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実施報告

令和3年度「新たな課題に対応した課題別研修」①男女共同参画の視点による災害対応研修

開催期間:令和3年10月8日(金)・令和3年10月13日(水)〜 令和3年11月22日(月) / 定員:300名

開催場所:国立女性教育会館 /


事業内容

実際の災害対応に当たるリーダー層を対象に、防災を切り口に平常時からの男女共同参画社会形成の重要性と男女共同参画の視点からの災害対策に必要な具体策を学ぶ研修をオンラインで実施。

1.趣  旨

 災害に強いまちをつくるためには、男女共同参画の視点による取組が不可欠です。

 男女共同参画の視点による災害対応の必要性は、「防災基本計画」及び「第5次男女共同参画基本計画」に掲げられており、国際的にも「仙台防災枠組2015-2030」において女性・若者のリーダーシップ促進がうたわれ、SDGs第11目標ではこの枠組に沿った総合的な災害リスク管理が求められているところです。しかしながら、我が国の防災・復興にかかる意思決定の場への女性の参画は、未だごく一部にとどまっており、平時から復興まであらゆる局面にいたる男女のニーズの違いへの配慮についても十分には対応できていません。災害が頻発する今日、これらの課題解決は全国共通の急務です。

 今回の研修では、地域防災における多様な主体との連携に焦点を当て、その意義や具体的なプラットフォームづくりにつながる情報提供を行います。主な対象は、地域の災害対応において中心的な役割を担う自治体職員等の方々としますが、実際に地域防災を担うリーダーや防災士の方々、地域をつなぐ拠点となることが多い学校関係者の方々などにも参加いただき、関係各部署や地域での認識共有が進む機会となることを期待します。

2.テ ー マ

「災害に強いまちづくり ~多様な主体をつなぐ地域防災~」

3.主  催

独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)

4.共  催

内閣府男女共同参画局

5.日  時

令和3年10月8日(金)13:00〜17:00(Zoomウェビナーによるライブ配信)

*下記期間中、当日の録画をオンデマンド配信(YouTube、参加者限定公開)します。
 令和3年10月13日(水)〜 令和3年11月22日(月)

6.対象・定員

自治体の防災・危機管理担当部署/男女共同参画担当部署/福祉担当部署 管理職・職員、
学校関係者(管理職・教職員・PTA)、地域防災計画委員、
自主防災組織等で地域防災を担うリーダー、防災士等

300名程度


*申込先着順とします。ただし、申込が定員を超える場合は、防災・危機管理担当部署と男女共同参画参画担当部署が共にライブ配信に申し込んだ自治体及び学校関係者の参加を優先します。ライブ配信が定員に達した場合は、オンデマンド配信の視聴となります。

*オンデマンド配信のみの視聴を希望される場合も申込が必要です。また、オンデマンド配信では質疑応答には参加できませんので、あらかじめ御了承ください。

7.内  容

◆事前学習(研修受講までに、下記リンクから各自で視聴)

 災害から受ける影響は、女性と男性で異なります。災害対応に女性が主体的に参画することは地域の防災力向上につながります。内閣府男女共同参画局が作成した「災害対応力を強化する女性の視点」実践的学習プログラム(セッション1・セッション2)を視聴し、災害の各段階において自治体職員が男女共同参画の視点に立って取り組むべきポイントや事例を学びます。

◆ライブ配信(10月8日(金)Zoomウェビナー)

(1)開会挨拶

13:00〜13:10

  ① 主催者あいさつ  内海 房子  国立女性教育会館理事長
  ② 共催者あいさつ  林  伴子  内閣府男女共同参画局長


(2)基調講演「地域の多様な主体とつながるプラットフォームづくり」

13:10〜14:25

 災害は、地震、津波、風水害等の自然要因とそれを受け止める側の社会の在り方(社会要因)により、その被害の大きさが決まってくると言われています。不平等、排除、分断を抱えた社会は、災害に有効に対処することが困難です。被害を小さくするためには、平常時から女性を含む多様な人々が担い手となり、多様な視点を反映した地域防災の体制づくりに取り組んでおくことが欠かせません。
 これを実現するためには、行政と地域自治組織(自治会・町内会)だけに依存した体制では限界があります。多様な担い手がつながるにはどのようなアプローチが有効なのでしょうか。男女共同参画の視点に立った地域防災活動の意義を確認するとともに、地域防災のプラットフォームづくりについて考えます。

   講師  池田 恵子   静岡大学教育学部/防災総合センター 教授
               減災と男女共同参画研修推進センター 共同代表


(3)情報提供1「男女共同参画の視点からの防災・復興における国の取組」

14:35〜14:50

 昨年5月に内閣府男女共同参画局が作成した「災害対応力を強化する女性の視点〜男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン〜」には、東日本大震災を始めとするこれまでの災害経験を踏まえ、男女共同参画の視点に立った具体的な災害対応の実際が網羅されています。併せて、各地で活用できる「『災害対応力を強化する女性の視点』実践的学習プログラム」も作成されました。こうした取組を中心に、我が国の防災と男女共同参画に関する最新の情報を得ます。

   講師  藤田 昌子   内閣府男女共同参画局総務課 専門職


(4)講義「男女共同参画の視点による避難所運営訓練」

14:50~15:50

 全国には地域で暮らす多様な人々が協働しながら、男女共同参画の視点に立った防災活動に取り組んでいる例があります。ここでは、学校、地域、行政等と連携して男女共同参画の視点を取り入れた避難所運営体験プログラムを展開している青森県での実践事例をもとに、地域の多様な主体とつながるための具体的な方策のヒントを得ます。

   講師  小山内世喜子  一般社団法人男女共同参画地域みらいねっと 代表理事


(5)情報提供2「地域防災における学校との連携をめぐって」

15:50~16:20

 地域で暮らす人々にとって、学校は身近なものです。そこに通う子どもたちも地域で暮らす市民の一人であり、小さい頃から主体的に地域や防災に関わる意識を醸成することが重要です。災害時に迅速に対応するためには、平常時からの地域連携が鍵となります。地域資源としての役割を持つ学校と防災をつなげるにはどうしたらよいのか、学校と地域との連携について、現状を知るとともに今後の可能性を探ります。

   講師  吉田 尚史   独立行政法人教職員支援機構つくば中央研修センター
               研修プロデュース室 アシスタント・フェロー


(6)質疑応答

16:30~17:00

 各講義や情報提供に関連して参加者から寄せられた質問に対し、登壇者の方々から回答いただきます。


(7)アンケート回答

8.参加費

無料(ただし、通信料は参加者の負担となります。)

*申込フォーム送信後、5分以内に申込完了を通知するメールが届きます。

*参加者管理のため、同一のメールアドレスから複数名の申込はできません。1つのアドレスにつき1人の申込でお願いします。また、参加決定通知や資料等はメールで送付します。外部からのメールが受信できるアドレスを入力くださるようお願いします。

*開催要項等は国立女性教育会館ホームページからダウンロードできます。

*申込フォームから送信ができない場合や御不明な点は、事業課まで御連絡ください。

(2)申込期間

令和3年9月6日(月)9:00 〜 10月1日(金)17:00

(3)参加通知

「申込フォーム」記載の連絡先に、メールでお知らせします。

*10月6日(水)を過ぎても連絡がない場合、また、申込をキャンセルする場合は、お手数ですが事業課まで御連絡ください。

10.その他

(1)視聴に必要な環境

 視聴にはインターネットに接続できるパソコン環境(タブレット、モバイル端末も可)が必要です。また、ライブ配信の視聴には、先にZoomアプリをインストールしておくとスムーズです。

(2)プログラムの変更・中止

 感染症、気象状況、天災、官公庁からの指示、その他主催者が研修を安全かつ円滑に実施することが困難と判断した場合には、やむを得ずプログラム内容の変更又は開催を中止する場合があります。なお、情報は随時、NWECホームページでお知らせします。

(3)研修に関するお問い合わせ

 新型コロナウイルス感染症対策のため、一部の業務についてテレワークを実施しております。お手数ですが、研修に関するお問い合わせはできるだけメールでお願い致します。

【お問い合わせ先】
 独立行政法人国立女性教育会館 事業課
 〒355‐0292 埼玉県比企郡嵐山町大字菅谷728
 TEL:0493‐62‐6724(平日9:00~17:00)
 Eメール:progdiv@nwec.jp

「男女共同参画の視点による災害対応研修」実施報告

 国立女性教育会館では、10月8日に「男女共同参画の視点による災害対応研修」を内閣府男女共同参画局との共催でオンライン開催した。
男女共同参画の視点による災害対応については「防災基本計画」「第5次男女共同参画基本計画」のほか、国際的にも「仙台防災枠組」、SDGsの第11目標等で明確に示されているものの、まだ十分に整備されていないのが現状である。そこで今年度は、地域防災の中心的な役割を担う自治体職員、学校関係者、防災士など地域防災に関わる様々な立場の方々を対象とし、地域防災における多様な主体との連携に焦点を当て、その意義や具体的なプラットフォームづくりにつながる情報提供を行い、全国各地から1300名を超える参加申込があった。
 ライブ配信による研修は、内海房子理事長による主催者挨拶、林伴子内閣府男女共同参画局長の共催者あいさつから始まり、静岡大学教育学部防災総合センター教授、災害と男女共同参画研修推進センター共同代表の池田恵子氏が基調講演「地域の多様な主体とつながるプラットフォームづくり」を行った。地域には多様な人々が暮らしており、災害時には性別や立場により被害や被災の困難が違っていることを前提として、そこを配慮した体制・支援の必要性を訴えた。多様性に配慮し、質の高い支援を行っていくには、政策や方針決定段階から多様な主体が参画することが重要である。そして、多様な担い手と実際に連携を図るには、どのような課題があるのか、それを乗り越えて連携するための男女共同参画セクターの役割等を提示するとともに、具体的な連携の可能性についても講義した。

 情報提供1「男女共同参画の視点からの防災・復興における国の取組」では、内閣府男女共同参画局総務課専門職の藤田昌子氏が「災害対応力を強化する女性の視点」ガイドラインや、今回の研修の事前学習としても活用した「災害対応力を強化する女性の視点」実践的学習プログラムを紹介するとともに、男女共同参画センター間相互支援ネットワーク(相互支援ネット)についても言及。災害対応において、地方自治体の役割は大変重要であり、平常時からの防災・危機管理担当部局と男女共同参画担当部局の連携が不可欠であることを強調し、それを具現化するために内閣府(防災)が取り組んでいくことについて説明した。
 講義「男女共同参画の視点による避難所運営訓練」では、一般社団法人男女共同参画地域みらいねっと代表理事の小山内世喜子氏が実践している中学校における多様性配慮の避難所運営訓練を例に講義を行った。地域みらいネットではもともと防災地域人材育成事業として、自主防災、行政関係者、住民等に様々な研修や講座を実施してきたが、「将来の地域防災の担い手の育成」を目指し2019年から青森市中学生防災教育プログラムを実施している。プログラム実施に至るまでにどのようなことがあったか、多様な人たちとの連携の方策や担い手同士がつながるプラットフォームづくりについて具体的に講義した。
 その講義を受け、情報提供2「地域防災における学校との連携をめぐって」では、独立行政法人教職員支援機構つくば中央研修センター研修プロデュース室アシスタント・フェローの吉田尚史氏が、学校における防災教育の捉え方や将来の地域を担う人材の育成という観点から、学校と地域の連携の可能性について講義した。
 その後の質疑応答では、講師陣が一堂に会し、参加者からの質問に対し、それぞれの専門的な知見を活かして回答。

 研修の最後には、池田講師が研修全体のまとめとして各プログラムの内容を振り返りながら改めて地域の多様な主体とつながるために重要な視点について話し、大変充実した研修となった。
 研修の動画は、ライブ配信の翌週から約1カ月半にわたりオンデマンドでも配信。ライブ配信への参加がかなわなかった方はもちろん、繰り返し視聴することもでき、参加者からは「行政、地域、学校などと連携を図ること、平常時からつながることの重要性を感じた」「様々な組織や機関との具体的な連携事例を学ぶことができた」「今後の地域防災計画見直しの参考となった」等の感想が寄せられた。

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