かりやすく教えていただきました。

講師:生貝直人氏(一橋大学大学院法学研究科教授)

【アーカイブ実践報告 2:自由学園】

書籍『自由学園一〇〇年史』、デジタルアーカイブ「自由学園100年+」の作成について、学園の歴史の継承のために一次資料に基づき記述した年史、アクセスしやすさを重視して作成したデジタルアーカイブについて、実際の入力データや画面も紹介しながら詳しくお話いただきました。

講師:菅原然子氏(自由学園資料室)

参加者アンケートから
ライブ配信参加者

・様々な形でアーカイブを構築し継承されてきた皆様の経験を知ることができ、現在所属する組織のなかで、自身が今後アーカイブとどのような関わり方ができるかを、改めて再考するきっかけを頂けました。
・海外の発表や国内団体の紹介だけでなく、アーカイブ化における課題である著作権について最新情報が得られたのかとても良かったです。

オンデマンド配信参加者

・何故女性の視点から歴史を語り、それを記録していくことが大切なのかを、理論だけでなく、実際の現場の事例を含めてご報告いただけたので、大変勉強になりました。
・女性史等に限らず、図書館等など資料のアーカイブ化を検討している機関にとって大変有意義な研修になったと思う。改正後の法律の解説に加えて、具体的な事例のお話を聞けて良かった。

実技研修

1日目

資料保存の課題と対策(講義)                       
修理について、基本的な考え方と知識(講義)
紙資料の修理の基礎実習①

眞野氏は、図書館における資料保全のエキスパートです。まず資料保存について、なぜ残し、どう残すのか、予防に始まり廃棄も考える、基本的な考え方を教えていただきました。その後、ページとノド部分の修理等、修理の基礎を学びました。

講師:眞野節雄氏(日本図書館協会資料保存委員会委員長)

女性アーカイブセンター、女性教育情報センター見学

NWEC情報課職員の案内により、女性アーカイブセンター、女性教育情報センター、女性アーカイブ展示室の見学を行いました。

情報交換会

参加者全員による自己紹介ののち、自由歓談で交流をさらに深める情報交換が行われました。

2日目

紙資料の修理の基礎実習②

2日目は講師に佐々木氏も加わり、板目(簡易)製本・パンフレット製本等を教えていただきました。質疑も活発に行われ、充実した研修となりました。

講師:佐々木紫乃氏(日本図書館協会資料保存委員会委員)

参加者アンケートから

・講義の内容は基本から応用的なことまで、眞野先生の豊富なご経験や知識を織り交ぜながらお話し頂き、具体例も多く提示して頂いたため、非常にわかりやすく、参考になりました。
実習も要点をおさえてご指導いただいたので、自分でも問題なく実践することができました。動画などではわかりにくいことも、実習では質問したり、解決法をご教示頂けたりと、疑問が残らず理解できました。都立中央図書館のウェブサイトもよく勉強したいと思います。
・資料保存・修復の第一線で活躍されている眞野先生と佐々木先生に、実践的な内容をレクチャーしていただき、大変勉強になりました。以前からこうした講習に参加したいと思っていましたが、コロナ禍で講習がなくなってしまったため、今回のような機会を設けていただきありがたく思います。

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