研修・イベント

研修

実施報告

令和4年度「地域における男女共同参画推進のための事業企画研修」

開催期間:令和4年8月25日(木)~9月20日(火) / 定員:130名

開催場所:国立女性教育会館 /


1.趣 旨

 地域の男⼥共同参画の推進を⽬指し、男⼥共同参画の視点に⽴った研修・学習事業を計画する際に、⾸尾⼀貫した事業の企画・実施・評価を⾏うために、地域が抱える課題を整理し、課題解決に向けた事業の設計図(プログラムデザイン)を作成する知識やスキルを⾝につけることを⽬的とした研修を実施します。

2.主 催

独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)

3.対象・定員

⾏政、⼥性関連施設、公⺠館等の職員で、地域における男⼥共同参画推進のための事業等の企画・実施業務に現在就いている⽅*1
(1) 全プログラム(ライブ配信・オンデマンド配信・個⼈ワーク)受講者:30 名*2
(2) オンデマンド配信プログラムのみの受講者:100 名
*1:応募多数の場合は抽選で参加者を決定します。また対象外の⽅はお断りすることがあります。
*2:今後のネットワークづくりに役⽴つよう、参加者間で名簿を共有します。

4.実施期間

令和4年8⽉ 25 ⽇(⽊)〜9⽉ 20 ⽇(⽕)

5.方 法

オンライン形式
* LMS(e ラーニング学習管理システム)によるオンデマンド配信動画の視聴 及び Zoom によるライブ配信への参加

6.参加費

無料(通信費は参加者負担)

7.プログラム

オンデマンド配信プログラム
(1)開会

 主催者あいさつ  萩原なつ子 国立女性教育会館理事長
 趣旨説明     丹羽 麻子 国立女性教育会館事業課専門職員

(2)講義 ② 「男女共同参画の基礎的理解を深める」 (約60分)

 ⽇本の男⼥共同参画の現状や地域の実情について基礎的理解を深めるために、男⼥共同参画社会基本法・計画やその背景、ジェンダー統計の重要性について学びます。

   講師 渡辺 美穂 国⽴⼥性教育会館研究国際室⻑

(3)講義 ③ 「学習プログラムを企画・実施・評価するための注意点」 (約60分)

 学習プログラムを企画・実施・評価する上での注意点を、PDCAサイクルに基づき実施例とともに解説します。

   講師 松下 光恵 NPO法⼈男⼥共同参画フォーラムしずおか代表理事

個人ワーク(配信なし)
(4)「プログラムデザインを作成する」

 各講義を視聴しながら、⾃分が実施したいと思う事業・テーマについて、様式に沿ってプログラムデザイン案を作成します。

ライブ配信プログラム ★:ライブ配信終了後にオンデマンド配信あり
8月26日(金) 13:30〜16:00
(5) グループワーク ①「共に学ぶ仲間と知り合う」

 ⾃⼰紹介やワークを通してお互いを知り、これから情報交換や意⾒交換を進めていくための関係づくりを⾏います。

  ファシリテーター 澤⽥英⾥⼦ 国⽴⼥性教育会館事業課専⾨職員

(6) 講義 ① 「男女共同参画の視点に立った事業企画を考える」 (約50分) ★

 男⼥共同参画の視点に⽴った事業企画を考えるために、学習プログラムの設計図となる「プログラムデザイン」作成の⽬的と意義について学びます。

   講師 引間 紀江 国⽴⼥性教育会館事業課専⾨職員

(7) 講義 ④ 「実態把握のための情報収集」 (約40分) ★

 学習プログラムを企画する際の実態把握に必要な情報収集について、NWEC の専⾨図書館「⼥性教育情報センター」、男⼥共同参画形成を⽬指した情報の総合窓⼝「⼥性情報ポータル“Winet”(ウィネット)」の⽂献、統計、⼥性関連施設情報等のデータベースの活⽤⽅法から学びます。

   講師 森 未知 国⽴⼥性教育会館情報課専⾨職員

9月2日(金) 13:30〜15:35
(8) 事例報告  (約120分) ★

 過去の研修を修了した⽅々から、実際にプログラムデザインを使って企画・実施した事業について報告していただきます。

   報告者 近藤佳緒⾥ 加⻄市ふるさと創造部ふるさと創造課主任
       ⼩⼜ 由美 ⻘森県男⼥共同参画センター元職員
       酒井 結美 ⼋代市市⺠環境部⼈権政策課男⼥共同参画推進室主事

9月2日(金) 15:45〜16:30
(9) 情報交換カフェ(希望者のみ)

 プログラムデザインの作成⽅法、事業展開等に関する疑問に、参加者同⼠の情報交換を交えながら答えていきます。

   助⾔者 松下 光恵 NPO法⼈男⼥共同参画フォーラムしずおか代表理事
       国⽴⼥性教育会館事業課客員研究員・専⾨職員

9月9日(金) 13:30〜16:00
(10)グループワーク ②「地域に即した課題解決プログラムをつくる」

 作成した各プログラムデザイン案をグループ内で発表し、内容や⼯夫した点を共有するとともに、改善の必要な点について話し合います。

   助⾔者 ⼤島安輝⼦ 我孫⼦市秘書広報課男⼥共同参画室推進員
       加藤志⽣⼦ エル・ソーラ仙台館⻑
       瀬⼭ 紀⼦ 埼⽟⼤学ダイバーシティ推進センター准教授
       松下 光恵 NPO法⼈男⼥共同参画フォーラムしずおか代表理事
       中野 洋恵 国⽴⼥性教育会館事業課客員研究員
       丹⽻ ⿇⼦ 国⽴⼥性教育会館事業課専⾨職員
       引間 紀江 国⽴⼥性教育会館事業課専⾨職員

9月16日(金) 13:30〜16:30
(11)成果の共有・まとめ

 参加者が修正したプログラムデザイン案の中から各グループ内で1つ選び、内容や⼯夫した点を参加者全体で発表し、意⾒や改善点等を述べ合い共有します。
   
   助⾔者 ⼤島安輝⼦ 我孫⼦市秘書広報課男⼥共同参画室推進員
       加藤志⽣⼦ エル・ソーラ仙台館⻑
       瀬⼭ 紀⼦ 埼⽟⼤学ダイバーシティ推進センター准教授
       松下 光恵 NPO法⼈男⼥共同参画フォーラムしずおか代表理事
       中野 洋恵 国⽴⼥性教育会館事業課客員研究員
       丹⽻ ⿇⼦ 国⽴⼥性教育会館事業課専⾨職員
       引間 紀江 国⽴⼥性教育会館事業課専⾨職員

アンケート
(12) 参加者アンケート
(13) フォローアップ・アンケート

 研修終了後に参加者アンケートを、また令和 5 年 3 ⽉頃にフォローアップ・アンケートを実施します。より良い事業にしていくために、ぜひ御協⼒をお願いします。

配信スケジュール

8.受講に必要環境

・インターネットに接続できるパソコン(推奨)が使⽤できること(タブレット、スマートフォンでも受講可能ですが、画像が適切に表⽰されない可能性があります)。
・使⽤する端末に下記の動作環境があること。

*ライブ配信プログラム参加の場合

・インターネットに接続できるパソコン⼜はタブレット(スマートフォン不可)に Web カメラ・マイク(外付けも可)機能があること
・使⽤する端末に、「Zoom」アプリがインストールしてあること
・通信が遅延、途切れることのない安定したネットワーク環境があること
・話しやすい静かな環境であること

9.申込方法等

(1)申込方法

(1)申込⽅法
・下記ページ掲載の専⽤申込フォームからお申込みください。
・申込時のメールアドレスが研修の参加 ID となります。
同じメールアドレスで複数の参加者を登録することはできません。

(2)申込期間

 令和4年7⽉11⽇(⽉)9:00 〜 8⽉3⽇(⽔) 17:00

(3)参加決定通知

・希望者が定員を超えた場合は、抽選で参加者を決定します。
・結果は申込時のメールアドレスにメールで通知します。
 8⽉ 15 ⽇(⽉)を過ぎても連絡がない場合は、事業課までお問い合わせください。

(4)キャンセル

 参加決定後にキャンセルする場合は、必ず事業課までご連絡ください。

10.プログラムの変更・キャンセルについて

 感染症、気象状況、天災、官公庁からの指示、その他主催者が研修を安全かつ円滑に実施することが困難と判断した場合には、やむを得ずプログラム内容の変更又は開催を中止する場合があります。これらの情報は、随時NWECホームページでお知らせします。

11.問合せ先

独立行政法人国立女性教育会館事業課
〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
TEL:0493-62-6724 平日 9:00~17:00
メール:progdiv@nwec.jp * お問合わせはなるべくメールでお願いします。

「地域における男女共同参画推進のための事業企画研修」実施報告

 国立女性教育会館では、令和4年8月25日(水)〜9月20日(火)、令和4年度「地域における男女共同参画推進のための事業企画研修」をオンラインで開催しました。この研修は、理論学習や情報収集方法の習得等を通して、男⼥共同参画の視点に⽴った研修・学習事業の効果的な企画・実施手法を身につけていくものです。対象は、行政・女性関連施設・公民館等で企画業務に携わる現職の方々。研修成果をすぐに活かしていただけるよう、プログラムも実践的な内容となっています。今年度は、定員130名に対して全国から204名のお申し込みがあり、厳正なる抽選の結果、145名の参加を決定しました。参加者は、今年度初めて男女共同参画部署に配属された人から、男女共同参画センターで何年も企画に関わってきた人までと幅広く、オンデマンド配信の講義プログラムを113名が、グループワークを含めた全プログラムを32名が受講しました。

 まず、事業企画に必要な視点や手法について、5本の講義で順を追って学びました。「男女共同参画の視点に立った事業企画を考える」では男女共同参画の視点に立つためのポイントとプログラムデザインの作成方法について、「男女共同参画の基礎的理解を深める」では国内外の動きや的確な状況把握に欠かせないジェンダー統計について、「実態把握のための情報収集」ではNWECの情報事業の紹介とその具体的な活用方法について、各分野に精通する会館職員が解説しました。参加者からは「基礎情報を学ぶ余裕がないまま担当を務めてきたので、本当に貴重な学習機会だった」「Winetのデータベースを用いた統計分析はすぐに活用したい」等の感想が多数寄せられました。
 続いての講義「学習プログラムを企画・実施・評価するための注意点」では、NPO法人男女共同参画フォーラムしずおか代表理事の松下光恵さんが実践経験を踏まえたさまざまな事業展開のコツを紹介。さらに「事例報告」では、前年度までにこの研修を修了した、八代市役所/酒井結美さん(危機管理部門と連携した市民対象のオンライン防災セミナー)、加西市役所/近藤佳緒里さん(政治参画を視野に入れた地域の女性リーダー育成講座)、元青森県男女共同参画センター/小又由美さん(働く女性のためのエンパワーメント講座)の3名が、研修の学びを活かした事業企画とその実施プロセスについて紹介しました。「研修全体を有機的につなぐ内容で、事業実施現場の目線からの話で参考になる」「他で得られない内容で刺激になった」「リアルな現場の熱意が伝わってきた」と、実際のノウハウ情報としてだけでなく、参加者のモチベーションアップにも役立つプログラムとなりました。

修了生による「事例報告」(上から酒井さん、近藤さん、小又さん)。担当者自身が語る事業の苦労や手応えが受講生に響いた。

 ここまでのインプットを得た後、全プログラム受講生は、自分がやってみたいと思う企画のプログラムデザイン(事業の設計図)の作成に挑戦しました。「個人ワーク」でそれぞれが作成した案を、申込時に選択した事業テーマ別のグループに持ち寄り、相互検討しながら練り上げていきます。今年度の事業テーマは「⼥性リーダーの育成」「⼥性活躍推進・働き⽅改⾰」「教育・メディア」「男性・若者へのアプローチ」「⼥性の困難への⽀援」「防災と男⼥共同参画」「フリーテーマ」の7つ。1グループは4~5名で、助言役として、自治体や男女共同参画センターで実績を重ねてきた本研修企画委員または会館職員1名が付き、話し合いを深めました。「週1回のグループワークが個人ワークの支えになっている」という参加者も多く、グループでの意見交換には熱が入り、2~3時間などあっという間に過ぎていきます。

グループワークの様子。活発な意見交換を通して、企画案をブラッシュアップしていく。

 最終日には、各グループでそれぞれが力作を発表しました。何度も推敲を重ねたプログラムデザインは、当初案とは見違える充実した内容になっています。互いに健闘を称えながら、さらなる工夫や改善点を出し合い、効果的な企画に仕上げていきました。最後に各グループで選出した代表作を全体で共有し、別グループの助言者と全参加者から講評と応援コメントが贈られました。
 参加者からは「実践的で、参加者同士の交流もあり、多くの事例を学び、成果物が残る。スタッフの励ましや情熱が、オンラインにも関わらずリアルに伝わってきて、頑張ろうという気持ちになった」「作成したプランを上司に諮り、早速実施準備に入った。研修で知り合った皆さんからの刺激で自分が成長したことを実感している」等の声が寄せられました。オンデマンド配信のみの受講者からも「初めて事業企画を行うこととなり、右も左もわからなかったので、データの集め方、事業企画の流れ、経験談など、充実した内容だった」「講義を聴きながら自分でプログラムデザインを作成してみたが、とても参考になった」との感想がありました。アンケートの満足度も非常に高く、「研修予算がない」「多忙で出張が困難」といった事情を超えて、全国の仲間と学び合える貴重な機会としても大変好評でした。

全プログラム受講生の最終日記念写真。 満足げな表情が印象的。

参加者が作成したプログラムデザイン

 参加者が実際に研修中に作成したプログラムデザインです。
 「女性リーダーの育成」「女性活躍推進・働き方改革」「教育・メディア」「男性・若者へのアプローチ」「女性の困難への支援」「防災と男女共同参画」「フリーテーマ」の7グループに分かれて作成しました。
 ※掲載許可を戴いた方のみ掲載しています。

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