研修・イベント

研修

実施報告

令和5年度「地域における男女共同参画推進のための事業企画研修」

開催期間:令和6年1月16日(火)〜2月13日(火) / 定員:130名

開催場所:オンライン /


令和5年度「地域における男女共同参画推進のための事業企画研修」のチラシ表面

令和5年度「地域における男女共同参画推進のための事業企画研修」のチラシ裏面

1.趣 旨

 地域の男女共同参画の推進を目指し、男女共同参画の視点に立った研修・学習事業を効果的に行うためには、首尾一貫した事業の企画・実施・評価を行うことが必要です。そこで、地域が抱える課題を整理し、課題解決に向けた事業の設計図(プログラムデザイン)を作成する知識やスキルを身に付けることを目的とした研修を実施します。

2.主 催

独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)

3.対象・定員

 行政、女性関連施設、公民館等の職員で、地域における男女共同参画推進のための事業等の企画・実施業務に現在就いている方
*応募多数の場合は選考により参加者を決定します。選考にあたっては、地域バランス・経験年数等を考慮します。

(1)全プログラム(ライブ配信・オンデマンド配信・個人ワーク)受講者:定員30名
(2)オンデマンド配信プログラムのみの受講者:定員100名

4.実施期間

令和6年1月16日(火)〜2月13日(火)

5.方 法

YouTubeによるオンデマンド配信及びZoomによるライブ配信

6.参加費

無料(通信費は参加者負担)

7.プログラム

オンデマンド配信プログラム(期間中繰り返し視聴可能です)
(1)オリエンテーション

 主催者あいさつ 萩原なつ子 国立女性教育会館理事長
 趣旨説明    国立女性教育会館事業課専門職員

(2)講義 ①「男女共同参画の基礎的理解を深める」(約60分)

 日本の男女共同参画の現状や地域の実情について基礎的理解を深めるために、男女共同参画社会基本法・計画やその背景、ジェンダー統計の重要性について学びます。

  講師  渡辺 美穂 国立女性教育会館研究国際室長(併)主任研究員

(3)講義 ②「男女共同参画の視点に立った事業企画を考える」(約50分)

 男女共同参画の視点に立った事業企画を行うために、設計図となるプログラムデザイン作成の目的と意義について学びます。
  
  講師  引間 紀江 国立女性教育会館事業課主任専門職員

(4)講義 ③「学習プログラムを企画・実施・評価するための注意点」(約60分)

 実際に事業を企画・実施・評価する上での注意点を、事例とともに解説します。
  
  講師  松下 光恵 NPO法人男女共同参画フォーラムしずおか代表理事

(5)講義 ④「実態把握のための情報収集」(約40分)

 企画立案に不可欠な情報収集について、NWEC内の専門図書館「女性教育情報センター」をはじめ、男女共同参画に関する情報の総合窓口「女性情報ポータル“Winet”(ウィネット)」と女性関連施設情報等のデータベースの活用方法から学びます。
  
  講師  森 未知 国立女性教育会館情報課専門職員

(6)事例報告(約40分)

 昨年度の研修に参加・修了した方々から、実際にプログラムデザインを使って企画・実施した事業について報告いただきます。

  報告者  坂東 正子 徳島市市民文化部男女共同参画センター主任主査兼係長
       髙木 桜子 北九州市立男女共同参画センター・ムーブ事業課職員


個人ワーク(全プログラム参加の場合のみ必須 )
(7)「プログラムデザインを作成する」

 講義の視聴とグループワークを通じて、地域の課題解決に資する事業・テーマを検討し、各自でプログラムデザイン案を作成します。


ライブ配信プログラム(見逃し配信なし)
(8)グループワーク ①「共に学ぶ仲間との関係づくりと情報交換カフェ」

1月23日(火)13:30~15:30

 自己紹介やアイスブレイクを通して、グループで意見交換しながら共同作業を進めていくための関係づくりを行います。
 また、プログラムデザインの書き方、作成にあたっての疑問点や事業企画の際の悩み等について、参加者同士の情報交換を交えながら、互いに知恵を出し合います。

(9)グループワーク ②「地域に即した課題解決プログラムをつくる」

1月30日(火)13:30~15:30
 
 各自が作成したプログラムデザイン案をグループ内で発表し、内容や工夫した点を共有するとともに、改善が必要な点について話し合います。

(10)グループワーク ③「グループ発表と成果の共有」

2月6日(火)13:30~16:30

 各グループ内でブラッシュアップしたプログラムデザインから一案を選び、内容や工夫した点を発表し、全体で意見交換しながら、成果を共有します。

 【ライブ配信プログラム】助言・プログラム指導
  大島安輝子 我孫子市秘書広報課男女共同参画室推進員
  岸上 真巳 一般財団法人大阪男女いきいき財団企画調整課課長代理 ※(9)を除く
  松下 光恵 NPO法人男女共同参画フォーラムしずおか代表理事
  国立女性教育会館事業課客員研究員・専門職員


受講に必要な環境
(1)オンデマンド配信プログラムを視聴する場合

 ①インターネットに接続できるパソコン(推奨)またはタブレット、スマートフォンが使用できること。
 ②使用する端末に下記の動作環境があること。

 *OS・ブラウザのメーカーサポートが切れているバージョンは、対象外(延長サポート期間も含む)です。
 *セキュリティソフトやブラウザ用アドオンソフトが動画の再生をブロックすることがあります。
 *タブレット、スマートフォンでも受講可能ですが、画像が適切に表示されない可能性があります。

(2)ライブ配信プログラムに参加する場合

 ①インターネットに接続できるパソコン又はタブレット(スマートフォン不可)にWebカメラ・マイク
  (外付けも可)機能があること。
 ②使用する端末に、「Zoom」アプリがインストールしてあること。
 ③通信が遅延、途切れることのない安定したネットワーク環境があること。
 ④話しやすい静かな環境であること。
 ⑤1人1台、端末があること。

8.申込方法等

(1)申込方法

 下記専用申込フォームからお申込みください。
 *同じメールアドレスで複数の参加者を登録することはできません。
 *参加決定通知や資料等はメールで送付します。
  外部からのメールが受信できるアドレスを入力してください。
 *氏名・都道府県・所属機関名・部署名は、ライブ配信参加者のみ参加者名簿として共有します。

(2)申込期間

 令和5年11月27日(月)9:00~12月15日(金)17:00

(3)参加決定

 結果は、申込時のメールアドレスに通知します。
 *令和6年1月9日(火)を過ぎても連絡がない場合は事業課までお問合せください。

(4)キャンセル

 キャンセルする場合は、必ず事業課までメールにて御連絡ください。

9.その他

(1)プログラムの変更・中止について

 感染症、気象状況、官公庁からの指示、その他主催者が研修を安全かつ円滑に実施することが困難と判断した場合には、やむを得ずプログラム内容の変更又は開催を中止する場合があります。これらの情報は、随時NWECホームページでお知らせします

(2)広報

 研修期間中に職員が撮影した写真や完成したプログラムデザインを事業記録や広報(ホームページ、SNS、ちらし等)に使用することがあります。あらかじめ御了承ください。

(3)フォローアップ調査の実施

 研修終了6か月後、令和6年8月頃を目途にフォローアップ調査を実施します。研修成果が実際の職務にどのように役立てられているかを伺うものです。御協力をお願いします。

10.問合せ先

 独立行政法人国立女性教育会館事業課
 〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
 TEL:0493—62-6724/6725(平日9:00~17:00)
 メール:progdiv@ml.nwec.go.jp *お問合せはなるべくメールでお願いします。

令和5年度「地域における男女共同参画推進のための事業企画研修」実施報告

 国立女性教育会館では、令和6年1月16日(火)〜2月13日(火)の期間、令和5年度「地域における男女共同参画推進のための事業企画研修」をオンラインで開催しました。この研修は、理論学習や企画手法・情報収集についての講義を通じて、首尾一貫した事業の企画・実施・評価についての学びを深め、男⼥共同参画の視点に⽴った研修・学習事業を効果的に展開する手法を身につけていくものです。
対象は、行政・女性関連施設・公民館等で企画業務に携わる現職の方々とし、研修成果をすぐに活かしていただけるよう、企画案作成等実務に直結した内容となっています。全国から集まったメンバーは、今年度初めて男女共同参画部署に配属された初任者から、男女共同参画センターで何年も企画業務に携わってきたベテランまで幅広く、オンデマンド配信の講義プログラムを187名が、ライブ配信でのグループワークを含めた全プログラムを25名が受講しました。

 まず、事業企画に必要な視点や手法について、4本の講義で順を追って学びました。「男女共同参画の基礎的理解を深める」では国内外の動きや的確な課題把握に欠かせないジェンダー統計について、「男女共同参画の視点に立った事業企画を考える」では、事業立案のポイントとプログラムデザイン作成の方法について、「実態把握のための情報収集」ではNWECの情報事業の紹介とその具体的な活用方法について、それぞれの講義分野に精通した会館職員が解説しました。
受講者からは「地域の課題解決がジェンダー等の社会課題の解決に繋がると再認識できた。」「具体的な情報収集の方法について知ることができ、実務に役立つと思った。」等の感想が多く寄せられました。
続いて、本研修の中軸となるプログラム「学習プログラムを企画・実施・評価するための注意点」では、NPO法人男女共同参画フォーラムしずおか代表理事の松下光恵さんが、長年の実践経験に基づいた知見と事業展開の手法について、講義しました。
 「評価は目的と目標の検証であり、次の計画に活かすために不可欠であることを理解できた。」「企画において注意するべき細かいポイントや評価するための注意点を知ることができて良かった。プログラムデザインの際には何度も見返したいと思う。」「課題を欲張らずにピンポイントで企画をすること、企画作りのポイントで、広めるのか、深めるのか、という視点を持つことなど具体的でわかりやすかった。」等、感想からは、満足度と有用度の高さが読み取れました。

講義3「学習プログラムを企画・実施・評価するための注意点」

 さらに「事例報告」では、前年度この研修を修了した、徳島市男女共同参画センター/坂東正子さん(とくしまダイバーシティフォーラム)、北九州市立男女共同参画センター・ムーブ/髙木桜子さん(生涯を通じた女性の健康支援事業「映画『17歳の瞳に映る世界』から考える~子どものリアルに寄り添う性教育って?~」)の2名が、研修での学びを活かして実施した事業について、そのプロセスや苦心しながら得た成果を紹介しました。
 「お二方とも素晴らしい企画をデザイン・実践されており、今後の参考にしていきたいと感じた。そのためにはまだまだ勉強が必要で、自らの男女共同参画事業に対する意識も高めていきたい。」「研修を受けるきっかけが自分と重なり、内容をそのまま業務に活かせると思った。実行後も、自分自身の変化にまで意識している点に感心した。」等の感想が寄せられ、たんに好事例の共有に止まらず、受講者のモチベーション向上にも効果的な報告となりました。

令和4年度修了者による「事例報告」(坂東さん)

(髙木さん)

 ここまでのインプットを終えた後、全プログラム受講者は、自分がチャレンジしたいと思う企画のプログラムデザイン(事業の設計図)の作成に取り組みました。ライブ配信では、各自が作成した案を、事業テーマ別のグループに持ち寄り、相互検討しながら練り上げていきます。今年度の事業テーマは「⼥性リーダー育成と登用」「⼥性活躍推進・働き⽅改⾰」「教育・メディア」「男性・若者にとっての男女共同参画」「困難を抱える女性の⽀援・リプロ」「防災とジェンダー」「フリージャンル」。1グループは3~5名で、進行役として、自治体や男女共同参画センターで実績を重ねてきた助言者3名と会館職員が各グループに入り、話し合いを深めました。グループワークについて、「お互いを知るワークがとても楽しく距離が近くなり、安心安全な場だと感じた。」という声の通り、画面越しながら、白熱した討議が繰り広げられました。

全体セッションの様子。北海道から沖縄まで全国の企画者仲間が集いました

 最終日には、グループごとに修正を重ねた力作を発表。3週間にわたり集中して向き合ったプログラムデザインは、それぞれに進化し、充実した内容になっており、互いのアイデアに感心するとともに、エールを送り合いました。そして、最後の全体セッションでは、各グループから選出された代表者が発表を行い、助言者の講評を通じて振り返りながら、全員で成果を共有しました。
 感想では、「今回初参加でしたが、色々と学びのある研修で、受講前と後での自己意識の変化を嬉しく思います。この気持ちを継続させながら事業企画に取り組みたいと思います。」「とても参考になり、他の人にもすすめたい内容でした。」「プログラムデザインは噛むまでは不安でしたが、やり始めると噛めば噛むほど味わい深いと感じ、これを基盤にアレンジしながら事業を考えたいと思えた。」「今回の受講で業務遂行にあたって意識を高めることができた。計画と実行で終わることなく、改善しながら継続的な活動が大事だと改めて思った。」等、学びが意識変容につながった様子がうかがわれ、今後の地域での実践につながる萌芽を感じました。
 また、「グループメンバーとメールアドレスを交換して今後もつながることができた。これからも事業等で相談・協力できればありがたい。」との声もあり、オンライン開催であっても、全国の仲間と交流しながら共に学び合うことで、ネットワーク作りに資する機会ともなりました。

参加者が作成したプログラムデザイン

参加者が実際に研修中に作成したプログラムデザインです。
テーマは「教育・メディア」「女性活躍推進・働き方改革」「男性・若者にとっての男女共同参画」「防災とジェンダー」「フリーテーマ」、6グループに分かれて作成しました。
※掲載許可を戴いた方のみ掲載しています。

研修・イベント